伝説の怪人スズキ

ゆきんこ

記憶に残る男(脚本)

伝説の怪人スズキ

ゆきんこ

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〇コンテナヤード
ドン・ホーキンス「この由緒正しき空船海賊団ヴァイタリエンに、入団希望者が来ることになった」
ドン・ホーキンス「それがあの・・・伝説の怪人スズキだと名乗っているのだ・・・」
ション・ラカム「10年前、名を呼んだだけで全世界が震えあがった伝説の怪人ですか!?」
ション・ラカム「空と海では無敵の海賊、陸に上がれば各国の戦争請負人。 歩いた後には屍も残らないという噂・・」
エドワード・ロイ「仮に本人だとしても、オッサンだろ? 恐るるに足らんな」
アロヴィルダ「このヴァイタリエンの入団テストは私たち3大船長を倒すこと。 果たしてそれが出来るのかしら?」
ション・ラカム「で、彼はいつ来るんですか? もう私たち、1時間は待っていますが・・・」
スー・ズキ「遅刻遅刻〜!!」
スー・ズキ「ヴァイタリエン団の面接会場はココかあッ!?」
アロヴィルダ「アンパンくわえた男にジョンが踏み潰されたーッ!!」
エドワード・ロイ「おのれ〜! キサマ何者だ!?」
スー・ズキ「アッ、今日1時間前に面接のお約束していましたスー・ズキです!」
「アンタが〜!?」
ドン・ホーキンス「フッ、1時間も遅刻した上、3大船長の1人を踏み潰して登場するなんて・・・」
ドン・ホーキンス(驚いて少しチビッたことは墓場まで持って行くぜ・・・)
ドン・ホーキンス「スズキよ。 先ずは挨拶代わりにウチの船長を倒したようだな!」
ドン・ホーキンス「だが、あとの2人はそう簡単には・・・」
ドン・ホーキンス「誰?」
エドワード・ロイ「グボべボボ・・・!」
スー・ズキ「危ねー!! 盾になってくれてサンキューな!」
ミレイ「卑怯者! 人の陰に隠れやがってえ〜!!」
ミレイ「無職で甲斐性無いくせに 遊んでばかり!いい加減にせんかい!!」
スー・ズキ「ママ! 今日は新しい仕事の面接だって 昨日言ったでしょ?」
ミレイ「はずゅ・・・ もしかしてぇ、この人たちはぁ、パパの会社の偉い人達なんですかぁ?」
ドン・ホーキンス「これから面接ですが・・・」
ミレイ「が、頑張ってねパパ! ミライとお家で待ってまちゅからね〜♥」
ドン・ホーキンス「さすが、伝説の怪人スズキ! 妻は鬼嫁だったか!!」
アロヴィルダ「ぐ、偶然が重なっただけで、実力は分からないわ! 今度は私が相手よっ!!」
スー・ズキ「俺の相手になるだと?」
スー・ズキ「その前にお姉ちゃん、L●NEのアカウント持っているのかよ?」
アロヴィルダ「もっ、もちろんあるわよ?」
スー・ズキ「じゃあよ、L●NEのブルブルして、連絡先交換しようぜ!」
スー・ズキ「アロちゃんて、『アロぴ』がアカウント?アイコンも乙女で可っ愛い〜♪ ツンデレキャラ、俺好きだわ〜」
アロヴィルダ「褒めてくれたって、何も出ないんだからねッ・・・」
スー・ズキ「今度マジで『ジェジェ苑』の焼肉誘うわ〜。 ママ嫉妬深いから、ランチタイムね!」
アロヴィルダ「もう・・・!焼肉店で、ヤキモチ焼いちゃうぞ♥」
ドン・ホーキンス「相手になるって、そういう意味!?」
ドン・ホーキンス「一瞬で怪人最強女子、アロヴィルダを落とすとは・・・ ヤツは下半身までも最強なのかッ!?」
ドン・ホーキンス「欲しい!欲しいぞスズキ!! 今すぐにでもお前が!」
スー・ズキ「にーちゃんさあ、今金持ってる?」
ドン・ホーキンス「金・・・!?」
ドン・ホーキンス「キャッシュでリアルに10万は常に持ち歩いていますけど?」
スー・ズキ「悪いけど¥3000貸して?」
スー・ズキ「来る前にリサイクルショップでルームランナー見つけたんだけど、財布忘れてたんだよね」
スー・ズキ「最近、走ったら息切れしちゃってさ〜。 体力つけたいんだよね!」
スー・ズキ「子供が小さいから、まだカッコつけたいじゃん?」
ドン・ホーキンス「フッ、そんな理由か」
ドン・ホーキンス「ペイン帝国を知っているか? 宙船での戦争では負け知らずの無敵艦隊を持つ、軍事先進国だ」
ドン・ホーキンス「奴らは最近、自衛の宙船軍を私掠船にして、国が賊行為を容認している」
ドン・ホーキンス「我等のシマも荒らされ、我慢の限界だ。 そこで君には、ペイン帝の機密情報を盗んできてほしい」
ドン・ホーキンス「どうだね? その情報次第では、この100倍の報酬を約束しようじゃないか!」
ドン・ホーキンス「って、もう金もヤツも居ないんかい!」
アロヴィルダ「スー・ズキ・・・面白い男ね。 あの人なら正義ヅラした悪魔、ペイン帝国の無敵艦隊を、打ち破れるかもしれない!」

