アイドルになったら思ったより人気が出た件

スリィ

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〇魔法陣のある研究室
ラヴァ「くそっ!離しやがれ!!」
研究者A「おい!暴れるな!!」
  研究所には三体の怪人が政府により収容されていた・・・
  焔の怪人──ラヴァ
  獅子舞の怪人──青獅子
  狼の怪人──ルーヴ
研究者A「ここを離れるが逃げるなよ」
ラヴァ「お前ら、今が脱出のチャンスだと思わないか・・・?」
青獅子「あぁ。どうやって抜け出す?」
ルーヴ「・・・俺に任せろ」
ルーヴ「アウォーーン」
研究者C「ワンワンッ」
ルーヴ「ここの鍵を開けろ」
研究者C「ワン!」
「!?」
ルーヴ「ほら、逃げるぞ・・・」

〇けもの道
  研究所を離れ、樹海にやってきた三体
青獅子「かなり離れたな・・・ここなら追ってこないか?」
ラヴァ「便利だな、人を操れるなんて」
ルーヴ「厄介な時は厄介だぞ」
青獅子「ふっ、怪人ってもんは大変だな」
ラヴァ「人間に上手く化けられればいいが、どうにもできないんだよな」
青獅子「俺は忍術が使えるからあれだが・・・」
ルーヴ「俺も人間には化けたことがないな」
ラヴァ「簡単で人から好かれるようなもの・・・」
ルーヴ「そんなものがある訳──」
ラヴァ「あっ、研究者の1人が言ってたんだが」

〇魔法陣のある研究室
研究者D「ぐへへ・・・やっぱり可愛いなぁ」
ラヴァ「なんだそれ?」
研究者D「アイドルグループだよ」
ラヴァ「アイ、ドル?なんだそれ」
研究者D「アイドルを知らないだって!?人生損してるよ!!」
研究者D「いいかい?アイドルっていうのは・・・」
  それからオタクな研究者による
  アイドルの話は3時間半にも及んだ
研究者D「いやぁ、君がアイドルに興味を持つなんて嬉しいなぁ〜」

〇けもの道
ラヴァ「・・・てことがあってな」
青獅子「・・・え?それだけか?」
ルーヴ「何の役にも立たない話にしか聞こえないぞ」
ラヴァ「違う、違う!アイドルになればいいんじゃないかって話だよ」
青獅子「はぁ!?」
ルーヴ「ふざけてるのか?」
ラヴァ「なんだよ、いたって真面目さ」
ラヴァ「アイドルは可愛くて歌が上手かったら大体人気が出るもんだよ」
ラヴァ「嫌われっぱなしは嫌だろ??」
ルーヴ「まぁ・・・」
青獅子「だからって、アイドルはちょっと・・・」
青獅子「俺らには技術もないわけだし」
ラヴァ「技術・・・?俺がいるじゃないか」
「は?」
ラヴァ「あいつにアイドルのライブを2週間連続で見せられたし」
ラヴァ「振り付けまで覚えさせられたんだ」
ラヴァ「この中では一番アイドルに詳しいのは俺ってことだ」
青獅子(こいつ、大丈夫か・・・?)
ルーヴ(大丈夫じゃないな・・・絶対)
ラヴァ「そうと決まれば、早速変身だ!可愛くなるぞ!!」
「お、おー・・・」

〇SHIBUYA109
チャラ男「おいおい・・・」
通りすがりB「なんだ・・・あの子たちは」
  皆が見とれる先にいたのは──
赤羽 ホムラ「ほら、可愛いでしょ?」
獅童 マイ「うん・・・予想外だけど可愛い・・・」
大神 アスカ「本当だな!俺様世界一可愛いぞ!」
  絶世の美女3人が並んで歩いていた──!!
チャラ男「お姉さんたち、今から空いてない?」
チャラ男B「僕ら美味しいお店知ってるんだよね」
赤羽 ホムラ「ごめんね、これから用事あるんだ〜」
獅童 マイ「ご飯食べれるんでしょ?行かないの?」
赤羽 ホムラ「こういうのには着いてっちゃダメ!」
大神 アスカ「そうだろう!可愛いだろう!!」
赤羽 ホムラ「お前はうるさい!」
赤羽 ホムラ「あはは、ごめんね〜」
赤羽 ホムラ「ほら、行くぞ」

