愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第18話 バンドマンにご注意!③(脚本)

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〇結婚式場のテラス
エビーダ「愛は醜い。消えるべきものだ」
雪代椿「カイ、あなたも悪霊に憑りつかれて・・・!?」
エビーダ「さあ、フィニッシュの時だ!」
  エビーダが手を掲げると、無数の魔霊が雄たけびを上げて椿を取り囲んだ。
「ウオォォォォォ!!」
雪代椿「そんな・・・! カイ、目を覚ましてください!」
エビーダ「君は君の愛を、君の世界のすべてを僕にくれるって言ったじゃないか」
雪代椿「ええ、言いました・・・すべてあげます!」
エビーダ「ならば、僕がもらったものを、どう扱っても文句はないはずだ!」
エビーダ「クク・・・君は人間の中でも、特別愚からしい」
雪代椿「お、おろか・・・?」
エビーダ「僕の言葉を本気で信じていたんだよね? 出会っていくらも経たない僕の言葉を」
エビーダ「『愛してる』なんて言葉、誰にでも言えるじゃないか」
雪代椿「そんな・・・カイは、本当にわたくしを愛してくれて・・・!」
雪代椿「お願い、正気に戻って!」
エビーダ「ハッ、愛してくれてた? 作戦通りだけど、汚らわしいな」
雪代椿「!?」
エビーダ「愛は醜きもの・・・」
雪代椿「醜いなんて・・・!」
エビーダ「しかし・・・君の涙はこの世で一番美しい」
エビーダ「涙はこの世で最も美しい。 だが、醜い愛が壊れた時にも流す。 皮肉だよね」
エビーダ「人間が傷ついて流す涙は美しい・・・僕が傷つけて流す涙なら至高だ!」
朝陽林檎(椿さん!?)
  戻ってきた林檎が目にしたのは、エビーダに抱きしめられ、涙を浮かべる椿の姿だった。
朝陽林檎(大変・・・!)

〇水玉2
朝陽林檎「マニフェステイション・オブ・ラブリィ・エンジェル・アップル!」

〇結婚式場のテラス
エビーダ「そろそろ僕の役に立ってもらおうかな。 上手に愛天使を呼んでくれよ?」
雪代椿「愛、天使・・・?」
エビーダ「君の絶望が、君をもっと美しくする・・・」
  エビーダが椿にそっとキスをすると、邪悪なオーラが椿の体内に流れ込んだ。
雪代椿「カイ・・・」
エビーダ「魔霊にならない? どういうことだ・・・?」
???「彼女から離れなさい!」
アップル「こんなふうにプロポーズをめちゃめちゃにするなんて・・・その罪は重いわよ!」
エビーダ「貴様、アップル・・・!」
エビーダ「計画とは違うけど、まあ、結果オーライか」
アップル「計画・・・?」
  エビーダが椿を放すと、椿は膝からその場に崩れ落ちた。
アップル「椿さん!」
エビーダ「愛天使は二人いるんだろう? 今日は一人かい?」
エビーダ「どうせなら、二人いっぺんに倒してしまいたかったな」
アップル「許せない・・・!」
  アップルは椿を安全な場所へと移動させると、エビーダに向かって走り出した。
雪代椿「待って・・・あれはカイ・・・私の恋人なんです! 倒してはだめ・・・!」
アップル「カイさんが!?」
アップル「カイさん、魔霊に操られて・・・わかりました、椿さん。私に任せて!」
アップル「響け、ウェディング・ベル!」
  リン、リン、リン
アップル「魔霊! カイさんから出て行って!」
魔霊たち「グ・・・グワァア・・・!」
  アップルを取り囲んでいた魔霊たちが、苦しそうに次々と消滅していく。
  リン、リン、リン
アップル「出て行け魔霊!」
  必死にベルを鳴らし続けるアップル。
  魔霊たちが次々と苦しみ消滅していくが、エビーダは平然としたまま立っている。
エビーダ「あは。 それっぽく、苦しんでみせた方がいい?」
エビーダ「・・・なんてね。 あんまり僕を舐めるなよ!」
  エビーダが武器の釣竿を取り出して、アップルに攻撃を繰り出す。
アップル「え!?」
  エビーダは釣竿を鞭のようにしならせると、アップルの持つベルに針をひっかけて叩き落とした。
エビーダ「耳障りなんだよ!」
アップル「どうして? ベルが効かないなんて・・・!」
アップル「お願い! カイさん、正気に戻って!」
  アップルが叫んだその時、エビーダの攻撃がアップルに直撃した。
アップル「きゃあ!」
エビーダ「ふふふっ・・・ハッハハハ!」
アップル「こうなったら・・・!」

〇水玉2
アップル「お色直し! ア・ブライズ・チェンジ・オブ・コスチューム!」

〇結婚式場のテラス
アップル「結納返し! エンゲージメントギフト・リターン!」
  猛スピードでアップルに迫る、鞭のようなエビーダの釣竿。
  アップルはそれを手刀で払うと、鞭は向きを変えてエビーダに跳ね返った。

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