第4話『あの月見した日の僕達は名前がまだ不知火(しらぬい)。』(脚本)
〇屋敷の門
「シゲ、すまんな。 しばらくの間、七海をよろしく頼む」
運転手のシゲちゃん「オヤジ!ちょっと待ってくれよ」
運転手のシゲちゃん「俺に子供の子守りなんて・・・」
「お前は何でも出来る男じゃないか」
「じゃ、そゆことで~!」
運転手のシゲちゃん「オヤジぃぃぃー!!」
神道七海(しんどう ななみ)「おーい!チゲ、パパどこいった?」
運転手のシゲちゃん「パパはお仕事だよ~ って、お嬢様──」
運転手のシゲちゃん「チゲは鍋料理だよ~、俺はシゲ! シゲちゃんって呼んでね~」
神道七海(しんどう ななみ)「チゲチャーハン!」
運転手のシゲちゃん「あははは・・・」
運転手のシゲちゃん(勘弁してくれ~)
〇川沿いの原っぱ
運転手のシゲちゃん「お嬢様、月を見ながら食べる団子はおいしいですね」
神道七海(しんどう ななみ)「シゲちゃんは花より団子なんだね」
運転手のシゲちゃん「お嬢様、よくそんな言葉をご存じで・・・ さすが、天才です」
神道七海(しんどう ななみ)「ちょっと~、シゲちゃんツッコんでよ! 今、花見てないじゃん!月見てるじゃん!」
運転手のシゲちゃん「おおっ・・・さすがです」
神道七海(しんどう ななみ)「さすがですって何~?! シゲちゃん適当過ぎっ!!」
神道七海(しんどう ななみ)「あっ・・・そうだ!」
神道七海(しんどう ななみ)「今日だけ不知火七海(しらぬい ななみ)になってもいいかな?」
運転手のシゲちゃん「お嬢様が何で俺の名字を・・・?」
神道七海(しんどう ななみ)「まぁまぁ!いいじゃん」
運転手のシゲちゃん「今日だけなら。お嬢様には神道という立派な名字がありますからね」
神道七海(しんどう ななみ)「シゲちゃん──」
神道七海(しんどう ななみ)「・・・月、綺麗だね」
運転手のシゲちゃん「えぇ。綺麗です──」
運転手のシゲちゃん「でも俺はこの団子の方が好きだなぁ~」
神道七海(しんどう ななみ)「もぉ~!」
〇通学路
運転手のシゲちゃん「お嬢様のスマホじゃねぇか!!!」
運転手のシゲちゃん「緊急事態だ。周辺の防犯カメラに何か映ってないか調べてくれ」
「あいよー!何があったんだい?」
運転手のシゲちゃん「お嬢様を探している」
〇諜報機関
パソコンのプロ「ちょっと待ってねぇ──」
パソコンのプロ「あっ、すぐ近くに防犯カメラがあるよ」
パソコンのプロ「まずはそこからハックしてみるわ」
パソコンのプロ「あー映ってるね」
パソコンのプロ「お嬢様、誰かに連れ去られてる」
〇通学路
運転手のシゲちゃん「拉致だと!?」
「スマホに動画送るよ」
運転手のシゲちゃん「おいおい、こいつら・・・」
運転手のシゲちゃん「素人じゃねぇか。突発的な犯行だな」
「みたいだね。行き先追ってみるよ」
運転手のシゲちゃん「頼む」
〇諜報機関
パソコンのプロ「あははっ!どこをどう走ったか全て追えるよ」
パソコンのプロ「素人だねぇ~」
パソコンのプロ「・・・おっ、倉庫に入っていった」
〇通学路
「住所は──・・・」
運転手のシゲちゃん「分かった」
〇車内
運転手のシゲちゃん(素人がお嬢様をさらうとはいい度胸だ)
運転手のシゲちゃん「・・・」
運転手のシゲちゃん(ほんとに素人か?)
運転手のシゲちゃん(街中のカメラにわざと映りながら走った可能性は・・・?)
運転手のシゲちゃん(だとしたら、目的は何だ・・・?)
