第9話 ウェディング・チェリー誕生!③(脚本)
〇公園のベンチ
ブクロク「さあ、その悲しみに──疑いの心に全てを委ねろ!」
ブクロク「恋する者に会ったら恋する者を殺せ、愛する者に会ったら愛する者を殺せ!!」
苗場桜「あああぁぁぁっっーーーー!!」
朝陽林檎「桜ちゃん!!」
苗場桜「・・・パパ・・・ママ」
ブクロク「クックックッ・・・ハーッハッハッハ!!」
〇モヤモヤ
苗場美樹「なんでわかってくれないのよ!」
苗場大地「それはこっちの台詞だ!」
苗場桜「パパ、ママ、やめて!」
「邪魔だ!!」
苗場桜「痛っ・・・」
苗場美樹「昔はあんなに愛してるって言ってくれたのに、今は私の事を少しも考えない!」
苗場大地「お前こそ自分の事だけだじゃないか、もううんざりだ!」
苗場桜「やめてよ」
苗場美樹「最低な男!」
苗場大地「今すぐ俺の目の前から消えろ!」
苗場桜「いや・・・やだ!」
「お前なんかを愛したのが間違いだったんだ!!」
苗場桜「もうやめてぇぇぇーーー!!」
〇公園のベンチ
「桜!」
美樹と大地が桜の元に駆け寄る。
苗場桜「・・・・・・」
苗場美樹「きゃぁぁ!」
苗場大地「うわぁぁ!」
朝陽林檎「!」
地面に倒れて意識を失う美樹と大地。
朝陽林檎「おじさん、おばさん!」
苗場桜「そうだ。愛は死ぬ」
苗場桜「いつか終わって人を傷つけ苦しめる呪い。なら──」
苗場桜「──私はそんなものいらない」
朝陽林檎「桜ちゃん・・・!」
朝陽林檎(・・・桜ちゃんを助けないと!)
林檎は林の陰に隠れると、ペンダントを握りしめて呪文を叫んだ。
〇水玉2
朝陽林檎「マニフェステイション・オブ・ラブリィ・エンジェル・アップル!」
〇公園のベンチ
ブクロク「ふん、愛天使め。 出てこないなら破壊の限りを尽くすまで!」
ブクロク「手始めにそこの男と女を消せ、魔霊よ!」
アップル「待ちなさい!」
バビルン「あっ、愛天使が!」
アップル「家族を想う少女の心に取りついて、愛を壊す魔霊は許せない!」
アップル「愛天使ウェディング・アップルが不滅の愛を教えてあげるわ!!」
〇公園のベンチ
ブクロク「やっと来たな愛天使! 行け、魔霊よ!」
ブクロクの掛け声とともに、魔霊に変貌した桜がアップルに向かって走る。
桜は巨大な鎌を取り出してアップルに振りかぶった。
アップル「・・・はやっ!」
間一髪で桜の攻撃をかわすアップル。
アップル「くっ・・・お色直し!」
〇水玉2
アップル「ア・ブライズ・チェンジ・オブ・コスチューム!」
〇公園のベンチ
次々と繰り出される桜の怒涛の攻撃を、ギリギリで捌(さば)いていくアップル。
アップル「ウェディング・ベル!」
ブクロク「甘いわ!」
アップル「きゃっ!!」
ブクロクの繰り出した攻撃が、アップルに直撃する。
アップルはよろめきながらも、なんとか体制を立て直す。
しかし、ブクロクと桜はさらに追撃を加えようと構えた。
アップル「このままじゃ・・・」
ブクロク「くくくっ・・・はっはっはっ!」
ブクロク「終わりだ愛天使! さあ殺せ魔霊よぉ!!」
苗場桜「・・・・・・」
桜はアップルめがけて、無慈悲にも大鎌を振り下ろす。
アップル「一か八かだぁぁぁ!」
アップル「もうやめて!」
苗場桜「・・・放せ」
アップル「桜ちゃん、私だよ!」
アップル「桜ちゃん前に言ってたよね、パパとママの愛はどこへ行っちゃったのって?」
アップル「あるんだよ、ちゃんと愛はある!」
アップルは桜の胸に手を当てた。
アップル「ここにあるんだよ!」
苗場桜「わた・・・し?」
アップル「愛・・・生まれたままの形をずっと保っていくことはできないかもしれない」
アップル「でも、姿を変え形を変え、残り続けていく。桜ちゃん、あなたが愛なんだよ!!」
苗場桜「私が、パパとママの、愛・・・」
ブクロク「ならばそのくだらぬ愛諸共死ね!」
「きゃあぁぁぁーーー!」
バビルン「愛天使、打ち取った!」
苗場桜「もう嫌だ、嫌だよ! 痛いのも苦しいのもやだよ!」
苗場桜「もうみんな、私のことなんてほっといてぇぇぇ!!」
アップル「ほっとけないよ」
苗場桜「・・・え」
アップル「桜ちゃんのこと、好きだもん」
〇白
そのとき、二人の身体がまばゆい光に包まれた。
強力な愛のウェーブが、ブクロクの攻撃を弾き返す。
〇公園のベンチ
ブクロク「ぐぉぉぉ!?」
バビルン「わぁぁぁ~~~!」
アップル「思い出して桜ちゃん。 パパとママとの温かな毎日を」
リン、リン、リン
〇おしゃれなリビングダイニング
苗場桜「パパ、ママ、大好きだよ」
〇公園のベンチ
苗場桜「パパ・・・ママ・・・」
魔霊化していた桜の体が元に戻る。
アップル「はぁっ・・・はぁっ・・・」
ブクロク「くそ・・・クソッが!」
ブクロク「いい気になるなよ、愛天使ぃぃぃ!!」
アップル「・・・!」
〇黒
苗場桜「・・・・・・」
苗場桜「・・・私・・・は」
目を覚ました桜の眼前には、炎のように揺らめく二つの影があった。
一つは光のように輝き、もう一つは闇のように黒いエネルギーに満ちている。
苗場桜「この暖かい気配は・・・林檎? もうひとつのは、冷たくて、怖い・・・」
巨大な闇はみるみるうちに広がって、光を呑み込んでいく。
苗場桜「林檎の気配が弱くなって・・・いや・・・だめだよ! 消えちゃやだ!!」
苗場桜「私まだ言ってない、ありがとうって、友達だって!」
そのとき、桜の胸から強い光が放たれた。
女神「目覚めなさい」
苗場桜「・・・だれ?」
女神「さあ、フェイスフル・エンジェル・チェリーと唱えるのです」
〇公園のベンチ
アップル「うう・・・!」
ブクロクに首をつかまれ、宙釣りにされたアップルが呻(うめ)き声を上げる。
ブクロク「殺す殺す殺してやる! これで終わりだ、愛天使!!」
苗場桜「・・・・・・」
苗場桜「・・・フェイスフル」
〇ゆめかわ
苗場桜「マニフェスティション・オブ・フェイスフル・エンジェル・チェリー!!」
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私、今、桜信者に目覚めました。
このシリーズは僕も好きになりました。絶対これ、アニメ化したら大人気間違いなしですよ!