第7話 完了報告(脚本)
〇山道
イリア「渚さんっ!!」
グリズリーは倒したのに、なぜかイリアはご立腹の様子。
以龍 渚「? なにをそんなに怒ってるんだ? ──それより、傷の治療を頼めるか?」
以龍の身体に残る、グリズリーの爪跡からは血が垂れている。
イリア「私が怒っているのは、最後の一撃ですっ」
治療の魔法を以龍にかけながら、イリアは説教を始める。
イリア「どうしてあんな無茶をしたんですか?」
以龍 渚「少し無茶をするって言ってあったと──」
イリア「違いますっ。 私が言っているのは、私の雷の魔法が残っている状態で、なんでとどめを刺しにいったのかってことです!!」
イリア「現に、胸の傷はすぐに治療できたのに、私の雷のダメージが回復していないじゃないですか」
以龍 渚「・・・悪い」
イリアの迫力に、以龍は謝るほかなかった。
イリア「いいですか? 今度からはあんな無茶はしないでくださいね」
〇洞窟の入口(看板無し)
イリアは亡骸となったグリズリーに近づいていく。
そして、グリズリーの亡骸に自分の手の甲にあるアドベントの刻印を触れさせる。
イリア「渚さんも私と同じように刻印を当ててください」
以龍 渚「? その行動に何の意味があるんだ?」
イリア「い、依頼達成の報告手続きみたいなものです。渚さんも同じようにしてください。 その後で完了の処理をしますから」
以龍はイリアに言われたとおりに、刻印をグリズリーの亡骸に触れさせた。
──刻印が一瞬だけ光を放った。
イリア「それじゃあ、完了の処理をしますね」
イリアは自分の刻印を軽くこすると、手の甲の上に文字が浮かび上がってきた。
宙に浮かぶ文字に触れると、別の文字か現れる。
それはギルドで以龍の刻印を認証させた機械を操作している時と同じように見えた
最後に確認のメッセージらしき文字に触れると、それと同時にグリズリーの亡骸が光の粒子となって消えていった。
イリア「これで完了です。 さ、戻りましょうか、渚さん」