〇飛空戦艦

〇謁見の間
ペイン帝「もう1週間も便秘で腹が痛い」
ペイン帝「しかし、トイレに籠もっていては政治は出来ん!」
ペイン帝「そこで朕は解決方法を、編み出した!」
ペイン帝「玉座を、おまるにすることを!」
ペイン帝「あっ、イタタタ! 今日は出そう!! うぅ〜ん」
智将(これがペイン帝国のトップオブトップとは・・・情けない)
武将(毎日、我らは何を見せられているんだ・・・ もうこの仕事辞めたい)
ペイン帝「も、もうちょっとだけこれが続くんじゃ〜」
ペイン帝「何奴!?」
スー・ズキ「いきなりクライマックス!! こっそり忍び込んで機密情報を調べるつもりだったのに!」
ドン・ホーキンス「心配で後を追ってみたが、この男、破天荒すぎだろ!」
ペイン帝「朕のチンを見よったな! あのモノたちを捕らえ、処刑せよォ!」
武将「ハハアッ!!!!」
スー・ズキ「刀を抜くのは久しぶりだぜ・・・ 唸れ、愛刀・村雨よ!!」
スー・ズキ「アレッ!? やけに軽いと思ったら、鞘の中身がボールペンだったの!?」
スー・ズキ「ちょっ、タイムタイム。 ママに電話させて」
スー・ズキ「ママ?もー、困るよ〜。 鞘の中身がボールペンだったわ。 これじゃ戦えないでしょ」
スー・ズキ「ミライが遊びで入れ替えちゃったかも?  剣は家のおもちゃ箱にあるのね!」
スー・ズキ「あー了解」
スー・ズキ「コンチキショー! こんなボールペンなんかッ!!」
武将「ぐはぁ! ボールペンの爆発でインクが目に入って、何も見えん!!」
智将「アアッ!」
ペイン帝「ギャンッ!!」
智将「爆風で飛んだボールペンがペイン帝の尻に刺さった!!」
智将「ザマミロ・・・じゃなくて だから丸出しは危険だと、日頃から言っていたでしょう!?」
スー・ズキ「あのおまるジジイがペイン帝?」
スー・ズキ「この動画撮って拡散したほうが、ペイン帝国を早く潰せるんじゃね?」
ペイン帝「ショックで1週間ぶりにモリモリ出たわ──!!」
ペイン帝「エエイ! こんなこともあろうかと、伝説の怪人を1ヶ月前に雇っておる!」
ペイン帝「カモン!スズキ!!」
智将「恐れながらペイン帝、怪人スズキは1ヶ月遅刻しておりまして・・・」
ペイン帝「何だと〜!?」

