私もラブストーリーガールズサイド!攻略対象は、同じ名前で三人で!

ブルークレヨン

会いたい人(脚本)

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ブルークレヨン

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〇城壁
私「秋さん!長さん⋯長さんは大丈夫ですか!?」
あきさん「・・・」
あきさん「それが⋯長さんが溺れて沈むのを警官のひとりが見たらしい。 犯人も沼に沈んだまま浮かんでこない」
私「何言ってるんですか?早く助けてあげてくださいっ!」
私「犯人はどうでもいいから、長さんを助けて!溺れてなんかないっ、きっとまた私をびっくりさせようと隠れてるんだわ」
私「きっと、大丈夫って笑ってくれる!」
私「ねぇ、秋さん!長さんは、私を助けに来てくれたの、死んだりしない!」
  自分が口にした「死」と言う言葉が、こだまのように頭で響く
私「やだ・・・長さん・・・お願い、出てきて・・・」
あきさん「葉子ちゃん!あっ、痙攣してる! おい、救急車を呼んでくれっ!」
あきさん「しっかりしろっ!」
私「・・・」
  私はこの時、体に回った薬の影響と自分を助けてくれた人が死んだかもしれないというショックで、気を失った。
  そして、三人の秋長さんと会ったこの日の記憶は、私の中からごっそり消えてしまった。
警官「沼を捜索していますが、容疑者も被害者も見つかりません」
刑事「雨足が強くなってきたが、引き続き捜索を頼む」
  こうして、連続殺人事件並び殺人未遂事件は、被害者の一人と容疑者共に行方不明で、解決の糸口が無くなった。
あきさん「くそっ!最悪だ!」

〇病室のベッド
  事件から四年後。
  葉子の母親が入院している病室。
  葉子が、長治を魔法で過去に飛ばしたと母親に相談していたが⋯
私「私、今、思い出した」
私「殺人犯に捕まったあの日、長さんが私を助けに来てくれて、沼に・・・ 私が記憶を無くしたのは、それがショックだったからなのね」
葉子の母「・・・葉子」
私「私が──私が、大切な彼を無理やり過去に飛ばして⋯死なせてしまったんだわ!」
私「長さん・・・どうしよう!私、どうしたらいいの!?」
葉子の母「・・・」
葉子の母「大丈夫よ。 だって、未来から来てあなたを助けてくれた彼はちゃんと戻ってるはずだから」
私「えっ!?だってあの時長さんは沼で溺れたって聞いたわ。 それに、あの魔法は一日経たないと戻れないんでしょ?」
葉子の母「実は、私が魔法を使う前、ある人から「あの魔法はかけられた本人に命の危険がせまれば戻って来れるよ。安心して使って」と電話が」
私「えっ?どういうこと? 誰がそんな都合の良い話を?」
葉子の母「誰かはそのうちわかるわ。それより、ほら、あなたをちゃんと守ってくれた人が来たわよ」
ながさん「葉子・・・」
ながさん「ただいま〜」
  長治は、ずぶ濡れだった
私「長さん!!」
ながさん「おい、ダメだよ〜そんな風に抱きついちゃ。俺、沼に落ちたから泥臭いだろ?」
私「気になんない・・・な、長さ〜ん!」
  こうして、過去の私は現在の彼・長治さんに助けられ、現在の私は愛する彼と再び無事に会えた
私「長さん⋯助けてくれて、ありがとう❤」
葉子の母「ヒューヒュー♪」
葉子の母「き、傷口が・・・あいたた・・・」

〇見晴らしのいい公園
私「せっかくお見舞いに来てくれたのに、酷い目に合わせちゃったね。本当にごめんね」
ながさん「いや、腕の怪我を防ぐことはできなかったけど、大切な葉子を守れて良かった」
ながさん「過去に飛んだ時、二人の秋長に困ったし、自分が未来から来たなんて打ち明けられなくて焦ったよ」
私「私はてっきり、長さんが本物の秋長さんだと思ってたんだ」
ながさん「俺は正直、団体デートしている間、過去の葉子が俺の事を知ってる訳がないのに」
ながさん「『なんで俺だけを見てくれないんだ』とか 『葉子が犯人を好きになってしまったらどうしよう』とか辛かったんだ」
私「そうだったのね・・・ 確かに長さんの事を彼氏だなんて思わなかったけど、なんかね、親近感みたいなのは湧いてたよ」
ながさん「えっ!運命感じてくれた!?だろだろ?」
私「も〜w はいはい。 じゃあ、はっきり言うね」
私「・・・大好き!」
ながさん「やっほ〜い! 俺も葉子が大好きだ! 幸せだ〜!」
ながさん「そうだなぁ、現在に戻って不満があるとしたら、汚れた服の代わりに貸してもらったのが、お義母さんのこんなコートって事かな」
私「大丈夫。ばっちり似合ってるよ〜」
  クスクス笑い合い、抱きしめあって、優しいキスをした♪
  二人とも助かった事で、安堵していた。
  
