異界帝の悪の組織再編計画

ゴルゴンゾーラ西山

異界帝の悪の組織再編計画(脚本)

異界帝の悪の組織再編計画

ゴルゴンゾーラ西山

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異界帝の悪の組織再編計画
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〇時計台の中
  地球征服を目論む
  悪の組織「デスマス」!
  今!
  彼らの悪の会議が行われようとしていた!
異界帝「・・・・・・」
  ・・・・・・
異界帝「リストラです!」
  えええええ!?
黒鬼姫「なんで!? なんでなのじゃ異界帝(いかいてい)!」
異界帝「なんでと聞くか!? この有様で!」
異界帝「胸に手を当てて考えててみろ! まず剛腕王(ごうわんおう)! オマエから!」
剛腕王「私は心当たりはないです!」
剛腕王「金品の過剰供給での世界経済崩壊を狙った「バブル再臨幻想バブル計画」も順調ですし!」
異界帝「その予算はどこから調達した!?」
剛腕王「え? 異界帝様の預金(個人年金)からですが」
剛腕王「・・・・・・マズかったですか?」
異界帝「良いワケねぇだろ!」
異界帝「次! 邪蠍王(じゃかつおう)!」
異界帝「お前は世界征服の予算、何に使った?」
邪蠍王「酒!」
異界帝「悪びれろ!」
邪蠍王「あと医療費!」
異界帝「控えろ!酒!」
異界帝「最後! 黒鬼姫(こっきひめ)! お前!」
黒鬼姫「え!? わらわも!?」
黒鬼姫「わらわは先の二人のバカモノと違って ちゃんとした理由でお金を使っておるぞ!?」
異界帝「お前が一番重症なんだよ 言ってくれ、まず予算の使い方を」
黒鬼姫「ふっふっふ! 聞いて驚け!」
黒鬼姫「わらわは事故をおこした わらわの孫の慰謝料を肩代わりしたのじゃ!」
異界帝「・・・・・・一応聞くがな黒鬼姫。 君は孫はいたっけ?」
黒鬼姫「おるわけないじゃろ 頭おかしいのか」
異界帝「・・・・・・じゃあ事故を起こしたのは?」
黒鬼姫「わらわの孫じゃ!」
異界帝「良く聞くんだ」
異界帝「それは詐欺だ 世の中には悪い奴らがいるんだ」
異界帝「お前に孫はいない 騙されたんだ わかるか?」
黒鬼姫「?」
黒鬼姫「???」
異界帝「と、とりあえず」
異界帝「君たちみたいなパッパラプーを 組織の幹部にし続けるわけにはいきません!」
異界帝「全員リストラです!」
  えええ!?
剛腕王「待ってくださいよ! もう一回チャンスをください!」
剛腕王「魔神帝様の個人年金! 倍にして!」
剛腕王「さらに倍にし続けますから!」
異界帝「そういうところだからな お前!」
邪蠍王「お酒ください!」
異界帝「専門治療を受けろ!」
黒鬼姫「かーっかっかっか!」
異界帝「え!?何 急に!? 怖っ!」
異界帝(怖っ)
黒鬼姫「事故を起こしたわらわの孫は居なかった つまり────」
黒鬼姫「悲しい思いをしているものはおらんということじゃ!」
黒鬼姫「かーっかっかっか!」
異界帝「・・・・・・」
異界帝「うっ 持病の胃潰瘍が!」
剛腕王「異界帝!?」
剛腕王「異界帝の・・・・・・」
剛腕王「胃が痛てえ!」
  あはははは!
異界帝「貴様たちいい加減にしろ!」
異界帝「最後のチャンスをやる! お前たちが我が組織の幹部に相応しいか」
異界帝「確かめてくれるわ!」

〇荒地
宇宙龍「我は宇宙龍」
宇宙龍「全ての生命の怨敵 終焉の鍵」
宇宙龍「この宇宙を破滅にもたらす永遠の嘆き!」
宇宙龍「我が全ての力を用いてすべての────」
宇宙龍「ぎゃああああ!」
戦闘員A「イーッ!」
異界帝「うむ!ご苦労! この場所が良いだろう!」
戦闘員A「イーッ!」
異界帝「と、いうわけで!」
異界帝「一週間後にここで」
異界帝「我が悪の組織の序列を決める 闘いをしてもらいます!」
  ええええ!?
異界帝「全員参加して! トーナメントで上から好きな地位に着けます! 力こそが正義!」
異界帝「これぞ「デスマス」名物!」
異界帝「『暗黒闘奈男達斗』 (あんこくとうなめんと) じゃぁ!」

