無能な聖女様による、生き残りからの生き返らせ生活

猫目 ひとつも

#2 自堕落聖女なので、ここはどことか気にしません(脚本)

無能な聖女様による、生き残りからの生き返らせ生活

猫目 ひとつも

今すぐ読む

無能な聖女様による、生き残りからの生き返らせ生活
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇荒れた小屋
ハロロリア「はっ!」
ハロロリア(ここ、どこ?)
ハロロリア(っていうか、私どうしたんだっけ?)
ハロロリア(たしか、魔物に襲われて・・・・・・)
ハロロリア(絶体絶命で・・・・・・)

〇美しい草原

〇美しい草原
ハロロリア「ぐぬぬ・・・・・・」
スケル「ふふふ・・・・・・」
スケル「私にはかないませんよ」
スケル「では・・・・・・」
ハロロリア「簡単にやられないんだからっ!」
ハロロリア「はぁっ!」
ハロロリア「浄化魔法! 『トランスヘブン!』」
スケル「えっっ! えええええーっ!」
ハロロリア「『トランスヘブン!』 『トランスヘブン!』 『トランスヘブン!』」
スケル「うぐわぁぁあっ!」

〇荒れた小屋
ハロロリア「ああ・・・・・・」
ハロロリア(トランスヘブン 爆唱したんだった)
ハロロリア(で、その後どうなったんだっけ?)
ハロロリア「そうだそうだ!」
ハロロリア(気を失いそうになって・・・・・・)
ハロロリア(っていうか気を失って・・・・・・)

〇美しい草原

〇美しい草原
アンデッド「・・・・・・」

〇荒れた小屋
ハロロリア「あいつだ!」
ハロロリア(私が気を失う直前、あいつが私を覗き込んでたような・・・・・・)
ハロロリア(あいつ、なにした?)
ハロロリア「うん、宝箱は大丈夫」
ハロロリア「入ってるのは仲間の死体だけど・・・・・・」
ハロロリア(・・・・・・ということは)
ハロロリア「はっ!」
ハロロリア「ぱんつ!」
  ごそごそっ
ハロロリア「うん、パンツも大丈夫」
  ガチャ!
アンデッド「はわっ!」
ハロロリア「はわわわわっ!」
アンデッド「せ、聖女様!」
アンデッド「パンツ下ろして何してるんですか!」
ハロロリア「えと・・・・・・」
ハロロリア「これはその・・・・・・」
ハロロリア「ち、ちがくて・・・・・・」
ハロロリア「パンツ下げてたのは」
ハロロリア「もろもろの確認のためで・・・・・・」
アンデッド「そうですか そうですよね」
アンデッド「私はてっきり・・・・・・」
ハロロリア「っていうか、あんた」
ハロロリア「ちょっとあっち向いてなさい!」
アンデッド「・・・・・・はい」
  ごそごそっ
ハロロリア「ふぅ、まったく」
ハロロリア「っていうか私に何したっ!」
アンデッド「何した?」
アンデッド「どうかされましたか?」
ハロロリア「私の身体 思ったように動かないじゃないっ!」
アンデッド「えっと」
アンデッド「それは空腹のせいじゃないかと・・・・・・」
ハロロリア「えっ・・・・・・」
ハロロリア「あはっ あははははっ」
アンデッド「食べますか?」
ハロロリア「あっ・・・・・・」
ハロロリア「じゅるり・・・・・・」
アンデッド「おいしいですよ」
ハロロリア「そんなこと言って 今度は大丈夫なんでしょうね?」
アンデッド「今度は?」
アンデッド「よくわかりません」
アンデッド「で、食べるんですか?」
アンデッド「それとも、捨てちゃいますか?」
ハロロリア「た、食べるに決まってるでしょ!」
アンデッド「よかったです」
ハロロリア「じゃ、さっそく」
ハロロリア「いっただきま~す!」

