《エデン》

草加奈呼

エピソード7.5 番外編ジェルバーンと愉快な仲間たち(脚本)

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草加奈呼

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〇要塞の回廊
  セ=シルの子孫の隠れ家
  番外編 ジェルバーンと愉快な仲間たち
ジェルバーン(興味本位でここに来てみたけど・・・)
ジェルバーン(女の子達もかわいいじゃないか♪ 特にあの子・・・)
ジェルバーン「はーい、彼女。 俺、ジェルバーンって言うんだ♪」
ウィル「え、僕・・・?」
ジェルバーン(ん・・・? ボクっ娘なのかな・・・?)
ジェルバーン(なんか、危険センサーを感じる・・・)
メイ「お兄ちゃん、もしかして、 ナンパされてるの?」
ジェルバーン「お、お兄ちゃん!?」
メイ「そうよ! これは! あたしのお兄ちゃんなの!」
ウィル「『これ』・・・」
ジェルバーン「あっ、でも、君もチャーミングだね。 名前を聞いてもいいかな?」
メイ「後でみんなと一緒の時に自己紹介するわよ! あと、あたし、チャラい男は苦手なので!」
ジェルバーン「チャラい、ねぇ・・・」
ジェルバーン(いいね。 元気なの、好きだよ)
ジェルバーン(男は放っておくとして・・・)
  端の方に、おとなしそうな子がいた。
ジェルバーン「はーい、彼女。 俺、ジェルバーンって言うんだ♪」
レスト「・・・レスト」
ジェルバーン「・・・・・・・・・」
ジェルバーン(・・・ん?)
ジェルバーン(もしかして今のは、 自己紹介してくれたのかな?)
ジェルバーン「・・・・・・・・・」
ジェルバーン(会話が続かない・・・)
ジェルバーン(とってもキュートなのに、 もったいない・・・)
  そのまた向こうに、小さな女の子がいた。
ジェルバーン「はーい、彼女。 俺、ジェルバーンって言うんだ♪」
エクスト「あなた、ここに何しに来たの? ナンパ?」
ジェルバーン「ナンパじゃないよー。セ=シルの子孫同士の親睦を深めようと・・・」
ジン「ほう。 じゃあ、俺との親睦も深めてもらおうか」
エクスト「ジン」
ジン「てめぇ、人の女に手ェ出そうとしてんじゃねぇよ」
ジェルバーン「い、いやだなぁ〜。 挨拶しただけじゃないか。」
ジェルバーン「そうかそうか、 君たちはそういう仲だったんだね」
ジェルバーン「・・・・・・」
ジェルバーン(あの男、ジンと言ったか)
ジェルバーン(彼女はきっと磨けば光る原石・・・。)
ジェルバーン(それを見越して、 今からお付き合いを・・・)
エクスト「ねぇ、あのジェルバーンって人、 きっと誤解したわよ」
ジン「あん?」
エクスト「あなたが、幼女好きだって」
ジン「あぁん!? んなわけねーだろ!!」
ジン「だいたいおまえ、 なんでそっちの姿で来たんだよ!」
エクスト「だって、こっちの方がラクなんだもの」