〇謁見の間
スズキ「遅刻してスミマセ〜ン! 一ヶ月前に面接予定だった、伝説の最強怪人スズキです!」
スズキ「ここと掛け持ちで、ヴァイタリエン宙船団の面接を受けようとしたら」
スズキ「アンパン食いながら走ってきた怪人とぶつかって、鎖骨骨折しちゃて〜」
スズキ「アッ! オマエは、あの時の!アンパン怪人!」
ドン・ホーキンス「スズキとスー・ズキ!? 作者が最初から書き間違えたと思っていたが、面接希望者が2人居たのか!!」
ドン・ホーキンス「じ、じゃあ今までのスー・ズキのしてきた事は、実力ではなくただのラッキー!?」
ドン・ホーキンス「クッソ、ボールペンのインクが目に入ってよく見えないが、俺の一万円札返せ!」
スー・ズキ「勝手に勘違いしたくせに、因縁までつけるなよ〜」
スー・ズキ「──でも、売られた喧嘩は買うよ」
スー・ズキ「こんな事もあろうかと、もう一本刀を用意してあるッ!」
スー・ズキ「唸れ愛刀・流鏑馬!俺のチカラを見せつけてやるぜ!!」
スー・ズキ「アアッ、またあッ!? ミライ、 ボールペン入れすぎィィッ!!」
スズキ「もはや、これまでのようだな」
スズキ「最強の怪人は、俺1人で十分なんだよ!!」
スズキ「喰らえ!ウルティメイトフォース!!」
スズキ「馬鹿な! 俺の必殺技を容易く封じるとは・・・!!」
スー・ズキ「こんなエネルギー波使ったら、この宙船もろとも、みんな吹っ飛んじゃうでしょ?」
スー・ズキ「俺の番だな。 武器がないから、とりあえずグーパンにしとくかッ!」
スズキ「エエエエ!!」

〇宇宙空間
スズキ「ワンパンで宇宙まで飛ばされた〜!?」
スズキ「刀にこだわってたの、何だったの!?」

〇謁見の間
ペイン帝「驚きすぎて、普通にチビった・・・!!」
智将「ペイン帝! 村雨に流鏑馬を持つ怪人と言えば、その身1つで国を滅ぼす剣聖、怪人スー・ズキでは!?」
ペイン帝「エッ、それって、伝説の最強怪人より強いの?」
智将「今の戦いを見る限り・・・」
ペイン帝「いきなり仕掛けて悪かったね〜! お互い冷静になって、 話し合いをしようじゃないか?」
スー・ズキ「まず、ケツ拭いてパンツ履いてきて」
  斯くして伝説の怪人を更新し、
  ペイン帝国とヴァイタリエン団に
  不可侵条約を調印させたスー・ズキが
  名実共に最強の怪人となった!
  のだが・・・
ドン・ホーキンス「まだ目が見えない! 一体、何が起きているんだ!?」
ドン・ホーキンス「チクショーあのペテン師、スー・ズキめ! 入団は無しにしてやるからなっ」
スー・ズキ「どーしよ。 喧嘩相手をふっ飛ばしたことがバレたら、ママに怒られる!」
スー・ズキ「水筒やペットボトルの蓋を強く閉めすぎても、開けられないとスゴク怒られるからな」
スー・ズキ「今見たこと、内緒にしてね!」
  その実力は謎に包まれたままである!
  (多分、強い)

コメント

  • とても楽しいお話でした。全員が個性的なメンバーで、お互い敵というより同じメンバーにしか見えませんでした。ボールペンのインクという細かくてしょうもない攻撃(?)も好きです(笑)

  • 脱力系怪人、ここに現る!(ママの活躍も見てみたい…)

  • 爆笑しました!
    展開が早くて驚きました。
    自分が使えていない機能もあって、すごく参考になりました。

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