〇小さい会議室
赤羽 ホムラ「今日はお願いしま〜す」
社長「あぁ。座りたまえ」
社長「しかし、本当に可愛いね」
プロデューサー「これは売れそうっスね!!」
赤羽 ホムラ「ところで活動っていつからになりますか?」
社長「んー・・・」
プロデューサー「あっ、来週ある新人ライブイベントで出したらどうっスかね」
社長「いい案だね!そうしよう!」
プロデューサー(じょ、冗談だったんスけど・・・)
社長「来週のライブに出てもらえることは出来るかい?」
「ら、来週!?それは流石に無──」
赤羽 ホムラ「えぇ。もちろん出来ますよ」
獅童 マイ「流石に無理だって!」
大神 アスカ「そうだぞ、お前がいても俺らは初心者なんだぞ!」
赤羽 ホムラ「黙りなさい・・・?」
「ヒッ・・・」
赤羽 ホムラ「頑張って早く舞台に立てるようにしますね!」
獅童 マイ「お願いします・・・」
大神 アスカ「よ、よろしく・・・」
社長「じゃあ僕はこれで・・・後は頼んだよ」
プロデューサー「え・・・」
プロデューサー「どうしますか?」
赤羽 ホムラ「じゃあ、ダンススタジオ貸して貰えますか?今から練習したいので」
プロデューサー「今からスか 全然いいっスけど・・・」
赤羽 ホムラ「じゃあ行こっか。 来週には完璧にしてもらうからね」
「が、頑張る〜・・・」
プロデューサー「顔は上の上ってとこっスけど、 所詮顔だけっスかね〜」
プロデューサー「しかも、来週で完璧に出来るわけないっスよ!あはは!」
プロデューサー「あー、来週が楽しみっス」

〇稽古場
赤羽 ホムラ「すっっごい!テレビで見たやつだ!」
獅童 マイ「ひろ〜いね・・・」
大神 アスカ「すげぇな・・・」
赤羽 ホムラ「驚くのは後にして・・・レッスンしようか♡」
獅童 マイ「うん!やる気出てきた!」
獅童 マイ(DVDの知識だけだろうし、レッスンなんてキツくないでしょ)
大神 アスカ「俺様が輝けると思ったらやるしかないな!」
大神 アスカ(きっと大丈夫だろ)
赤羽 ホムラ「じゃあ、始めるよ──」
  それから地獄の1時間が始まった・・・
獅童 マイ「はぁ、はぁ・・・死ぬ・・・」
大神 アスカ「気分悪くなってきたかも・・・」
赤羽 ホムラ「今のを3セットね〜」
「無、無理ぃ・・・っ」

〇稽古場
  6日後・・・
  新人アイドルライブが明日に迫ってきた3人・・・
獅童 マイ「ここはこうした方が良いと思う」
大神 アスカ「あぁ。そしてここをこう・・・」
赤羽 ホムラ「うん、うんうん! すっごく良くなってるよ!」
赤羽 ホムラ「これで明日のライブも安心だね!」
獅童 マイ「1週間でやれなんて言われた時はどうなるかと思ったけど・・・」
大神 アスカ「続ければ案外何とかなるもんだな・・・!!」
赤羽 ホムラ「みんなが本気で取り組んでくれたからだよ。 ありがとう」
赤羽 ホムラ「さーて、あと2回通して今日は終わり!」
赤羽 ホムラ「じゃあ皆、気合を入れて頑張ろー!」
「おーっ!!」

〇コンサート会場
  新人アイドル大合戦ライブ 当日
アイドルA「あんたらありがとー!!」
アイドルB「ウチらのこともっと応援してよね!!」
アイドルA「じゃあ最後にみんなで アシッド〜・・・?」
会場のファン「デビル〜!!!!」
大神 アスカ「緊張するな・・・」
獅童 マイ「失敗しないかな・・・」
赤羽 ホムラ「大丈夫。みんな沢山練習頑張ったでしょ?」
  司会「次は期待の新人──『モンスター☆ガールズ』ですっ!どうぞ!!」
赤羽 ホムラ「さぁ、行くよ!!」

