ガラスの目玉の涙

ウミウサギ。

エピソード7 夢(脚本)

ガラスの目玉の涙

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〇街中の道路
仙道 圭太「綾、お前また電源切ってたろ」
尾道 綾「だって、読書中はスマホの電源入れてたら・・・・・・」
仙道 圭太「『集中できないから嫌』、だろ」
仙道 圭太「次からは俺の方から図書館に来て探すようにするからさ」
尾道 綾「う・・・・・・ごめん・・・・・・」
仙道 圭太「いいって 別に気にしてないし」
仙道 圭太「そんなことよりほら、手繋がないとどんどん置いてくぞ」
尾道 綾「け、け、けいくん!?」
仙道 圭太「なんだよ、手繋いだくらいで」
仙道 圭太「俺達、一応・・・・・・ 恋人同士・・・・・・なんだからさ」
尾道 綾「そ、そうだけど・・・・・・」
尾道 綾「恥ずかしすぎて煙になっちゃいそうだよ・・・・・・」
仙道 圭太「ははっ、なんだよその例え」
仙道 圭太「そうだ、綾 帰りにどこか行きたいとこあるか?」
尾道 綾「そうだなぁ・・・・・・」
尾道 綾「本屋さん、行きたい」
仙道 圭太「おいおい、さっきまで図書館にいたのにまた本に触るのか?」
尾道 綾「いいでしょ、新刊が出たんだもん!!」
尾道 綾「今日一日ずっと楽しみにしてたんだから!!」
仙道 圭太「そっか、わりぃわりぃ」
仙道 圭太「んじゃ、本屋さんに寄りますか」
尾道 綾「あ、あの、けいくん・・・・・・」
仙道 圭太「んー?」
尾道 綾「せめて普通に手を繋ごうよ・・・・・・」
仙道 圭太「いいじゃねぇかよ、恋人が恋人繋ぎして」
尾道 綾「恥ずかしいよぉ・・・・・・」
尾道 綾「あれ、けいくん、どうしたの・・・・・・?」
仙道 圭太「何が?」
尾道 綾「けいくん、泣いてる・・・・・・」
仙道 圭太「・・・・・・え?」
仙道 圭太「あ・・・・・・」
仙道 圭太「ははっ、どうしちまったんだろうな、俺」
仙道 圭太「涙が、止まらなくて、仕方ねぇ・・・・・・」
尾道 綾「・・・・・・けいくん」
尾道 綾「・・・・・・ん」
  綾はハンカチを取り出し、圭太の頬にぴとっと当てた。
仙道 圭太「あ、綾・・・・・・?」
尾道 綾「ふふ、いつかのけいくんの真似!」
仙道 圭太「はぁ!?俺、そんなことした!?」
尾道 綾「しましたー」
尾道 綾(やっぱり、覚えてなかったか)
仙道 圭太「まぁでも、おかげで涙は引っ込んだ」
仙道 圭太「ありがとな、綾」
尾道 綾「・・・・・・どういたしまして」
  二人は指を絡ませて手をぎゅっと繋ぎ、街中を歩いた。
  もう完全に、二人だけの世界だ。
  これは、誰かの夢。
  こうすればよかった、
  こうなればよかった、
  そんな願いをかきあつめた、
  ────────夢。

コメント

  • キャラクターに人間らしい弱さがあり、非常にリアリティがあって、それがまた魅力でもありました。ヒロインが亡くなってしまって、そこで話が終わりでなく、その後のエピソードを描かれていましたのも面白いと思いました。作品全体に情緒があって、どのセリフも味わい深く、非常に心動かされるところがありました。とても素敵な作品を届けてくださり、ありがとうございました。

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