6誘拐(脚本)
〇洋館の玄関ホール
ジャン「早かったですね教授」
慌てて玄関扉を閉めるジャン
真紀「皆、分かってるわよね・・・ターゲットは彩香よ」
〇豪華なベッドルーム
白鳥彩香「どうしたの?ジャン」
ジャン「逃げる準備を・・・奥様」
白鳥彩香「分かったわ」
???「開けなさい私は貴方たちの味方よ・・・産婦人科に連れていってあげるわ」
ジャン「馴染みの医者がいるから結構です」
白鳥彩香「随分と礼儀知らずなのね貴方」
真紀「彩香・・・貴方を保護します」
白鳥彩香「実験動物として?・・・冗談じゃない」
真紀を背後から羽交い締めにするジャン
真紀「しまった・・・」
ジャン「久しぶりに人の生き血を吸えるぜ」
真紀はジャンのフェロモンでうっとりした表情になる
白鳥浩太郎「止めるんだジャン」
ジャンがひるんだ一瞬、真紀は白鳥の脇にきた
白鳥浩太郎「一体何があったんだ」
白鳥が真紀の方に振り向くとそこには白鳥に拳銃を向けた真紀がいた
真紀「さぁご主人がどうなってもいいのかい?」
白鳥彩香「分かったわ・・・主人には手を出さないで頂戴・・・ジャン念のため遮光用サングラスを取ってくれる?」
そう言うと彩香はサングラスをつけ、白鳥の傍に来た
白鳥彩香「貴方大丈夫?」
白鳥浩太郎「あぁ・・・君こそ・・・」
白鳥浩太郎「彩香をどうするきだ・・・妊娠してるんだぞ憲章違反だ」
真紀「ドラキュラの出産は貴重なデータを得られるし・・・ましてや人間とのハーフならなおさらだわ」
児島恭介「ドラキュラは動物ではない人類だ」
真紀「残念だけどそれはまだ承認されてない仮説に過ぎないわ」
児島恭介「生まれる子供が人間とのハーフの子供なら人間だろ・・・そんな事よすんだ真紀」
真紀「うるさい」
児島恭介「俺は美穂の血を吸った奥様を赦そうと決めたんだ、そのお腹に宿した子供の為にね・・・そして復讐を考えずに真紀と暮らすつもりだ」
真紀「もう遅いわ・・・そもそもレプリカに惚れた恭介が引き起こした事なのよ」
そして真紀達は彩香を連れて出ていった
ジャン「さ、早くこの床下へ」
俺達はジャンに促されて床下の穴に入った
〇古い洋館
床板が開き俺達は外に出た
ジャン「ゴホッ、ゴホッ」
児島恭介「ひでぇ、屋敷が破壊されてしまった・・・俺たち全員を殺すつもりだったのか?」
ジャン「宇宙船の防御装置が働いていて良かった」
児島恭介「えっ?何のこと?」
ジャンは指を鳴らした・・・その瞬間
〇研究所の中枢
ジャン「屋敷はフォノグラム・・・防御装置で襲撃者の目を欺いているんだ」
児島恭介「す、凄い」
〇古い洋館
ジャン「ほらね元通りになったろ」
白鳥浩太郎「あぁ、可哀そうな彩香・・・児島君何とか助けてやってくれないだろうか・・・頼む」
児島恭介「でもどこを探したら?」
ジャン「大丈夫、奥様に発信機を付けといたからね」
ジャンはそう言ってスマホの画面を見せた
児島恭介「そうか、場所がわかれば助けられる・・・ジャンはどうする?」
ジャン「俺は奥様の護衛官だぜ・・・教授は身を隠してくださいまた奴らが来るかもしれないので」
白鳥浩太郎「分かった・・・近くの小屋で身を隠してるよ」
俺達は車に乗り込んだ
〇走行する車内
ジャン「まさか正面玄関から返してくれと言いに行くわけじゃぁないよな恭介」
児島恭介「車で近くまで行き忍び込むってのはどうかな?」
ジャン「おっ、奥様は巴研究所に連れて行かれたぞ」
児島恭介「ジャン後ろからパトカーがついてくるぜ」
ジャン「オイオイ恭介、俺達は奥様と白鳥教授を誘拐した犯人として指名手配されてるぜ」
児島恭介「仕方ないここは逃げるとするか」
ジャン「逃げきれるか?」
児島恭介「逃げきらなきゃ」
ジャン「オイオイ遮断機降りてるぞ」
児島恭介「分かってるって・・・」
児島恭介「ヤッター」
ジャン「冷汗が出たぜ全く」
児島恭介「ドラキュラでも冷汗は出るんだ」
ジャン「おい、横からトラック」
俺は慌ててハンドルを切った
ぶつからなかったが車は大木に衝突してしまった
児島恭介「ジャン・・・大丈夫か?」
ジャン「ああ・・・何とか・・・イテテ・・・車はお釈迦だな」
児島恭介「どうしよう」
ジャン「しょうがない俺達の秘密のアジトへ行こうぜ」
〇昔ながらの銭湯
児島恭介「おい!!これがアジトかよ・・・銭湯だろうが」
ジャン「見た目はな・・・」
そう言ってジャンは俺を伴い銭湯のボイラー室にあるエレベーターに乗り地下に降りていった
〇電脳空間
地下に降りるとそこは打って変わって未来的装置が集積された場所だった
ジャン「ようこそドラキュラの秘密基地へ」
児島恭介「す、すげえ・・・で、どうするの?」
ジャン「人を飛ばすのさ・・・奥様のいる場所に向かってね」
児島恭介「パチンコはどこ?」
ジャン「冗談を言ってる場合か・・・煙突が見えただろう」
児島恭介「ウン、煙突をどうするんだ?」
ジャン「実は煙突は人を飛ばす大砲さ・・・これで空に打ち上げた後このムササビ服で滑空と飛行をするのさ」
俺はこわごわとムササビ服なるものを触ってみた
児島恭介「これでか?」
ジャン「そう、背中についている小型ジェットで推進力を得て両手両足を広げて翼の代わりにするのさ」
児島恭介「大丈夫なのか?」
ジャン「俺も初めてだけど・・・操作方法はそこのビデオを見てくれよ」
俺は煙突の傾きを調整している脇でビデオを見ながら練習した
ジャン「終わったら入ってくれ」
俺は覚悟を決め煙突に入ると凄まじい音と共に強烈な荷重がかかった
〇花火
円筒形の弾から空中に飛び出した俺は頭から地上に落ちていった
???「ジャン「エンジンボタン」」
俺の背中のジェットエンジンが唸りをあげる