〇ヨーロッパの街並み
  むしゃむしゃ!
  ムシャムシャ!
  もぐもぐ
  バクバク

〇荒れた小屋
ハロロリア「うふぅ・・・・・・」
ハロロリア「苦しい・・・・・・ もう、無理ぃ・・・・・・」
ハロロリア「はちきれるぅ・・・・・・」
アンデッド「がっつくからです」
ハロロリア「すっごくお腹ぺこぺこだったし」
アンデッド「だからって」
アンデッド「でも・・・・・・」
アンデッド「満足してもらえたみたいで よかったです」
ハロロリア「それであんた」
アンデッド「はい」
ハロロリア「この料理 どこで調達してきたの」
アンデッド「どこでって」
アンデッド「ふつうにふつうの食堂です」
ハロロリア「食堂ってさ」
ハロロリア「アンデッドのあんたが入っちゃ まずいんじゃないの?」
アンデッド「???」
ハロロリア「あんたみたいなアンデッドが のこのこ食堂入ってったら」
ハロロリア「客とかざわついて 武器とかの準備はじめちゃいそうだし」
ハロロリア「それにあの料理屋の主人」

〇怪しげな酒場

〇荒れた小屋
ハロロリア「あんた見たら 卒倒しちゃいそうだけど?」

〇怪しげな酒場

〇荒れた小屋
アンデッド「ああ そういうことなら大丈夫です」
アンデッド「ちゃんと魔物の村の食堂から 運んできましたから」
ハロロリア「あるんだ、食堂」
ハロロリア「魔物の村なのに へぇ~」
アンデッド「ありますよ、そりゃ」
アンデッド「我々が どうやって生きてると思ってんですか?」
アンデッド「何も食べずに 生命維持してるとでも?」
ハロロリア「まあ、そうか」
ハロロリア「っていうか、 あんたアンデッドよね?  生きてないよね?」
アンデッド「ま、まあ・・・・・・」
アンデッド「でも!」
アンデッド「食べ物は食べます!  なんでもおいしくいただきます!」
ハロロリア「そういや 私のおイモさん ぜんぶ食べちゃってたしね」
アンデッド「あれは・・・・・・ だって・・・・・・」
アンデッド「お腹ぺこぺこだったし・・・・・・」
アンデッド「すっごくおいしそうだったし・・・・・・」
アンデッド「だからこうやって 食べ物持ってきてあげたじゃないですか」
ハロロリア「当然でしょ」
ハロロリア「私のおイモさん ぜんぶ食べちゃったんだから」
アンデッド「それは、ごめんなさいです」
アンデッド「ですが・・・・・・」
ハロロリア「なによ?」
アンデッド「聖女様を こちらまで運んできたのは私です」
ハロロリア「当然でしょ 私、聖女だもん」
アンデッド「へっ?」
アンデッド「・・・・・・」
アンデッド「すごい理屈ですね」
ハロロリア「聖女様を ないがしろにすると ひどい目に会うんだからね」
アンデッド「いいんですか?」
アンデッド「そんな態度だったら 今度から ピンチに陥っても助けてあげませんよ」
ハロロリア「はぁあああ?」
ハロロリア「はぃいいい?」
ハロロリア「いつ私が助けてほしいって言ったよ?」
アンデッド「・・・・・・」
ハロロリア「何時何分何秒よ?」
ハロロリア「言ってみなさいよ」
ハロロリア「ほら。ほら。ほらっ!」
アンデッド「うわぁ」
アンデッド「そんなセリフ 今どき子供どころか 魔物ですら言いませんよ」
アンデッド「そんなんだから」
ハロロリア「なによ?」
アンデッド「駄聖女様って 言われちゃうんですよ」
ハロロリア「はぁあああっ?!」
ハロロリア「ダ、ダセイジョ?」
ハロロリア「なにそれ!  誰が言ってんの!」
