愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第17話 バンドマンにご注意!②(脚本)

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〇大きな木のある校舎
  キーンコーン、カーンコーン・・・

〇教室
  休憩時間の教室。
  林檎はスマホでネット記事を見ていた。
朝陽林檎「椿さん、すごいなあ・・・」
朝陽林檎「・・・はあ」
武笠蘭「林檎、何見てんの?」
朝陽林檎「FRENZY・・・」
武笠蘭「なんだ、アイドルか。 軽薄そうな男ばっかり」
朝陽林檎「FRENZYはアイドルじゃなくて、バンドなの!」
武笠蘭「どっちでもいいけど。 ほら、こいつとか特に胡散臭い」
  記事の中でもひときわ目立っている、海老原カイの笑顔の写真を指差す。
朝陽林檎「胡散臭い? そうかなぁ・・・?」

〇森の中のオフィス
  アイリスウェディングから出て来たあやめは、林道を歩く椿と遭遇した。
霧乃あやめ「あら、椿さん」
雪代椿「あやめさん! こんにちは」
霧乃あやめ「・・・いつもと、随分雰囲気が違うのね」
雪代椿「そうなんですの。こういうお洋服は初めてで・・・どこか変でしょうか?」
霧乃あやめ「いいえ、よく似合ってるわ」
雪代椿「よかった。ふふ、これからデートですの」
霧乃あやめ「今度の彼氏は、どんな人なのかしら・・・」

〇レトロ喫茶
  カフェの客たちは、目を輝かせて椿の隣に座る男を見つめた。
女性客「カイよ」
女性客「FRENZYの海老原カイだわ」
女性客「素敵~」
雪代椿「わたくし、これが最後の恋にしようと思っていますの」
海老原カイ「へえ、最後の恋?」
雪代椿「ええ・・・カイはわたくしを、世界で一番愛してくれているでしょう?」
雪代椿「出会って数日だとしても・・・この愛は本物だってわかるんです」
海老原カイ「ああ、僕もだよ。 世界で一番、君を愛してる」

〇ライブハウスの入口

〇施設の廊下
海老原カイ「愛しい君、ちゃんと僕だけを見ていてくれた?」
雪代椿「もちろんです。 とっても素敵でしたわ、カイ」
海老原カイ「ああ、涙が。いいね、美しい・・・」
雪代椿「ねえ、カイ」
海老原カイ「ん?」
雪代椿「わたくし、あなたに大事な話がありますの」
海老原カイ「大事な話・・・?」
雪代椿「ええ。カイ、あなたにわたくしの愛を・・・すべてをあげたい」
雪代椿「こちらへ、来てほしいの」
  アリスウェディングでお待ちしていますTSUBAKI
海老原カイ「ありがとう、嬉しいよ。必ず行く」

〇ライブハウスの控室
  楽屋に集まる悪神たちの元に、カイが帰ってきた。
ジュロー「勝手にいなくなるなんて、感心しないね」
ジュロー「ミーティングの時間はとっくに過ぎているよ」
ホーディ「おえっ人間くせぇ」
  カイは無言で悪神の姿に戻る。
ジュロー「爽やかクンは、随分回りくどいことをしてるみたいじゃないか」
ジュロー「もしや、あの人間に本気で惚れているとか?」
エビーダ「それは冗談のつもり? まったく面白くないけど」
ジュロー「嫌味だからね」
エビーダ「野蛮な君たちに、理解してもらおうとは思わないけど」
ダーブラック「ボクのどこが野蛮だって?」
ビーモン「・・・・・・」
エビーダ「黙って見ててくれるかな? あと少しでフィニッシュなんだから」

〇黒
  エビーダは姿見で、うっとりと自身の姿を眺めながら呟く。
エビーダ「完璧こそ、究極の美だ」

〇ウェディングドレス撮影スタジオ
雪代椿「わたくし、ここでプロポーズをしたいんですの」
朝陽林檎「プロポーズ!? 椿さんが!?」
霧乃あやめ「そういう話は初めてね・・・」
雪代椿「テラスをお借りできませんか?」
雪代椿「お花を飾って・・・彼のためだけのピアノの演奏会を開きたくて」
朝陽林檎「その演奏会で・・・プロポーズを・・・」
雪代椿「彼は音楽が好きだから、音楽を贈ろうと思いますの」
朝陽林檎「音楽・・・ステキ!」
朝陽林檎「社長! 私、お手伝いがしたいです!」
雪代椿「林檎さん・・・」
霧乃あやめ「でもその日、他のスタッフは忙しくて──」
朝陽林檎「私一人でも、できます!」
雪代椿「あやめさん、お願いします」
霧乃あやめ「・・・はあ。わかったわ」
霧乃あやめ「でも、二人きりでなんとかすること。 いいわね?」
朝陽林檎「やった~!」
雪代椿「ありがとうございます!」

〇結婚式場のテラス

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