《エデン》

草加奈呼

エピソード4 神具サンダーブレード(脚本)

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〇雪洞
  雷光山 神具のほこら
  雷光山に神具を取りに来た一行は、祠の前でセ=シルの子孫と思わしき人物に出会う。
  彼は、雷の神具を軽々と担いでいた。
  狙いは、神具なのか──?
紅蓮「な、なんだ おまえは一体・・・!?」
ジン「お察しの通り、俺はセ=シルの子孫」
ジン「どっかの馬鹿どもが、『闇の一族』なんて 揶揄してるものだよ」
ジン「そういうお前らは、 アイ=リーンの子孫だろ?」
  セ=シルの子孫が、神具と思わしき大剣を構える。
紅蓮「雷火、構えろ!」
  紅蓮と雷火も、剣を構えた。
  待って!
風華「カートは・・・カートはどこにいるの!? あなたは、カートの仲間でしょう!?」
紅蓮「風華、危ないから下がってろ!」
ジン「カート? ああ、あいつか」
ジン「魔術の封印を解くなんて、バカな事を したもんだ」
ジン「残念ながら、 俺はあいつを仲間と思った事はない」
ジン「ま、あの世で会えるんじゃねぇか!?」
紅蓮「・・・まずい!!」
  うわあっ!!
  きゃああっ!!
ジン「さすがにこいつは強いな・・・。 一振りでああなっちまうのか」
紅蓮「風華、大丈夫か!?」
風華「え、ええ・・・なんとか・・・」
「うっ・・・!」
紅蓮「風華、無理するな!」
紅蓮「くそっ・・・!」
ジン「おっ、やるか?」
ジン「大歓迎だぜ♪」
紅蓮「くっ!!」
紅蓮(俺は、親父から受け継いだこの剣を、 未だ使いこなせていない・・・)
紅蓮(だけど、やるしかねぇ!!)
紅蓮「雷火! もう一度行くぞ!!」
紅蓮「雷火!?」
風華「雷火が・・・いない!?」
ジン「はははッ! 尻尾巻いて逃げたか!?」
紅蓮「くそっ、俺1人でも・・・!!」
風華「紅蓮、私も戦います!」
  風華は、紅蓮が腰に下げていたもう一つの剣を持った。
紅蓮「風華、無茶だ!」
風華「私だって、剣術の心得くらい あります!!」
ジン「心得?」
ジン「はははははははは!!!!!!」
風華「何がおかしいのです!?」
ジン「心得程度で、 俺に勝てると思ってるのか!?」
ジン「実戦経験は? ましてや人を斬った ことなんてないだろう?」
ジン「温室育ちのお姫さんが、 出しゃばってんじゃねぇ!!!!!!」
ジン「来るなら、お得意の自然の能力で かかって来い・・・!!」
風華「それは・・・」
風華(私は今、 自然の能力を扱えない・・・!)
風華(足手纏いにしかならないんだわ・・・!)
風華「紅蓮、ごめんなさい・・・」
紅蓮「いや、いいさ」
紅蓮「元々1人で戦うつもりだったし それに──」
紅蓮「少しは、カッコいいところ 見せておかないとな!!」
紅蓮「・・・行くぜ!!」
紅蓮「はああああああああッッ!!!!」
ジン「ははははっ! なんだ、そのヘナチョコな炎は!」
ジン「俺の仲間の方が、よっぽど強いぜ」
ジン「ほらよっ、お返しだ!!」
「ぐはっ・・・!!」
ジン「なんだ、もう終わりか? つまんねーなぁ」
紅蓮「くそっ・・・! まだだ・・・!!」
風華(強い・・・!!)
風華(セ=シルの子孫は、宝玉を持たないはず なのに、なぜこんなに力量の差が・・・!?)
風華(やっぱり、神話のとおり神獣の力が 関係しているのかしら・・・?)
ジン「まだまだ行くぜ──」
「ジン、なにをやっているの!?」

〇雪洞
エクスト「まったく、 遅いから迎えにきてみれば・・・」
エクスト「まさか、任務を忘れたんじゃ ないでしょうね!?」
風華「こども・・・!?」
紅蓮「この子も、セ=シルの子孫なのか!?」
ジン「いやー、久々に暴れられると思ったら、 つい・・・」
エクスト「だいたい、レグルス様はそんな命令 してないでしょ」
ジン「わかってるって。 今からだよ、今から」
エクスト「あなたにまかせると不安だわ」
エクスト「私がやる」
ジン「えぇ〜」
エクスト「あなたが遊んでるからでしょっ!」
エクスト「私たちの狙いは──」
風華「・・・えっ?」
紅蓮「風華!!」
エクスト「遅い」
紅蓮「これ・・・は・・・」
風華「焔の、ゆら・・・ぎ・・・?」
風華(いけ・・・ない・・・意識が・・・)
エクスト「ごめんなさい・・・ しばらく、眠っていてね・・・」
ジン「さて、お姫様を連れていきますかね・・・」
エクスト「・・・そうね」
ジン「お姫様を攫うなんて、悪役みてーだな!」
エクスト「・・・いくわよ」
  セ=シルの子孫たちは、風華を連れ去り
  姿を消した──

〇雪洞
「う・・・う・・・ん」
紅蓮「だーーーーッッ!! 寒ぃーーーー!!!!」
紅蓮「風華は!?」
紅蓮「雷火は!?」
紅蓮「まさか・・・あいつらに連れ去られた!?」
紅蓮「クソッッ!!!! 守れなかった・・・!!!!!!!!」
紅蓮「・・・ん?」
紅蓮「神具を置いて行った・・・?」
紅蓮(奴らの目的は、 最初から風華だったのか・・・)
紅蓮(でも、一体なぜ・・・?)
紅蓮「よし、サンダーブレード! 雷火のところへ連れて行ってやるから」
紅蓮「俺と一緒に山を降りよう!」
紅蓮「くそっ、雷火じゃないとダメか・・・!?」
紅蓮「負けるか!」
紅蓮「うおおおおおおおおお!!!!!!!!」
紅蓮「うわっ!?」
  重かった剣が急に軽くなり、紅蓮は雪の上を華麗に転がっていった。
紅蓮「はははっ! しばらくよろしくな!」
  サンダーブレードが、静かに答えたような気がした。

次のエピソード:エピソード5 セ=シルの子孫

コメント

  • 雷火どこ??
    何かやってくれそうですね!

  • 風華ちゃん~~~っ💦
    紅蓮、雷火頼んだよっ!!!

  • おおー、バトルシーンの参考になりました♪(^▽^
    雷火くんに期待!

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