愛天使世紀ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第11話 憂いの旋律マリッジブルー②(脚本)

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〇空
バビルン「どこだぁ、愛天使!」
  バビルンは傷ついた体に鞭打って、
  街の上空から人間界を偵察していた。
バビルン「あ・・・」
  しかし途中で力尽き、バビルンは地上へと
  真っ逆さまに落ちていく。

〇郊外の道路
バビルン「・・・・・・」
黒岩優斗「ウサギ? ・・・傷だらけじゃないか」
  バイクで通りかかった優斗は、バビルンを
  上着でくるんで抱き上げた。
朝陽林檎「バビルン!? どうして・・・!」
黒岩優斗「バビルン? お前のペットか?」
朝陽林檎「そうよ」
黒岩優斗「・・・はぁ。ペットならちゃんと紐で 繋いでおけよ、バイクで轢いちまったら どうするんだ」
朝陽林檎「あ、あのねえ、あなたってどうして いつもそんな言い方──!」
  言いかけた途中で、林檎はバビルンを
  包んでいる上着に気づいた。
朝陽林檎「もしかしてこの上着・・・」
黒岩優斗「俺のだよ。 こいつがこれ以上傷ついたら かわいそうだろ」
朝陽林檎「! ・・・あ、ありがとう。 優しいところもあるんです・・・ね」
黒岩優斗「ん? 急になんだ? 気持ち悪いな」
朝陽林檎「これ返します! さよーならっ!」
  林檎は優斗に上着を突き返すと、
  バビルンを抱いて去っていった。
黒岩優斗「?? あいつ、なに怒ってんだ?」

〇可愛らしい部屋
バビルン「・・・・・・」
朝陽林檎「バビルン、早く元気になって・・・」
  林檎の目から、涙の滴がポタリとベッドに
  落ちる。
  涙を拭いながら、林檎はふと泣きながら
  ピアノを弾く音葉の姿を思い出した。
朝陽林檎「音葉先生・・・マリッジブルーか。 どうしたら元気になってくれるんだろう?」

〇ウェディングドレスショップ
霧乃あやめ「どのドレスもお似合いですよ」
柊音葉「ええ。ねえ、響介さんはどれが・・・」
  音葉が恋人の田中響介に尋ねると、
  彼は眠たげにあくびしていた。
田中響介「ふわぁ・・・」
柊音葉「ねえ、聞いてる?」
田中響介「え!? うんうん、音葉の好きにしていいよ」
柊音葉「それじゃ困る。 悩んでるから意見を聞きたいのに」
田中響介「でもどれも似合ってるし・・・」
田中響介「俺のことは気にしないで、音葉の好きな ものを選んでよ」
柊音葉「・・・・・・」

〇結婚式場前の広場
  ドレスショップを出てから足早に歩く
  音葉を、響介は慌てて追いかけた。
田中響介「音葉? 急にどうしたの? 具合でも悪いの?」
柊音葉「そういうのじゃない」
田中響介「だったら何? ちゃんといってよ」
柊音葉「響介さん、忙しいのはわかるけど──」
田中響介「ふわぁ・・・」
柊音葉「・・・・・・」
田中響介「あ、ゴメン、最近残業続きで、 こっちくるとき飛行機の中でも 爆睡しちゃって・・・」
柊音葉「もういい」
田中響介「へっ?」
柊音葉「疲れているならもうホテルに戻って 休んだら? 私、具合悪いから帰る!」
田中響介「・・・・・・」
田中響介「なんだ、やっぱり具合悪かったのかぁ」

〇繁華な通り
  街中を駆けてきた音葉は、ふとガラス
  越しに楽器屋の中を眺めた。
  そこには、両親に囲まれて楽しそうに
  ピアノを弾く少女の姿があった。
柊音葉「ふふ。私にもあんなときがあったな」
柊音葉「私の人生はいつもピアノと一緒だった」
柊音葉「でも結婚したらどうなっちゃうんだろう。 今までみたいにピアノ弾けるのかな・・・」
  楽しげに歩く人々の中で、音葉の
  周りだけがぽっかりと空いていた──。

〇空
  ──その遥か上空。
  音葉の姿を見つめる邪悪な影があった。
ホーディ「決めたぞ、あいつを獲物にする」
ホーディ「心疲れた、孤独な女を!」

〇お花屋さん
苗場桜「はい、こちら苗場生花店です」
店主の声「もしもし、苗場生花店ですか?」
店主の声「急で悪いんですが、店に飾る切り花を 届けて欲しいんです」
苗場桜「え? はい、わかりました・・・」
苗場桜「何よ、こんな時間にぃ」

〇レトロ喫茶
朝陽林檎「・・・あれ? 椿さんは?」
店主「椿ちゃんかい? 彼女なら辞めたよ。 今はこの式場のバーで働いてるらしい」
朝陽林檎「辞めた~~~!?」

〇シックなバー
  キョロキョロしながらバーの店内に
  入ると、店の奥に椿の姿があった。
朝陽林檎「つ、椿さん、いたぁ~」
雪代椿「まあ林檎さん、いらっしゃい」
朝陽林檎「どうしてあのお店辞めちゃったんですか? あんなに楽しそうに働いてたのに」
雪代椿「あら、だってあのお店、カップルか お年寄りしか来ないのですもの」
雪代椿「その点、このバーなら、結婚式に参列する 殿方や、一般利用の殿方と出会えますわ」
朝陽林檎「って、まさかそれだけのために?」
雪代椿「もちろんですわ。 わたくしが働くのは、魅力的な殿方と めぐりあうためですもの」
朝陽林檎「は、はあ・・・」
朝陽林檎「あっ、そうだ。 椿さんに聞きたいことがあるの」

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