ハロロリア「そいつちょっと ここへ連れてきなさいよ!」
アンデッド「みんなです   駄聖女様っ♪」
アンデッド「まあ、みなさまの認識は おおむね間違ってないと思います」
ハロロリア「アンデッド!」
ハロロリア「あんた 私にケンカ売ってんの?!」
ハロロリア「あんたなんてね 私がトランスヘブン唱えた瞬間」
ハロロリア「ぴろぴろ~♪って 浄化されて消えちゃうんだからね!」
アンデッド「だからなんですか」
ハロロリア「わかんないの?」
アンデッド「わかりません」
ハロロリア「私に口応えしないで おとなしくしときなさいってことよ!」
アンデッド「へぇー」
アンデッド「そうですか?」
アンデッド「お腹いっぱいになったとたん 食べ物を持ってきてもらった恩も忘れて」
アンデッド「さっそく殺戮ですか そうですか」
アンデッド「さすが人間の聖女様は違いますね」
アンデッド「へぇー」
アンデッド「トランスヘブンですか? 浄化魔法ですか? そうですか?」
アンデッド「唱えたいならどうぞ」
ハロロリア「ぐぬぬ・・・・・・」
アンデッド「どうしたんです?」
アンデッド「唱えないんですか?」
アンデッド「ほら、ほら、ほらっ」
ハロロリア「唱えられるわよ!」
ハロロリア「その気になったら いつだって唱えられるんだから」
ハロロリア「でも・・・・・・ 今日はやめといたげる」
ハロロリア「私のこと 助けてくれたみたいだし」
ハロロリア「それに おいしいご飯 持ってきてくれたし」
ハロロリア「さすがに私でも」
ハロロリア「そこまで恩知らずじゃないんだから」
アンデッド「っ・・・・・・!」
アンデッド「・・・・・・」
ハロロリア「ちょ、ちょっと! なにか言いなさいよ!」
ハロロリア「恥ずかしいじゃない」
アンデッド「・・・・・・こちらこそごめんなさい」
アンデッド「言い過ぎました」
ハロロリア「アンデッド・・・・・・」
アンデッド「聖女様ぁ・・・・・・」
ハロロリア「ふぁぁぁあ・・・・・・」
ハロロリア「なんか 眠くなってきちゃった」
アンデッド「聖女様 眠る前に大事なお話が・・・・・・」
ハロロリア「お金なら持ってないわよ」
アンデッド「そうじゃなくてですね・・・・・・」
ハロロリア「ごめんもう無理」
ハロロリア「すっごく眠い・・・・・・」
アンデッド「聖女様・・・・・・」
ハロロリア「あっ!」
アンデッド「な、なんですか?」
ハロロリア「あんた 食べ物になんか入れたでしょ」
ハロロリア「尋常じゃないわよ この眠さ」
アンデッド「お腹いっぱいになったから ですよ」
ハロロリア「だってあんた あの時だって・・・・・・」
ハロロリア「ふぁぁぁあ・・・・・・」
アンデッド「あの時って なんですか?」
ハロロリア「あの時はあの時よ」
ハロロリア「豆みたいなヘンなモノ くれた時」
ハロロリア「もう無理 眠すぎる」
アンデッド「え、あれを・・・・・・」
アンデッド「もしかして」
ハロロリア「おやすみなさい・・・・・・」
アンデッド「食べたんですか?」
アンデッド「聖女様、聖女様」
アンデッド「ふふふふふ」
アンデッド「眠ってしまいましたか・・・・・・」
アンデッド「ふふふふふ・・・・・・」

次のエピソード:#3 自堕落聖女なので、金貨たんまりの宝箱に動揺しちゃいます

コメント

  • アンデッドさんのキャラが立ちすぎて、読むにつれてどんどん愛着が出てきました。小物らしい小狡さも愛嬌と、、、いかなさそうなラストですね!次話も楽しみになります。

ページTOPへ