愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第12話 憂いの旋律マリッジブルー③(脚本)

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〇ビルの裏通り
ホーディ「愛を壊せ! 結婚相手を殺せ!」
柊音葉「響介、お前を殺してやる!」

〇シックなバー
雪代椿「林檎さん。 あの優しそうな男性、どう思います?」
朝陽林檎「へっ? うーん・・・」
  椿は林檎の返事も待たずに、男性の元へと歩いて行く。
雪代椿「お客様、よろしければこちらをどうぞ」
田中響介「えっ? ああ、どうも」
雪代椿「お待ち合わせですか?」
田中響介「いえ、ひとりです」
雪代椿「そうですの」
田中響介「今夜はここに泊まるんです。 明日、結婚式の打合せがあって」
雪代椿「そうですの・・・」
朝陽林檎「つ、椿さん・・・!」
朝陽林檎「ご結婚おめでとうございます」
田中響介「ありがとうございます! この子が彼女です。かわいいでしょ?」
  林檎にスマートフォンの画像を見せる。
朝陽林檎(音葉先生! ってことはこの人が?)

〇繁華な通り
柊音葉「響介はここか!」

〇シックなバー
朝陽林檎「!!」
  黒い妖気を感じた林檎は、慌てて物陰に身を隠した。
柊音葉「響介! お前と結婚なんかしない」
柊音葉「私を苦しめるお前なんか殺してやる!」
雪代椿「きゃああああ!!」
田中響介「ば、化け物!?」

〇水玉2
朝陽林檎「マニフェスティション・オブ・ラブリィ・エンジェル・アップル!」

〇シックなバー
柊音葉「死ね!」
  魔霊に変貌した音葉が、響介に向かって突進する。
???「待ちなさい!」
柊音葉「なに!?」
アップル「結婚を控えた心優しき女性に、愛する人を襲わせるなんて許せない!」
  アップルが口上を唱えると同時に、世界がモノクロに変化する。

〇シックなバー
アップル「音葉先生・・・!」
ホーディ「フッ。まんまと現れたな、愛天使ウエディング・アップル」
柊音葉「ウォーッ!」
  激しい雄たけびをあげて、音葉がアップルに襲いかかる。
ホーディ「邪魔だ!」
アップル「音葉先生!」
ホーディ「愛天使を倒すのは、この俺、ホーディだ!」
アップル「お色直し!」

〇水玉2
アップル「ア・ブライズ・チェンジ・オブ・コスチューム!」

〇シックなバー
  変身したアップルは、ホーディの攻撃を間一髪でかわした。
ホーディ「俺様がお前の息の根を止めてやる。 死ね、ウエディング・アップル!」
アップル「・・・!」

〇ライブハウスの控室
  ライブ会場の控室。
  ホーディを除くFRENZYのメンバーは時計を見て苛立っていた。
大門トウヤ「開演五分前だ。 ホーディ、何をしている!?」

〇シックなバー
  ホーディは軍配を振り回して、黒い妖気の竜巻を生み出す。
  逃げ場なく竜巻に巻き込まれたアップルは、上空から地上に叩き落とされた。
アップル「ううっ・・・」
  うつ伏せに倒れたアップルの背中を、ホーディが踏みつける。
アップル「あああああっ!」
ホーディ「痛いか?」
アップル「っ・・・」
  アップルが交戦する中、注文された花を届けに桜がバーに駆けつけた。
苗場桜「!!」

〇ゆめかわ
苗場桜「マニフェスティション・オブ・ラブリィ・エンジェル・チェリー!」

〇シックなバー
ホーディ「痛いか。どうだ、これでもか」
  ホーディは何度も激しくアップルを踏みつける。
アップル「ううぅ・・・」
ホーディ「ならば──その痛み、終わりにしてやる!」
  ホーディの持つ軍配が、鋭い剣型の切先に変化した。
  アップルの背中に突き立てようと構える。
???「オジサン! 愛天使ならここにもいるよ!」
ホーディ「・・・オジサンだと?」

〇ゆめかわ
チェリー「お色直し! ア・ブライズ・チェンジ・オブ・コスチューム!」

〇シックなバー
チェリー「動けない女の子を痛めつけるなんて、卑劣なんじゃない?」
アップル「チェリー・・・」
ホーディ「噂の二人目の愛天使か・・・面白い。 この俺様がまとめて葬ってやる!」
  ホーディが軍配で、黒く澱(よど)んだ吹雪を起こす。
  荒い風を受けて、苦しむ愛天使たち。
  しかし暴風を受けつつも、チェリーはにやりと微笑んで言った。
チェリー「オジサン。どうせならさ、こっちのほうがよくない?」
チェリー「フラワー・ブリザード!!」
  攻防するホーディとチェリーの傍らで、音葉が意識を取り戻した。
柊音葉「・・・っ」
アップル「音葉先生・・・今の先生は本当の先生じゃない。いつもの先生に戻って!」
柊音葉「うるさい! これが本当の私だ!」
  音葉はアップルに飛びかかり、その首を締め上げた。
アップル「お、音葉先生・・・」
柊音葉「私はね、小さな頃からピアニストになるのが夢だった!」
柊音葉「でも親に安定した生活を送ってほしいっていわれて教師になった・・・」
アップル「!」
柊音葉「それでも夢は諦められず、毎日練習した。コンクールにも出た・・・」
アップル「そ、そんな・・・」
柊音葉「なのに結婚したら、私の生活はどうなる? 今までみたいにピアノの練習ができなくなる」
柊音葉「家事は、仕事は? もし子どもができたら ・・・ピアノのない生活なんて嫌だ!」
アップル「そんなことを、思って・・・」
柊音葉「だから・・・響介なんて死んでしまえばいいんだッ!」
  音葉はさらに強く、アップルの首を絞めつける。
アップル「ううぅ・・・だ、だったら、やっぱり、そんなことさせません!」
アップル「ウエディングベル!」
  リン、リン、リン
アップル「音葉先生、思い出して! 愛する人とともに過ごした日々を!」

〇劇場の座席
  ピアノコンサートを鑑賞する音葉。
  美しい音色に涙を流しハンカチで拭おうとすると、隣で鼻をすする音がした。
  隣を見ると、そこには涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃの響介がいた。
柊音葉「あの、よかったらどうぞ」
田中響介「へっ? あっ、ありがとうございます」
  響介はハンカチを受け取ると、思い切りチーンと鼻をかんだ。
柊音葉「!?」
田中響介「!! ・・・あああ、ごめんなさい!」
  大慌ての響介を見て、音葉は思わず笑みをこぼした。

〇結婚式場前の広場
田中響介「これ、どうぞ。あのハンカチは、僕が鼻をかんでしまったから」
柊音葉「そんな、気にしなくてよかったのに」
田中響介「でもきっと大切なものでしょう? それは僕にとっても大切なものだから」
柊音葉「え? それってどういう・・・」
田中響介「音葉さんともっと一緒にいたい」
田中響介「遠距離だから、寂しい思いをさせることもあるかもしれないけど・・・」
田中響介「好きです。付き合ってください」

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コメント

  • bgmや効果音もないのに、状況が手に取るようにわかる。凄い

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