運転手のシゲちゃん「・・・」
運転手のシゲちゃん「俺か──・・・?」
〇洋館の廊下
レイジ「アニキ!久しぶりっス!」
レイジ「アニキから連絡があるって事は・・・」
〇車内
運転手のシゲちゃん「あぁ・・・戦争だ」
運転手のシゲちゃん「相手はおそらく不死身のよっちゃん──」
「不死身のよっちゃん?!」
「って事は、相手は少なくても5000・・・ いやっ、10000人・・・」
運転手のシゲちゃん「腕が鳴るだろ~レイジ」
「へいっ!!」
運転手のシゲちゃん「だがよ、お嬢様が人質になってるんだ」
運転手のシゲちゃん「今回ばかりは遊んでいられねぇ」
〇洋館の廊下
「総戦力でカタをつける」
レイジ「マジっすか、アニキ・・・」
レイジ(戦力を総動員なんて・・・)
レイジ(下手すりゃ街が一つ消し飛ぶぞ・・・)
レイジ「わかりやした」
「場所は──・・・」
〇車内
「5分以内に集合させます」
運転手のシゲちゃん「3分だ」
「わかりやした!」
運転手のシゲちゃん(不死身のよっちゃん・・・お前、)
運転手のシゲちゃん(この世で一番やっちゃいけねぇ事しちまったな──)
〇組織のアジト
???「今日は極上じゃねぇか」
???「へいっ!たまたま見つけて連れてきました」
???「今日は運がいいっすね」
???「・・・ちょっと待った! 一応年齢の確認してくれよ」
???「未成年はマズいっすもんね」
???「えーっと、生年月日は・・・」
???「アニキ、ダメです── 未成年でした」
???「マジかよ!ちょっと見せろ」
???「・・・」
???「神道・・・」
???「何か聞いたことある名前だな・・・」
???「どうしたんすか?」
???「いや・・・何か嫌な予感がしてな」
???「えっ?!」
???「アニキ!外が騒がしいっす」
〇秘密のアジト
〇組織のアジト
「ん?」
「お嬢様は無事か──・・・」
「おい」
運転手のシゲちゃん「お前ら誰だ?」
???「えっ・・・あなたはまさか・・・」
???「悪魔のシゲ!!!──・・・さん!」
???「こ・・・殺される・・・」
「おいおいっ、不死身のよっちゃんじゃねぇ~じゃね~か~」
ゲイル北川「シゲちゃん・・・戦力総動員させといてそりゃないべ」
ゲイル北川「ま、お嬢様をさらった奴は俺に任せな」
マッスル小森「待て、俺が始末する」
ゲイル北川「はっ?横取りすんなよ~」
運転手のシゲちゃん「すまねぇ、深読みし過ぎたみたいだ」
マッスル小森「お嬢様の事になるといつもコレだよ」
運転手のシゲちゃん「幸いお嬢様はまだ眠ってる。目を覚ます前に全て終わらせるぞ」
ゲイル北川「こんな奴ら小指一本でやったらぁ」
マッスル小森「ふん、俺なら鼻くそ1個だ」
ゲイル北川「おらぁぁぁー!」
???「小指が・・・刃物のように・・・ グハッ・・・・・・」
マッスル小森「ふんっ!」
マッスル小森「行くぞ」
鼻くそを丸めてデコピンで飛ばした
???「鼻くそが・・・弾丸・・・ グハッ」
???「命だけは・・・命だけは・・・」
運転手のシゲちゃん「命は助けてやる。大人しくしてろ」
???「──ありがとうございます」
運転手のシゲちゃん「連れていけ」
レイジ「うぃっす!」
運転手のシゲちゃん「お嬢様、無事で良かった・・・」
神道七海(しんどう ななみ)「スヤァ・・・」
〇空
〇女性の部屋
神道七海(しんどう ななみ)「あぁ~よく寝た・・・ってあれ?」
神道七海(しんどう ななみ)「私いつ帰って来たんだっけ・・・?」
〇シックなリビング
「ねぇー!シゲちゃーん!」
運転手のシゲちゃん「おはようございます。 どうなさいました?」
神道七海(しんどう ななみ)「私って昨日いつ帰ってきたんだっけ?」
運転手のシゲちゃん「夜に徒歩で帰宅されてましたよ」
運転手のシゲちゃん「お疲れのようでしたので、部屋に入ってそのまま寝てしまったのでは?」
神道七海(しんどう ななみ)「そうなんだ・・・全然覚えてない」
運転手のシゲちゃん「そんな事より、学校遅刻しますよ」
神道七海(しんどう ななみ)「そうだね!急がなきゃ」