  あの後、犯人がどうなったのか、今どうしているのか考えもしないで。
  まさかこの時、自分たちの話が聞かれていたなんて!
はやとさん(シンガポールから帰ってきて半月。 今まで、長さんが私を見かけても反応しなかった理由がわかりました)
はやとさん(あの日古城で長さんが話していた「四年後から来た」というのは、本当だったんですね)
はやとさん(私は、一度決めたら諦めない人間なんでね。四年間何もしないで待っていて良かった。まずは、あの人から焼却しましょう)

〇テーブル席
  次の日、遊ぶ約束をしていたエイコと会った。
エイコ「葉子!記憶が戻ったのね!? ひどい想いさせたね・・・」
私「大丈夫だよ♪ ほら、四年前も一生懸命謝ってくれたし、そもそもエイコが悪いわけじゃないんだから」
  エイコは、ううんと首を振る
エイコ「あの時、ひとりで行かせなければ・・・」
私「エイコ、本当にエイコは悪くない。それにね〜ムフフ」
エイコ「えっ!何その笑い!?」
私「私、あの時に長さんに助けられてたんだ〜 だから、今、超しあわせ〜」
  私は思い出した事全てを、長さんへの想いも含めて話した。
  エイコは驚き、息を止めて
  最後には涙を浮かべながら笑って聞いてくれた
エイコ「葉子。あなたが今無事で幸せで、本当に良かった」
私「ありがとう❤ こんな能天気な私だけど、これからもよろしくね♪」
エイコ「もちろん!こっちこそ〜❤」

〇オフィスビル前の道
  休み明けの出勤日
私(そう言えば、思い出すなぁ〜 長さんと初めて会ったのは、長さんの会社の前だった)

〇大企業のオフィスビル
  その日私は、取り引き会社への訪問に遅刻しそうだった。
  慌てていて、何もない所で転けてしまった。
私「わ〜大変!カバンの中身が⋯」
ながさん「大丈夫ですか?」
  たまたまそばを通った長さんが、親切に拾ってくれ、渡してくれた。
  その時、手が触れ合った。
ながさん「・・・はい。うわっ、痛っ!」
私「ご、ごめんなさい!せっかく拾ってもらったのに、静電気が走りましたよね!?」
私「私、乾燥してる季節は静電気が酷くて、たまに手が触れただけで今みたいになる事があって」
ながさん「大丈夫だよ。でも、びっくりした」
ながさん「じゃあ」
私(親切な人だったな〜)

〇綺麗な会議室
ながさん「こんにちは。 御社との共同企画を担当します岡田と申します。 ・・・あれ?あなたはさっきの」
私「あっ、先程はありがとうございました」
私「谷原と申します」
  挨拶の後、名刺交換したんだけど、ここでも又バチバチっと静電気が発生した
ながさん「うおっ!」
私「うわっ、また・・・ごめんなさい」
ながさん「わっはっはっ!君、すごいね〜」
私「失礼しました」
  この時、私は長さんの明るい笑い声にドキドキした
  その後、仕事で何度か会っているうちに親しくなり、彼から交際を申し込まれた。

〇オフィスビル前の道
私(私があの時長さんに惹かれたのは、もしかして消えた記憶の端に彼がいたから?)
私(それとも、静電気にもイライラしないおおらかさに惹かれたのかな?)
  そんな風に思いを巡らせながら歩いていた時
通りすがりの人物「おっさん!今俺の事カメラで撮ったよな!?」
  後ろの方から、怒鳴り声が聞こえた。
  誰かがもめている
はやとさん「あなたの事なんて撮ってません」
私「離れていて見えにくいけど・・・あれって・・・?」
はやとさん「・・・」
  私はそちらに向かって走ったが、男は逃げてあっという間に人混みに消えた
私「今の人、何をしてたんですか?」
通りすがりの人物「俺の事を携帯カメラで撮ってたからキレたら、逃げられた」
私(それって、私の事を撮ってたんじゃ?)
私(長さん⋯電話に出て・・・)
私「あ、長さん、仕事中にごめんね! 今、殺人犯に似た人を見かけたの・・・どうしたら── あ、うん、わかった警察に電話する」
ながさん「俺もすぐそっちに向かうから、葉子は会社の中で待ってて」
私「うん。わかった」
私(どうしよう・・・あいつが生きてた)
私「・・・」
私「警察ですか?四年前の誘拐犯を見つけました。直ぐに来てください」
私(怖いけど・・・これはあいつを捕まえるチャンスよね!)

〇休憩スペース
私「あっ!秋さん・・・じゃなかった、刑事さん?」
あきさん「葉子ちゃん、お久しぶりです。 記憶が戻ったんだね」

次のエピソード:嵐の前

コメント

  • はやとは本当に執念深いですね。
    ゾッとしました。

  • こわ~い、「あのヒトから焼却しましょう」って、怖くてぞくぞくするいいセリフですね~♪ 葉子ちゃんのお洋服の変化を楽しみにしています~。いよいよ物語は佳境! 次も楽しみにしてま~す

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