第十話「襲来」(脚本)
〇学校の屋上
彩音さんと会った翌日、
俺と春斗は作戦会議をしていた。
城井奏太「まさか、彩音さんが近所に住んでて、 俺とセナのことを知ってたなんて」
高島春斗「お前、運命感じてんじゃないだろうな?」
高島春斗「ダメだぞ。 彩音さんは俺の運命の相手だから」
桐島彩音「あのさ、 勝手に運命の相手にしないでくれる?」
高い所で足をブラブラさせていた
彩音さんが飛び降りた。
城井奏太「彩音さん!」
高島春斗「な、なんでここに!?」
桐島彩音「同じ学校なんだから、 別にいてもおかしくないでしょ?」
城井奏太「まあ確かに・・・」
桐島彩音「それより、私も協力するわよ。 例のパラレルワールドに行く話」
城井奏太「え・・・?」
高島春斗「まさか俺のために──」
桐島彩音「なわけあるか!」
城井奏太「でもなんで?」
桐島彩音「正直、まだ半信半疑なところもあるけど・・・あんたの真剣な目を見てたら、 なんか放っておけないなって」
城井奏太「・・・・・・」
桐島彩音「それでさ、考えたんだけど、 あんたが最初に向こうに行ったときって、 不良に襲われた時だったんでしょ?」
城井奏太「うん」
桐島彩音「ていうことはさ、あんたに命の危険が 迫っていれば、パラレルワールドへの 扉が開くんじゃないの?」
高島春斗「そんなまさか・・・」
城井奏太「いや・・・そうか、そうだよ!」
俺はフェンスをよじ登った。
高島春斗「! な、何してんだ!?」
城井奏太「飛び降りてみる!」
桐島彩音「はあ!? バカなの?」
城井奏太「前に不良に絡まれたとき、 セナの声が聞こえたんだ」
城井奏太「今思えば、あの時セナは俺のことを 助けてくれたのかもしれない」
高島春斗「確証はどこにもねえだろ?」
城井奏太「でも、今だってもしセナが俺を見てるなら 助けてくれるはずだろ!?」
高島春斗「助けなかったらどうすんだ!?」
息をいっぱいに吸い込み、
空に向かって叫ぶ。
城井奏太「セナ! どこかで俺のこと見てるんだよな!? だったらまたそっちに行かせてくれ!」
そう言いフェンスのてっぺんに
足をかける。
「・・・・・・!!」
教師「全生徒に連絡します。 今から至急体育館に集まってください。 繰り返します──」
城井奏太「・・・全生徒?」
桐島彩音「何かあったみたいだし、先に体育館 行ってからでもいいんじゃない?」
城井奏太「それは、まあ・・・」
諦めてフェンスから降りる。
高島春斗「でも今の放送なんだろ? なんか変じゃなかった?」
桐島彩音「さあ、変質者でも出たんじゃない?」
高島春斗「なに!? だったら俺が彩音さんを 家まで送り届けて──」
桐島彩音「とりあえず体育館行こうよ。奏太」
城井奏太「・・・う、うん」
高島春斗「え? てか彩音さん、 いまさらっと奏太って呼んでなかった!?」
桐島彩音「それにしても、奏太って案外、 無鉄砲なところあるよね」
高島春斗「無視!? 俺は完全に無視!?」
〇体育館の舞台
体育館には多くの生徒が集まっていた。
高島春斗「何がどうなってんだ?」
城井奏太「いや、俺が聞きたいよ」
しばらく世間話をしていると、
深刻な顔をした教師が檀上に登った。
教師「単刀直入ですが、 本日からしばらく休校とします」
教師「昨日から、集団失踪事件が 起きている可能性があります」
教師「本日は、担任の指示に従い、 集団で下校してください」
高島春斗「ど、どういうことだよ? これ」
城井奏太「集団、失踪・・・?」
神崎セナ「逃げろ・・・!」
城井奏太「・・・・・・?」
神崎セナ「奏太、逃げるんだ!」
城井奏太「今のは!?」
高島春斗「どうしたんだよ、急に」
城井奏太「今、セナの声がしたんだ! 聞こえなかったのか!?」
高島春斗「は? 何言ってんだよ?」
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まさかのデフィジョンが来てしまった?!これは、驚きました!!でも、奏太が彩音さんをかばってる!?今度こそ救えるのか、気になります!!