運転手のシゲちゃん「ふっ」
〇大きな木のある校舎
〇教室の教壇
神道七海(しんどう ななみ)「海斗、おはよう!」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「おはよう! ・・・ななちゃん──」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「昨日連絡なくて心配してたんだよ~」
神道七海(しんどう ななみ)「ごめんね!何か帰ってすぐ寝ちゃったみたいなの」
神道七海(しんどう ななみ)(全然覚えてないんだけど・・・)
滝澤海斗(たきざわ かいと)「そうだったん──」
神道七海(しんどう ななみ)「あーーーーー!!!」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「どうしたの?」
神道七海(しんどう ななみ)「今思い出した──・・・」
神道七海(しんどう ななみ)「富永君にアイ食べ持ってくるの忘れてた──」
富永 薫(とみなが かおる)「神道さん、気にしないで」
滝澤海斗(たきざわ かいと)(速っ!富永君ずっと待ってたんじゃ・・・)
富永 薫(とみなが かおる)「いつでもいいので──」
滝澤海斗(たきざわ かいと)(絶対いつでもいいと思ってない・・・)
神道七海(しんどう ななみ)「明日絶対持ってくる!」
富永 薫(とみなが かおる)「ありがとうっス!」
滝澤海斗(たきざわ かいと)(そんなに読みたいんだ・・・)
〇屋敷の門
一方その頃──
運転手のシゲちゃん「いくぞ」
???「はひぃぃ」
〇研究施設の屋上
運転手のシゲちゃん「こっちこい」
???「はひぃぃ」
運転手のシゲちゃん「お前を島流しの刑に処す」
???「島流し・・・?!」
運転手のシゲちゃん「まぁ、正確に言うと宇宙流しの刑だ」
運転手のシゲちゃん「この小型ロケットでお前を宇宙に飛ばす」
???「ひゃぇぁぁ」
運転手のシゲちゃん「命だけは助けてやる・・・だが、お前は寿命が来るまで宇宙を彷徨い続けるんだ」
???「寿命が来る前に餓死しちゃうんじゃ・・・」
運転手のシゲちゃん「安心しろ。60年分の点滴と酸素は用意してある」
ナース「はいっ!点滴の準備しますねぇ~」
博士「点滴が終わったら次は打ち上げの準備じゃ」
???「うぅ・・・」
???「──さよなら、地球・・・」
運転手のシゲちゃん「グッドラック」
〇研究施設の屋上
ぎゃあぁぁあぁぁあ!!
ロケットの打ち上げは無事成功した
〇地球
???「地球は青かった・・・」
???「なんてね・・・ははっ」
???「・・・う゛ぅぅ~」
その後、彼は天寿を全うした・・・
らしい──
〇空
〇古いアパートの一室
滝澤海斗(たきざわ かいと)「富永君、すごい楽しみにしてたなぁ」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「まだ読んでないのに──」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「って事は、アイ食べの読者は新連載をもっと楽しみにしてるって事?!」
滝澤海斗(たきざわ かいと)「またプレッシャーが・・・」
──まもなく連載スタート・・・
話は・・・まとまるのだろうか──
つづく──
事実は小説よりも奇なり
実際に不死身のよっちゃんとの抗争があったら街は消し飛ぶでしょうね…その説得力がゲイルとマッスルにはあります。シゲちゃんも相当武闘派でしょう…
ななちゃんの初恋はシゲちゃんだったのでしょうか?☺️
からの不死身のよっちゃん!
からの全然知らんキャラ!!!!!🤣
こっちのサイドストーリーだけでも物語作れそうですよね✨
さて、漫画もどうなることやら🤔
次回も楽しみにしております👍
今回もめっちゃ笑いました!まさかのシゲちゃん回!
2人の絆が、そしてシゲちゃんの優しさも過保護さも伝わってきました……にしても、小指と鼻くそが強すぎて😂
新連載、無事まとまるように祈ってます〜✨
続き楽しみにしてます!!