社会の闇(脚本)
〇街中の道路
男(くそっ・・・どうなってやがる!! なんで警察がこんなに・・・。)
男(絶対バレないんじゃなかったのかよ・・・。 とりあえず今は隠れないと・・・。)
警察「すみません、今近くで事件がありまして、お話を伺っているんですけど、ちょっとお時間よろしいですか?」
男(!? やばい鞄を見られたら一巻の終わりだぞ・・・!?)
男「それは怖いですね・・・。 今は急いでいるので、 ちょっとだけなら・・・。」
警察「ありがとうございます! 実は市民の皆様にご協力いただいて鞄を拝見させて貰っているのですが、」
男性?「ちくわ大明神」
警察「そちらの鞄を見せていただいてもよろしいですか?」
男「え!?ハッ・・・!?いや、今なんか変な人いましたよね!?」
警察「何を言っているんですか? 誰もいませんでしたよ? とりあえず鞄を見させてもらいますね。」
男「いやいや、いましたよ!! なんか体がドロドロに溶けた人が!!」
警察(この人薬物でもやってるのかな・・・。 なおさら鞄を確認しないと・・・。)
警察「すみません、私には見えなかったのですが、近くに他の警察官もいるので大丈夫ですよ。」
警察「とりあえず鞄の中を見せてもらいますね。」
男「いやいや、困りますよ!! もう時間がないので失礼しますね!!」
警察「あっ!ちょっと!」
警察「薬物乱用者と見られる男性を見つけるも聴取中に逃走。駅の方面へ逃げたと思われます。 応援をお願いします。」
〇ビルの裏
男(はぁ・・・はぁ・・・ ここまで逃げればもう大丈夫か・・・ 一体何なんだ今日は・・・)
男「とりあえずあの男に連絡を取らないと・・・」
ドンッ!
男「なんだこんな忙しいときに! 前を見て歩けよ!」
男「お・・・おまえは・・・!?」
男性?「ちくわ大明神」
男「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
・・・・・・
路地裏援交女「え!? 何!? 死体!?」
路地裏援交女「もしもし警察ですか!? 路地裏に死体が!!!」
〇ビルの裏
警察「貴女が見たときには既に死んでいたと・・・。」
路地裏援交女「はい・・・。 もう何が何だか・・・。」
警察(まさか薬物中毒者が窃盗犯だったとは・・・。 しかしこの女性は何故路地裏に・・・?)
警察「つかぬことをお聞きしますが、貴女は何故こんなところに?」
いかにもなおぢさん「おや、どうしたんだい?」
路地裏援交女「あ!パパ!」
路地裏援交女「人を探してたんです!」
警察「そうだったんですね。 いやてっきり・・・。 お連れ様も見つかったようで何よりです。」
警察「調書はこちらで十分ですので、また何か進展ありましたらご連絡させていただきますね。 お父様にも宜しくお伝え下さい。」
路地裏援交女「はい! ありがとうございます!」
路地裏援交女「はぁ・・・。」
〇殺風景な部屋
いかにもなおぢさん「あの男がヘマをしたと聞いて様子を見に来てみれば・・・。 飛んだ災難だったようだね?」
路地裏援交女「誰のせいだと思っているの? 貴方が余計なことをしなければ、こんなことにはならなかったのよ。」
いかにもなおぢさん「ハハハ! すまない。 今月はどうしても入用でね。 それに警察が来る前に回収したのだろう?」
路地裏援交女「ええ、そうね。 警察もまさか盗まれた鞄の中身がアレだったなんて気が付かないから、怪しまれずに済んだわ。」
いかにもなおぢさん「そうだろうね。 そのためにソレは開発されたのだから。」
路地裏援交女「バレないと言っても、こんな露骨にやっていたら時間の問題よ。」
路地裏援交女「あ、そういえばもう1つ依頼があるんだった。 そのために連れてきたのよね。」
いかにもなおぢさん「ん?私は聞いてないが、どこにいるのかね?」
ザクッ!
男性?「ちくわ大明神」
いかにもなおぢさん「うっ・・・!?」
路地裏援交女「そりゃあ聞いてないでしょうね。 散々派手なことをする貴方を始末しろって依頼なんだから。」
路地裏援交女「はい。 貴方もご苦労さま。 取り返したものだけど、貴方の褒美はこれよ。」
ムシャッ・・・ムシャッ・・・!!
路地裏援交女「やっぱ不思議ね〜。 こんなモノを食べたらこんな化け物になるなんて。」
路地裏援交女「さて、明日も頑張って売ろ〜っと!」
〇ビルの裏通り
くたびれリーマン「はぁ・・・。 今日もこんな時間か・・・。 嫁もいないし、何のために働いているのやら・・・」
路地裏援交女「ねえねえそこのお兄さん、私今日帰れなくなっちゃって・・・。泊めてくれませんか?」
くたびれリーマン(こんな時間にこんなところで・・・。 これはもしかして神待ちというやつか? 今日はラッキーかも知れないな・・・)
くたびれリーマン「それは大変だね。 困ったときはお互い様だ。全然気にしないでくれ。 少し歩くけど良いかな?」
路地裏援交女「全然大丈夫です! ありがとうございます! あ、そういえばこれさっき買い過ぎちゃったんで、歩きながら一緒に食べませんか?」
くたびれリーマン「ん?これは・・・。 珍しいねイマドキの子が好きだなんて。」
くたびれリーマン(そういえば長いこと若い子と何かを食べたことなかったな・・・ たまにはこういうのも悪くないか・・・)
くたびれリーマン「いや〜美味しいね〜。 君は食べないのかい?」
路地裏援交女「実は私お腹いっぱいだから、またあとで食べようかなって思ってたんです。 それに・・・」
くたびれリーマン「ウッ・・・ガハッ・・・!?」
くたびれリーマン「ウッ・・・チ・・・チ・・・チク・・・!!」
くたびれリーマン?「ちくわ大明神」
路地裏援交女「そのちくわは食べたら化け物になっちゃうしね〜」
・・・・・・・・・
こうしてまた街から忽然と人が消えるが、孤独な社会では探すものはおらず、ただただ人知れず静かに夜が更けていくのであった
ちくわは大好きです。焼いてよし、煮込んでよし。路地裏でちくわ売りがいたら気をつけます。変な化け物にはなりたくありません。
ちくわ大明神って、そういう事かと納得。
今日の晩御飯に、ちくわを食べたけど、大丈夫だよね?
なんて…
ストーリ展開が早くおもしろかったです。
社会の闇、深いですね。
ちくわを食べるとどんどん妖怪(?)になっていくところ、おもしろかったです。
シンプルな中にセンスが光りますね。