〇魔王城の部屋
  セ=シルの子孫の隠れ家
  
  会議室
レグルス「・・・さて、皆集まってもらったね」
レグルス「ここに来たという事は、君たちはセ=シルの子孫であり、すでに能力が開花していると言う事になる」
レグルス「私はレグルス。 闇の能力を受け継いでいる」
  レグルスを筆頭に、順番に自己紹介をした。
レグルス「さて、君たちに集まってもらったのは 他でもない」
レグルス「私の弟・・・カートが、 魔術の封印を解いてしまった事だ」
レグルス「カートは、風の能力を受け継いでいるが、能力が目覚める前に封印を解いてしまったらしい」
レイノス「それって、つまり?」
レグルス「魔術の封印が解かれたという事は、 アイ=リーンの子孫が魔術を封印するために動き出す」
レグルス「カートが封印される、つまり、我々セ=シルの子孫の『風』が失われるという事だ」
ジン「ちょっと待てよ。その、カートが 封印されるとどうなるんだ?」
レグルス「我々セ=シルの子孫の均衡は崩れ、 やがてゆっくりと消えていく事になる」
メイ「消えていくって・・・ 死ぬって事!?」
ジン「おいおい・・・冗談じゃねぇぜ!」
ジン「じゃあ、カートが封印されないように、 アイ=リーンの子孫をぶっ叩けば・・・」
エクスト「ちょっと、ジン、落ち着いて」
ウィル「ところが、そうはいかないんだよね」
レスト「どういう、こと?」
ウィル「魔術を封印しないと、この《エデン》 そのものが危ないんだ。」
ウィル「どっちにしろ、 僕たちの命は危ないってこと」
エクスト「そんな・・・」
ジン「レグルスさんよぉ、 弟の不始末、どうしてくれんだ?」
ジン「兄貴のあんたが! 責任を取るべきなんじゃないか!?」
レグルス「それについては、本当に申し訳ない」
レグルス「それで、皆に聞きたいのだが、」
レグルス「皆は、セ=シルの子孫の均衡が崩れるのも、《エデン》が危険になるのも、」
レグルス「どちらも避けたい、 という意見でいいだろうか?」
ジン「当たり前だろ!!」
  その場にいた全員が、うなずいた。
レグルス「皆の意見はわかった。 それならば、私の考えた案はこうだ」
  全員が、レグルスの案に驚き、固唾を飲んだ。
メイ「ええっと、でも、それは・・・」
エクスト「わかるんだけど・・・」
レスト「・・・どうやって?」
  特に、女子が難色を示した。
ジェルバーン(わかる。わかるよ・・・。 この作戦、めちゃくちゃ辛い・・・)
レグルス「我々が生き残る方法は、これしかないと 思っている。他に案があれば別だが・・・」
レグルス「意見がないようなら、 この案を近日中に実行する」
レグルス「それと、今後の事だが・・・。」
レグルス「どうやらこの中では私が年長者のようだし、私がリーダーという事でいいだろうか?」
ジン「おいおい、身内に不始末起こした奴が いるのに、でかいツラされてたまるかよ」
ジン「ここはひとつ、実力順といこうぜ、 レグルスさんよぉ」
エクスト「もうっ、 なんであなたはそう喧嘩腰なのよ?」
レグルス「実力順・・・か。」
レグルス「いいだろう、こちらで相手してやる」

〇要塞の回廊
ジン「ぐあっ!!」
ジェルバーン(一撃で・・・ 勝負あったな・・・)
レグルス「他に、勝負を挑む者は?」
レイノス「(・・・ふるふる)」
ジェルバーン(め、滅相もない!)
レグルス「では、私がリーダーという事で」
???「お待ちください」
エクスト「リーダーには興味ありませんが、 私と手合わせお願いします」
ジェルバーン(だ、誰だ!? あの見目麗しい女性は!?)
ジェルバーン(俺とした事が、見逃してた!?)
レグルス「ほう・・・君は、エクストか?」
ジェルバーン「エクストって・・・ あのスモールキュートな子!?」
ジェルバーン(お、俺とした事が、 その真の姿を見抜けなかったとはー!)
レグルス「いいだろう、かかってきなさい」
エクスト「・・・参ります!」
レグルス(ジンを仕留めた動きを・・・ かわしたか・・・!)
ジェルバーン「嘘だろ? 彼女、強いじゃないか・・・!」
ジン「エクストは、人の動きを読むのがうまい。 さっき、俺との戦いを見てたからな」
ジェルバーン(あんな一瞬の戦いで・・・!?)
ジン「パワーだけなら俺の方が上だが、 バトルセンスはエクストの方が上だ」
エクスト(ダメ元で、あの技を・・・!)
レグルス(焔のゆらぎを利用した、 一種の催眠攻撃・・・!)
レグルス(だが、闇の能力を持つ私には一切効かん!)
エクスト(やはり、この技は効かない! ・・・ならば!)
  焔と闇の波動が激しくぶつかり合い、
  そして────
エクスト「う、ぐっ・・・!」
レグルス「ここまでだ」
エクスト「・・・参りました」
レグルス「君は、冷静に周りを見る事ができそうだ。 副官を任せてもいいだろうか?」
エクスト「わかりました。 お引き受けいたします」
エクスト「わ、わっ、戻っちゃった!」
レグルス「はっはっは! 君の体質は面白いな!」
メイ「は〜っ、カッコいい、 レグルス様・・・」
レスト「カッコ、いい・・・?」
ウィル「まさか、彼女に動きを見せるため・・・?」
ジン「そ、そんなんじゃねーよ」
ウィル「まあ、どっちでもいいけど、 リーダーに敬意は払っておいた方がいいよ」
ウィル「尊敬できない相手に指示されても、 素直に聞けないでしょ?」
ジン「そうだな・・・。 って、おまえは呼び捨てじゃねーか」
ウィル「僕? 僕は、昔からの友人だからね♪」
ジェルバーン(リーダーに敬意は払っておいた方がいい、 か・・・)
ジェルバーン(そうだな。 俺もレグルス様って呼ぼうっと)
  番外編 おわり

次のエピソード:エピソード8 邂逅

コメント

  • わたしもジンは幼女好きなんだと思ってましたwww
    女性陣が難色を示す案がどんなものか、気になりますね。

  • ジェルバーンいいキャラですね🎵
    対立する側にもそちら側の理由と信念がある、という事がよくわかりました。

  • セ=リス側、結構大変なことになってた!!Σ(゚口゚;

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