〇新橋駅前
  一週間後────
  ────新橋
チンピラ「へぇい! おねえさん! 俺とお茶しない!?」
おねえさん「・・・・・・」
おねえさん「ねぇアナタ」
おねえさん「私キレイ?」
チンピラ「オウ!ゲロマブだぜ!」
おねえさん「これでもキレ────」
チンピラ「まった! 今日はもしかして────」
チンピラ「悪の組織「デスマス」名物 「暗黒闘奈男達斗」 (あんこくとうなめんと) じゃねぇのかい!?」
おねえさん「え!?」
おねえさん「悪の組織「デスマス」名物 「暗黒闘奈男達斗」 (あんこくとうなめんと) が、今日だというの!?」
チンピラ「こうしちゃいられねぇ! アバよゲロマブお姉さん!」
チンピラ「あと」
チンピラ「おねえさんは 笑ったほうが可愛いぜ?」
おねえさん「あ・・・・・・」
  この二人は
  後に数奇な運命のなかで再会し
  結ばれることになるが、
  それはまた別の物語である
雑踏「ねぇ聞いた?」
雑踏「悪の組織「デスマス」名物 「暗黒闘奈男達斗」 (あんこくとうなめんと)が 開催されるんだって!?」
雑踏「今夜だよね! うっわー楽しみぃ!」

〇荒地
  悪の組織「デスマス」名物
  「暗黒闘奈男達斗」
  (あんこくとうなめんと)会場!
雑踏「ここが会場だね!」
雑踏「そろそろ始まるかな!?」
雑踏「ビールくださーい!」
戦闘員C「はーい! 1200円ねー」
戦闘員B「悪の組織「デスマス」名物 「暗黒闘奈男達斗」 (あんこくとうなめんと) これより始まります!」
  わー!わー!
異界帝「始まったか 「暗黒闘奈男達斗」 (あんこくとうなめんと)!」
異界帝「私に対して舐めた態度をとる三幹部!」
異界帝「思い出すだけで胃が!」
異界帝「あのパッパラプーどもに私の力を分からせるべく!」
異界帝「「闘奈男達斗」(とうなめんと)表に細工をしてくれたわ!」
異界帝「黒鬼姫には!」
異界帝「新進気鋭のイケメン怪人をぶつけ!」
異界帝「剛腕王には!」
異界帝「そこら辺にいた サバの怪人(?)を!」
異界帝「邪蠍王には!」
異界帝「なんかさっき結婚したとかで浮かれて参加した謎のチンピラをぶつける!」
異界帝「一方私の相手は!」
異界帝「無理に参加させた一般の戦闘員Aよ!」
異界帝「勝てる!」
異界帝「消耗しきったパッパラプーどもを 我が力で(労災にならない程度に)砕いてくれるわ!」
異界帝「ハハハハハハハ!」

〇シックなカフェ
  悪の組織「デスマス」名物
  「暗黒闘奈男達斗」
  (あんこくとうなめんと)
  その翌日!
経理部長「おお! 黒鬼姫! しっかり働いてる?」
ごはん係「当然なのじゃ!」
ごはん係「みんなのご飯を作って お腹がすいたらわらわもご飯を食べる!」
ごはん係「とっても楽しい! 準優勝した甲斐があったのじゃ!」
ごはん係「剛腕王はどうじゃ? お金の計算ちゃんとやってるか?」
経理部長「部長職になると、今までとお金の見え方が随分変わってきたよ」
経理部長「材料原価に製造原価 原資とボーナス! 損益対照表に財務諸表! 俺もベスト4に残れてよかったよ!」
戦闘隊長(通院のため休職)「お水! お水くださーい!」
ごはん係「邪蠍王は戦闘隊長になったんじゃよな!」
戦闘隊長(通院のため休職)「うふふ!」
戦闘隊長(通院のため休職)「とはいっても僕は アルコール依存と肝臓の治療のために 休職中だけどね!」
ごはん係「それがいいのじゃ!」
経理部長「それにしても」
経理部長「強かったよねぇ。 あの人」
ごはん係「うむ。 わらわもあそこまで強いとは思わなかったのじゃ」
戦闘隊長(通院のため休職)「まあまあ! お水ください!」
ごはん係「はーいなのじゃ!」

〇時計台の中
  悪の組織「デスマス」!
  その会議室!
  そこで今!
  地球征服のための暗黒会議が執り行われていた!
戦闘員B「イーッ!」
戦闘員C「イーッ!」
戦闘員D「イー」
戦闘員B「(戦闘員D!  不慣れなの分かるけど   もう少し声出そ?)」
戦闘隊長代行「大総統様がお見えだ!」
戦闘員D「イーッ!」
大総統「ハッハッハァ!」
戦闘員D「・・・・・・まさか一回戦で 戦闘員Aに負けるとはなぁ」
  こうして悪の組織「デスマス」の
  リストラは行われ!
  より精強な組織に生まれ変わったのだ!
  (元)異界帝がもう一度組織のトップに登り詰めるのに十五年かかるのだがそれはまた別のお話。
戦闘員D「イーッ!」
  おわり

コメント

  • 異界王様(元)、オツカレ!
    地球は、今日も平和だ!

  • キャラクターがみんな可愛らしくて好きです。異界帝のその後の15年の話がとても気になります。

  • 悪の幹部3人のなんとも腑抜けた性格であったことか。これではボスの胃潰瘍は悪化する一方でしょう。幹部をリストラするつもりが改善して良かったね!

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