5復讐(脚本)
〇走行する車内
車を飛ばして俺は真紀の気持ちも分かった上でのつれない態度はあれで良かったと無理やり思ったが何故か涙がこぼれてきた
???「兎に角、今は復讐に気持ちをきりかえないとな」
???「ハイ、児島です・・・あっ、教授どうされました?・・・えっ、彩香奥様が妊娠された!・・・おめでとうございます、お伺いします」
〇山道
車はどんどんと草深い山の方へ導かれていた
「オイオイ、ナビは正常だよな?・・・こんな山奥・・・俺のハマーでなければ無理だったろうな」
〇古い洋館
俺は車から降りると驚いた
児島恭介(す、スゲェ)
それは住宅と言うより屋敷だった・・・俺は恐る恐るインターフォンを押した
児島恭介「ごめんください・・・児島ですけど」
児島恭介(返事がない・・・入ってみるか)
俺はドアを押して中に入って行った
〇洋館の玄関ホール
児島恭介(本当に白鳥教授の家なのか?・・・まぁいいやドラキュラの彩香を探そう)
俺は屋敷の中に恐る恐るはいると彩香を求めて探し回った
〇洋館の階段
児島恭介(広すぎるだろ)
〇洋館の廊下
児島恭介(シメタ・・・どうもこの先の部屋みたいだ)
〇豪華なベッドルーム
その部屋は暗く俺は懐中電灯を取り出して周囲を照らすとその部屋に豪華なベッドと豪華な棺が置いてあった
児島恭介(あの棺の中に美穂を殺した彩香が眠ってるのか)
俺はポケットから美穂の写真を取り出した
児島恭介(美穂、仇は取ってやるぞ)
俺は棺の蓋を静かに開け、宿木の杭をポケットから取り出しもう片方の手に握りしめた
突然俺の後頭部に銃口が突きつけられた
ジャン「何してやがる監視員さんよ、希少動物憲章には妊婦に手を出さない事がうたってあるだろ?」
俺は仕方なく両手をあげた
児島恭介「何でここにいるんだジャン」
ジャン「俺も奥様の妊娠祝いに呼ばれたんでね・・・それより手に持っている物騒な物を床に置け」
俺は仕方なく杭を床に置いた
児島恭介「折角、宿木で作ったのに・・・手間がかかってんだよな、この杭」
ジャン「ほう・・・そりゃ残念だな」
俺は素早く懐中電灯を手に取り明かりをジャンに向けるとジャンは眩しさで一瞬ひるんだ
ジャンの手から拳銃が床に落ちる
その時だった棺から彩香が目覚め、半身を起こした
白鳥彩香「一体何の騒ぎ?」
ジャン「いや何、この監視員が挙動不審なもので」
彩香は太陽光線遮断用コンタクトレンズを装着し俺の方をに振り向いた
白鳥彩香「あら、児島さん・・・お越しいただいて嬉しいわ・・・主人は今ベビー用品を買いに行ってますのよ」
児島恭介「何故美穂の血を吸ったんだ」
白鳥彩香「何故って、美穂さんが苦しまないように殺してくれと私に頼んできたから」
児島恭介「人殺し」
白鳥彩香「児島さんは知らないと思うけど美穂さんは人間ではなかったわ・・・だって血の味が違いましたもの」
児島恭介「人間でなくても俺は美穂を愛してたんだ」
白鳥彩香「そう美穂さんも児島さんを深く愛していたわ・・・だから自分が人間でない事を貴方に打ち明けられず死のうと決意したのよ」
児島恭介「俺は美穂さえ傍にいてくれたら人間でなくとも」
ジャン「オイオイおめでたい席が台無しだろう・・・そんな辛気臭い話はよそうぜ・・・ところで奥さんお腹の子供はどう?」
白鳥彩香「そうねまだ二年しか経ってないから実感がわかないわ・・・でもここの先生によると順調にだそうよ」
ジャン「しかしそうなると子供は人間とドラキュラのハーフって事になるぜ・・・驚きだね」
児島恭介「だからここに引っ越してきたのか」
白鳥彩香「そう、ドラキュラの産婦人科医がいるここにね」
児島恭介「ジャンは何故ここに引っ越したんだ?」
ジャン「俺か?・・・俺は奥さんの秘密護衛官さ・・・ドラキュラ同盟から派遣されてね」
白鳥彩香「全くもう、お兄様は心配性なんだから・・・自分のゴルゴダの時も裏切りに用心していればよかったのよ」
児島恭介「でも、ロンギヌスの槍は宿木製でなく鉄製だった・・・」
白鳥彩香「そう、だから復活できたんだけど・・・主人が戻ってくる時刻だからチョット着替えてくるわね」
部屋の扉が開きベビー用品を両手に抱えた白鳥が入ってくるのが見えた
白鳥浩太郎「おっ、早かったな児島君」
児島恭介「教授、おめでとうございます」
白鳥浩太郎「ウン、有難う・・・正直に話すと彩香が妊娠するなんて・・・それに儂もこの歳で・・・恥ずかしいやら嬉しいやら複雑な気持ちさ」
ジャン「さぁパーティーはじめませんか教授・・・奥様を呼んできますね」
児島恭介「俺は・・・チョット」
そう言って俺は部屋のを出ていった
〇美しい草原
俺は洋館を出て、腰をおろし美穂の事を思った
白鳥浩太郎「児島君チョット話さないか?」
児島恭介「ええ」
白鳥浩太郎「家内が美穂さんの自殺を手助けしてしまい申し訳ない・・・出来れば赦してやってくれないだろうか?」
児島恭介「自分は何をしようとしてたんでしょうね・・・復讐ばかり考えて、考えてみたら美穂の形見なんて何一つ持ってない」
白鳥浩太郎「そうか、でもそんな風に戻れない過去へ怒りをぶつけても自分が惨めになるだけじゃないかね」
児島恭介「美穂が死んだ現実を受け入れて奥様を赦せとでも」
白鳥浩太郎「そうでは無く、前を向いてくれないかと思うんだ・・・それに形見の件は、あると思うよ」
児島恭介「どういうことですか?」
白鳥浩太郎「今まで上手くゆかなかった彩香の妊娠が三年前に美穂君の人工血液を吸うことで妊娠できたと思うんだ」
児島恭介「と言うことは?」
白鳥浩太郎「つまり彩香の子供は美穂さんの血を宿しているとも言える訳だ」
児島恭介「つまり彩香さんの子供が美穂の形見と」
白鳥浩太郎「そう思ってくれると嬉しいんじゃが」
児島恭介「分かるような気もします。帰って気持ちの整理をします・・・それに邪険にしてた真紀の気持ちに沿ってやろうかな俺」
白鳥浩太郎「分かってくれたら彩香の妊娠を祝ってくれないか」
俺と白鳥教授は家に戻ることにした