第五話 あいつは?(脚本)
〇古い倉庫
美奈!
高橋美奈「力君!」
松岡力「このバケモンが!」
ゾン「うが!」
松岡力「美奈!大丈夫か!」
高橋美奈「う、うん」
松岡力「なんだこいつ・・・」
松岡力「変なブレスレットなんかつけやがって」
高橋美奈「怖かった!」
松岡力「心配するな」
松岡力「俺が守ってやるから」
高橋美奈「うん」
松岡力「おい、こいつが起き上がってくる前にいくぞ」
ビー「おい、大丈夫か」
ゾン「あぁ、なんとか 顔じゃなかったからな」
ビー「あいつ、なんなんだ?」
ゾン「・・・・・・」
ビー「ちょっと追いかけてみよう」
ゾン「え、ちょっと待ってよー」
〇古いアパート
高橋美奈「はぁはぁ」
松岡力「ここならもう大丈夫だろ」
高橋美奈「よかった!」
松岡力「あ、そうだ!これ」
高橋美奈「いつもありがと」
松岡力「気にすんなって、そんなことよりも」
高橋美奈「うん」
松岡力「なぁ、美奈、中央地区に来いよ」
高橋美奈「え・・・」
松岡力「一緒にいた方が安全だよ」
松岡力「それに中央地区の警備は完璧だから」
高橋美奈「だめ、お母さんを置いていけないよ」
松岡力「そうだけど・・・」
松岡力「でもこうやって週一回こっそり会うのも いつまで出来るか」
高橋美奈「・・・・・・」
松岡力「俺はさ、美奈のことが心配で」
高橋美奈「うん、わかってる、でも・・・」
松岡力「そうか、わかった」
松岡力「じゃあ俺行くわ」
松岡力「いつでも来いよな」
高橋美奈「うん、力君」
松岡力「美奈・・・」
高橋美奈「いつも、ありがと」
松岡力「あぁ!」
ゾン「・・・・・・」
〇汚い一人部屋
ゾン「あーーー!!」
ビー「いやいや、あのさ」
ゾン「やっぱりーやっぱりー」
ビー「ほら、まだ彼氏って決まった訳じゃ」
ゾン「もういいよ。ゾンビの言葉は人には通じない。 どうせ最初から無理だってわかってたよ」
ビー「ゾン・・・」
ゾン「結局、ゾンビが人間を好きになっちゃいけないんだよ」
ビー「・・・・・・」
ゾン「・・・・・・」
〇古い倉庫
ビー「ここももう、人っ子一人いないか・・・」
ザザッ
ビー「ん?」
ビー「あいつは?あ!」
高木重美「で、あの子とは上手くやってるの?」
松岡力「あぁ、あいつのお陰で食えたんだ」
高木重美「ただのビタミン剤を薬だと渡して?」
松岡力「ま、そのお陰であいつはどこかから食料を調達してくる」
高木重美「たかが病気の母親の為に危険な目にあってまで、探してくるもんかねぇ」
松岡力「こんな時代は、頭使って生きていかないとな」
高木重美「あんたろくな死に方しないね」
松岡力「ま、ゾンビになるよかマシだよ」
高木重美「まぁ、そうだけどー」
松岡力「いくぞ」
ビー「マジか」
〇汚い一人部屋
ゾン「はぁ〜もう、どうでもいいや」
ビー「おい!あいつ、襲ってやろうぜ」
ゾン「あいつって?」
ビー「あのクソ男だよ」
ゾン「だからもういいって」
ビー「あの子は騙されてる」
ゾン「え?どういうこと?」
ビー「実はさ、さっき見ちゃったんだよ」
〇汚い一人部屋
ゾン「そんな・・・・・・」
ビー「だからさ、あいつをやっちまおうよ」
ゾン「・・・いや、それはダメだよ」
ビー「なんで!?」
ゾン「そんな男でも今の彼女には必要な男だ」
ゾン「そいつがいなくなると、彼女が悲しむよ」
ビー「そんなこと言ってる場合かよ!」
ゾン「でも・・・」
ビー「お前がいかないなら、俺一人でもいくからな」
ゾン「・・・・・・」
〇古い倉庫
高橋美奈「これ、少ないけど、食料」
松岡力「いつもすまないな、危険な目にあってまでこんなにも・・・」
高橋美奈「ううん。お母さんの薬をいつも持ってきてもらってるんだもん」
松岡力「美奈、ありがとう」
高橋美奈「いつまでもここにいたら危険だから 中に入ろ」
松岡力「あ、先に行っててくれ 後で行くから」
高橋美奈「どうして?」
松岡力「うん・・・ちょっとな」
高橋美奈「わかった!」
食料ゲット!すぐに取りに来い
松岡力「あ!」
〇古いアパート
高木重美「もうそろそろかなぁ〜」
高木重美「お、きたきた」
高木重美「はい、ご苦労さん〜」
「助けてくれー!!」
高橋美奈「え!?今の声!」
高木重美「ん?もしかして?」
〇古い倉庫
松岡力「くそ!バケモンが!」
ビー「うわぅぅうー!」
松岡力「わーー!」
松岡力「くそ!大事な食糧が!」
松岡力「お前のせいで落としちまったじゃねぇかよ」
松岡力「こうなったらやってやるよ!」
松岡力「くらえ!」
ビー「う!」
松岡力「どうだ!」
ビー「うぅぅぅー!」
松岡力「くそが!」
ビー「うがががー!」
松岡力「うわー!」
ビー「うががが・・・」
松岡力「誰かー!助けてくれー!」
ビー「うぅ・・・」
高橋美奈「はぁはぁ」
松岡力「美奈!」
高橋美奈「力君に手を出すな!」
松岡力「美奈、ありがとう!」
高橋美奈「早くいこ!」
ビー「痛ってぇ・・・」
ゾン「大丈夫か?」
ビー「ゾン・・・」
ゾンビが人間の話を盗み聞きするなんて聞いたこともない描写に驚きました!なるほど面白いです🤣
また続きも読ませていただきます!