〇コンサート会場
赤羽 ホムラ「みんなー!初めまして〜!!」
赤羽 ホムラ「私、赤羽ホムラと・・・」
獅童 マイ「獅童マイだよ」
大神 アスカ「大神アスカだ!」
赤羽 ホムラ「この3人で『モンスター☆ガールズ』って言いまーす!よろしくお願いしま〜す!!」
  司会「これは確かに、期待の新人ですね・・・!」
  司会「それではモンスター☆ガールズさんで『撲滅!ヒーロー』です!どうぞ!!」
赤羽 ホムラ「〜♪」
獅童 マイ「〜♪♪」
大神 アスカ「〜♪♩」
  3人のパフォーマンスが終わった──
  ・・・
  会場からは大きな声援と惜しみない拍手が鳴り響く
赤羽 ホムラ「みんな、ありがとう!」
  会場「うおぉー!!」
  3人は大きな拍手に包まれて一礼した・・・

〇小さい会議室
プロデューサー「社長!!大変っスよ!!」
社長「朝からなんだね!こっちはテレビ局との仲良しごっこで忙しいんだ。後にしてくれ」
プロデューサー「いいから見るっス!」
  『新人アイドルライブにて期待の新人アイドル、モンスター☆ガールズ誕生!!』
プロデューサー「どこの新聞もこの前のアイドルのことしか取り上げてないんスよ!!」
社長「まさか本当に売れるとは・・・」
プロデューサー「自分も思ってたっス。しかしこれは・・・」
社長「大物の予感・・・だな」

〇小さい会議室
社長「今日君たちを呼んだのは他でもない・・・ 昨日のことについてだ」
赤羽 ホムラ「は、はい・・・」
社長「君たち、良くやったね!! 新聞も君たちの話題で持ち切りだよ・・・!」
赤羽 ホムラ「ありがとうございます!じゃあ・・・」
社長「あぁ。これからここで思う存分活動してくれていいよ」
赤羽 ホムラ「嬉しいです!」
社長「沢山仕事が来ているんだ」
赤羽 ホムラ「やらせてもらいます!」
社長「じゃあ、ニュース番組でこの前の歌とダンスをして欲しいんだよ」
赤羽 ホムラ「それくらいなら──」
社長「あとは面白いことも考えといてね」
赤羽 ホムラ「お、面白いこと・・・?」
社長「ただのアイドルじゃ人気なんてすぐに落ちる。今はアイドルも面白くなくっちゃね!!」
社長「じゃ、頑張ってね〜」
大神 アスカ「あのたぬき野郎、俺様達のこと舐めてんのか・・・?」
獅童 マイ「私もそう思う・・・」
赤羽 ホムラ「うーん、とにかく今日はバラエティ番組でも見て勉強しようか・・・」

〇可愛い部屋
赤羽 ホムラ「いらっしゃーい」
獅童 マイ「おっじゃま〜!!」
獅童 マイ「さて・・・と」
ラヴァ「ふぅ、疲れた・・・」
青獅子「まさかあんなに人気出るとは思ってなかったな・・・」
ルーヴ「これから俺様の美貌に気付いていく奴が増えていくのか・・・」
ラヴァ「明日が本番だ。何としてでも人気を出してやるぞ!!」
「おぉー!」
  5時間後・・・
ラヴァ「なんでやねん、いい加減にせい!・・・ ふむふむ、方言だと面白みが増すか・・・」
青獅子「やっぱりキャラ作りも大切だよな」
ルーヴ「いやいや、美貌こそ全てだ!!」
「お前は黙ってろ」
ルーヴ「はぁい」
  さらに5時間後・・・
青獅子「もう、朝だぞ・・・」
ルーヴ「このままじゃまずいぞ・・・?」
ラヴァ「あー、もう!やるしかねぇ! スベろうがなんだろうがアイドルだ!」

