殺し屋、出勤中。

吹宮良治

エピソード9(脚本)

殺し屋、出勤中。

吹宮良治

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〇組織のアジト
不破誠「結城あかりを捕獲しました」
新堂信明「どういうことだ?」
不破誠「私の正体に気づいた結城あかりは、毒を盛って私を殺そうとした」
岩重君子「・・・そんなことが」
新堂信明「なぜバレたんだ?」
不破誠「細心の注意を払っていたつもりなので、それは分かりません」
岩重君子「あなたのお身体は無事だったのですか?」
不破誠「ええ。まぁ」
岩重君子「良かった。 危ない思いをさせてしまい申し訳ありません」
新堂信明「任務は上手くいくんだろうな?」
不破誠「今夜中に、金庫と暗証番号を聞き出し、全て片付けるつもりです」
岩重君子「ついに、ついにあの悪魔を・・・」
東条昌弘「奥様、大丈夫ですか?」
岩重君子「息子の無念を晴らせると思ったら、胸が苦しくなってしまいました」
新堂信明「少し、奥で休まれますか?」
岩重君子「すいません。 私は何もできませんが、よろしくお願い致します」
  新堂に付き添われて、奥へと行く君子。
不破誠「・・・・・・」
東条昌弘「こんなに早く吉報を聞ける日が来るとは」
東条昌弘「奥様も大変喜んでおられます」
不破誠「まだ、これからですので」
東条昌弘「これは、私どもからの気持ちです」
東条昌弘「チップだと思ってください」
東条昌弘「新堂様にはご内密に。 どうぞ、お納めください」
不破誠「・・・・・・」

〇中規模マンション

〇綺麗な一人部屋
不破誠「大人しくしていたか」
  あかりの口をほどく不破。
結城あかり「早く、ほどいて」
不破誠「手首が赤くなっているな。 無理やりほどこうとしたのか」
不破誠「その紐は特殊な素材でできている。 切っても焼いても無駄だ」
結城あかり「ふざけないで」
不破誠「立場をわきまえろ」
  小包をテーブルに置く不破。
結城あかり「・・・その小包」
不破誠「これか? チップだ」
結城あかり「あいつらからもらったの?」
不破誠「仕事に身が入るというものだ」
不破誠「もうお前に未来はない。死んでもらう」
結城あかり「ちょっと待って!」
不破誠「ここで騒がれたら面倒だ。屋上に来てもらう」
  あかりを軽く持ち上げる不破。

〇低層ビルの屋上
結城あかり「私の話したことは、信じてくれなかったみたいね」
結城あかり「もういいわ、殺したければ早く殺しなさい」
不破誠「ここなら、聞かれる心配はない」
結城あかり「聞かれるって、誰に・・・」
不破誠「あの小包には盗聴器が仕掛けられている」
結城あかり「盗聴器?」
不破誠「任務が遂行されるのを監視するためだろう」
結城あかり「・・・・・・」
不破誠「勘違いするな。お前を信じたわけじゃない」
不破誠「婚約者を殺してないというのは作り話だろう?」
結城あかり「・・・あいつらが」
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「・・・あいつらが、彼を殺した」
不破誠「岩重君子と、運転手の男か」
結城あかり「・・・・・・」
不破誠「自分の息子に手をかけたというのか」
結城あかり「全ては保険金のため」
結城あかり「それに気づいた彼は、受取人を母親から私に変更した・・・」
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「あいつらは、そのお金を奪おうとして私を・・・」
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「・・・あいつらは、悪魔なの」
不破誠「向こうも同じことを言っていたな」

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コメント

  • 面白いです。
    すれ違いが特に。

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