9裏切り(脚本)
〇研究所の中枢
真紀「本当なの?・・・本当に恭介を・・・」
ジャン「あぁ、映像を見てくれれば一目瞭然だよ」
ゴブリンX「これでダーリンと私のコンビがいかに優秀かお分かりいただけたと思いますわ」
恭介が滝壺に落ちて行く映像を食い入りように見つめる真紀
ジャン「さぁ約束通り彩香奥様を開放してもらおうか」
真紀(本当かしら?・・・嘘だとしてもこれで恭介が死んだことに出来るわね・・・後はジャンを始末すれば恭介は死んだことになるわ)
真紀はおもむろに引き出しから拳銃を取り出して銃口をジャンに向けるた
ジャン「き、汚ねぇぞ約束を反故にするつもりかよ」
ゴブリンX「な、何を血迷ってらっしゃるの真紀様」
真紀「元々大事な実験動物を返すつもりはないわ・・・ジャンは恭介が死んだから用済みなのよ」
ジャン「そう来ると思ってたよ・・・逃げるぜハニー」
ゴブリンX「了解ですわ貴方」
俺とゴブリンXは手を携えて消えていった
ゴブリンC「またしても失敗かな・・・ざまぁないね最初から指示通り殺しておけばよかったのさ」
真紀「いちいちうるさいわね」
博士2「や、止めなさい二人とも」
博士2「後はジャンを始末すれば終わりじゃ・・・ゴブリンC・・・始末を頼んだぞ」
〇滝つぼ
俺とBは滝の裏側にあった岩のせり出しに気を失って倒れていた
児島恭介(ウーン、あれ、ここはどこだ?・・・そうか滝の裏の岩乗せちだしに運よく落ちたんだ・・・Bはどこだ)
おいB・・・大丈夫か?しっかりしろ
B「ウーンここは?」
児島恭介「俺達助かったみたい」
B「有難う・・・私を助けに飛び込んでくれたんだね恭介」
児島恭介「ウウン・・・大した怪我もなく良かったな」
B「そうね・・・でもここからどうやって降りるの?」
児島恭介「そうだね」
俺は辺りを見回すと洞窟らしき穴が見えた
児島恭介「あの洞窟に行ってみようぜ・・・ひょっとして地上に出られるかもしれない」
俺はBの手を取り洞窟の中へと進んだ
〇洞窟の深部
B「大丈夫?恭介」
児島恭介「な、なぁに怖がることはないよ」
ジャン「よっ、お二人さん」
児島恭介「何がお二人さんだ・・・裏切りものめ」
ジャン「何するんだ、この野郎」
B「お願い二人とも止めて」
児島恭介「魔法を使う女の手下になりやがって・・・この裏切り者」
ジャン「冗談じゃねぇ・・・監禁場所の扉は魔法でも入れねぇんだ・・・ここだけなんだよ入り口は」
児島恭介「うるせい!!」
ジャン「ここが独房への抜け道でお前が死んだことにしとけば真紀は油断するだろうが」
B「いい加減にしてよ二人とも・・・喧嘩してる暇があるなら進みましょ」
ジャン「お前だってレプリカとよろしくなってるじゃねぇか」
児島恭介「なんだと!!」
ジャン「まぁ、レプリカ同士・・・」
児島恭介「何だよ・・・俺は人間だぜ」
ジャン「ハハハ、人間はドラキュラの食料用レプリカなんだぜ」
児島恭介「どういう事なんだ?」
ジャン「古代、神に血や人間を儀式で捧げてたろう?・・・それが証拠さ」
児島恭介「じゃぁ・・・」
ジャン「人は神に似せて作られた・・・同じ人型であれば労働力としても食料としても役立てるからね」
児島恭介「それは、宗教書の話だろう?」
ジャン「ドラキュラの言い伝えがあるんだ」
児島恭介「どんな?」
ジャン「地球の大陸が一つだったころ我々の移民用宇宙船が不時着してアトランティス文明を作った」
B「もういい加減にしてよ・・・要は奥さんとやらを救出するんでしょジャン」
ジャン「ああそうだよ」
B「だったらさっさと救出して帰りましょ」
ジャンは図面と辺りを見比べている
ジャン「この辺に非常用扉があるはずなんだが・・・その扉の向こうの部屋に奥様が監禁されている独房室があるんだ」