〇テレビスタジオ
ニュースキャスターA「朝のニュース、HELLOが7時をお知らせします!」
ニュースキャスターA「今回は、期待の新人アイドルが来てくれてます!」
ニュースキャスターA「モンスター☆ガールズの皆さんです!!」
赤羽 ホムラ「おはようございますっ! モンスター☆ガールズの赤羽ホムラです!」
獅童 マイ「獅童マイだよ〜・・・」
大神 アスカ「大神アスカだ!」
赤羽 ホムラ「よろしくお願いしま〜す」
ニュースキャスターA「これはこれは、可愛らしいアイドルですね!」
ニュースキャスターA「ちなみに、皆さんのご趣味とか伺ってもいいですか?」
赤羽 ホムラ「はいっ!私の趣味はアイドルのライブを見るのと運動することです!」
ニュースキャスターA「おぉ、健康的ですね・・・マイさんは?」
獅童 マイ「んー・・・マイはマシュマロを見るのが趣味かなぁ〜」
ニュースキャスターA「面白い趣味ですね!!・・・アスカさんは?」
大神 アスカ「俺様か?やっぱり鏡を見ることだな! この顔は毎日何時間見ても飽きない自信があるぞ!!」
ニュースキャスターA「おぉ、自信満々ですね・・・!」
ニュースキャスターA「では今日は先週あったアイドルライブで披露した曲をやってくれます!ではどうぞ!」
  彼女らの歌が終わった・・・
「ありがとうございました」
ニュースキャスターA「いやぁ、とてもいい曲ですね・・・! しかしこの曲、1週間で仕上げたというのは本当ですか?」
赤羽 ホムラ「えぇ。作詞作曲と振り付けは私たち3人で頑張って作ったんです!」
ニュースキャスターA「それはとても大変ですね・・・ ではこのまま次のコーナーも居てもらいますね!」
赤羽 ホムラ「はいっ!」

〇テレビスタジオ
  ディレクター「休憩入りまーす!」
赤羽 ホムラ「・・・疲れたね」
獅童 マイ「私、面白くできたかなぁ・・・?」
大神 アスカ「俺様も綺麗に映れてるかどうか・・・」
ディレクター「いやぁ、お疲れ様!!もうクランクアップだから上がっていいよ!」
赤羽 ホムラ「ありがとうございます」
ディレクター「いやぁ、昨日のライブ俺も実は行ってたんだよね・・・」
赤羽 ホムラ「そうなんですか!?」
ディレクター「うん。すごく可愛かったよ!これからも応援するからよろしくね」
赤羽 ホムラ「はい!もちろん!」

〇小さい会議室
  数ヶ月後・・・
  様々な苦難を乗り越えた3人。
  今や他ジャンルで活躍できるアイドルとして圧倒的な人気を誇っている・・・
社長「君たちを呼び出したのは今後の活動についてだ・・・」
プロデューサー「社長からの大事な話っスよ」
赤羽 ホムラ「は、はい・・・」
社長「これからもウチで活躍して欲しいな!」
赤羽 ホムラ「え、本当ですか?」
獅童 マイ「てっきり辞めろと・・・」
社長「君たちには期待してるよ。明日は武道館でのライブだ。頑張ってね」
大神 アスカ「あいつ、良い奴だったな」
獅童 マイ「でも私たち怪人だよ?騙したままでいいかな?」
赤羽 ホムラ「もう気にしなくていいでしょ」
大神 アスカ「ライブも近いし、」
赤羽 ホムラ「気合い入れて頑張ろう!」
「おー!」
  そして3人はアイドルとしてずっと愛されるのでした
  END

コメント

  • Q.怪人が社会に溶けこむにはどうしたらいいか?
    A.アイドル化
    世界は今日も平和だ!

  • いいですね、怪人からのトントン拍子のサクセスストーリー。3人のキャラも立っていて、展開の軽妙さも楽しませてもらいました。

  • 少し少しの努力の積み重ねがあって、アイドルになれるんですよね。大変な道のりです。これから活躍していくのが楽しみですよね。

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