B「これじゃぁないかしら?」
Bの前に錆びついた扉が見える
ジャン「試してみようぜ」
B「私は真紀よ・・・扉を開けなさい」
扉は錆びついた音を響かせながらスライドしていった
児島恭介「入ろうぜ」
〇研究所の中枢
真紀「マズイ・・・独房室に入ってきたわ」
〇留置所
児島恭介「チョット道具を探してくる」
B「私は真紀、扉を開けなさい」
扉が開き独房室の中から彩香が出てきた
白鳥彩香「遅かったわねジャン」
白鳥彩香「裏切ったの?」
ジャン「イヤイヤこれには訳が・・・」
白鳥彩香「話はこの女を切り刻んでからよ」
B「こ、怖い・・・誰?この人」
ジャン「真紀のレプリカなんです・・・恭介が偶然目覚めさせてしまって」
白鳥彩香「あの筒を開けたと言うわけね」
ジャン「兎に角敵が来ない内に脱出しましょう」
白鳥彩香「残念だけど・・・まだよここを破壊してからよ」
B「私・・・恭介を探してきます」
ジャン「ダメだ・・・護衛官として奥様の安全が第一なんでね」
白鳥彩香「敵の本拠地なのよここが」
児島恭介「敵?・・・どういうことなんだジャン移民船だったんだろ」
白鳥彩香「児島君にどこまで話したのよ」
ジャン「言い伝えを少し・・・」
白鳥彩香「いいわ、かいつまんで話してあげる」
彩香はドラキュラの歴史を話し始めた
〇宇宙ステーション
白鳥彩香「私は戦闘艦「ミカエル」の二代目艦長なの今から10億年前敵艦の「カルマ」により撃墜されてここ地球に不時着したけど・・・」
白鳥彩香「敵艦「カルマ」も地球に不時着し、救援を呼ぶ為の通信施設「バベル」を敵に破壊されて・・・以来この星で敵と戦い続けてるわ」
児島恭介「そんあ夢物語を信じろと!!」
白鳥彩香「でもこれが現実なの・・・現にこの研究所は敵の本拠地で本当の指揮官は博士と呼ばれているわ」
児島恭介「だけど破壊するって言っても道具がないけど・・・」
ジャン「艦長・・・一旦引き揚げてから仲間と攻撃しましょう」
児島恭介「ところでBは・・・どこ?」
ジャン「恭介を探すって出ていったぜ」
児島恭介「全く独り歩きするなって言っておいたのに・・・しょうがない探してくる」
〇暗いトンネル
児島恭介「オーイBどこだ」
ゴブリンC「ようやく見つけたぞ恭介」
児島恭介「ま、マズイ」
真紀「恭介!?」
児島恭介「真紀・・・」
真紀「生きていたのね・・・良かった・・・死んじゃったかと」
ゴブリンC「始末せよとの指示が出てますが」
真紀「お前は下がってなさい」
児島恭介「も、もう一度初めからやり直さないか?」
ゴブリンC「覚悟をし」
ゴブリンC「しまった」
児島恭介「真紀・・・しっかりしろ」
俺は真紀を抱き起した
真紀「ゴメン・・・美穂との仲壊しちゃって・・・でもやはり恭介の事好きだったから」
児島恭介「分かった・・・何も言わなくていい・・・俺こそ赦してくれるかい・・・真紀の気持ちを分かってやれなくて」
真紀「これでお別れね・・・有難う恭介」
児島恭介「そうだいいことがある」
俺はそう言うとポケットから宿木の杭を取り出した
児島恭介「宿木の下でキスをすると永遠の愛をえられるそうだ」
俺はそう言うと静かに真紀と口づけを交わした
博士2「しまった・・・自爆装置が起動しちまった」
児島恭介「何だって!!」
博士2「この基地の自爆の為の起爆装置は真紀だったのさ」
児島恭介「この野郎・・・人の命を」
博士2「フン真紀が人間だって!!・・・まぁいい・・・今となっては」
児島恭介「まさか二人ともレプリカだったのか」
博士2「さらばじゃ・・・またな恭介とやら」
児島恭介「美穂でも真紀でも同じだったわけか・・・そうだジャンに逃げるよう言わなきゃ」
俺は奥さんとジャンがいる独房室へと急いだ