第四話 ライバル(脚本)
〇汚い一人部屋
ゾン「どれも捨てがたいな」
ビー「いやさ、違和感持とうよ」
ゾン「うーん」
ビー「うーんじゃないよ」
ビー「どこに悩んでんだよ」
ゾン「やっぱこれかな?」
ゾン「雑誌もオススメしてたし」
ビー「は、はぁ」
ビー「で、どうするの?」
ゾン「明日、家に行ってみる」
ビー「そうか、気をつけろよ」
〇古いアパート
ゾン「たしかここだったよな?」
ゾン「よし!」
〇古いアパートの部屋
ゾン「ごめんくださーい」
・・・・・・
ゾン「って、俺らの言葉通じないか」
ゾン「たしか、前は押し入れの中に隠れてたような」
・・・・・・
ゾン「やっぱいないか・・・」
ゾン「ん?これは」
高橋佳子 美奈 西地区へ移転
ゾン「え?」
〇汚い一人部屋
ゾン「はぁ〜」
ビー「そっか・・・」
ゾン「まぁ、そうだよな」
ビー「大丈夫だって!また会えるさ」
ゾン「そうかなぁ〜・・・」
ビー「ほら!前にも偶然見かけたじゃん! だからさ!」
ゾン「うん・・・だといいけど」
ビー「あ!そうだ!」
ゾン「え?」
ビー「前にさ、見かけたところに行ってみたらどうかな?」
ゾン「・・・・・・」
ゾン「うん」
〇古い倉庫
ゾン「えっと・・・」
ゾン「たしかこの辺りだったよな」
ビー「そうそう、たしかドアのみたいなものがあったような」
ガチャ
ビー「あった!ここだ!」
ゾン「どうしよ」
ビー「よし!中に入ってみよう」
ゾン「う、うん」
〇古いアパート
ビー「こんなところに仮設住宅があったなんてな〜」
高橋美奈「はやく戻らなきゃ!」
ゾン「あ!いた!」
ビー「え?どこどこ?」
ゾン「ほら、あっちの方」
バキューン!
おい!ゾンビがいたぞー!
ビー「やべ!逃げるぞ!」
〇汚い一人部屋
ビー「たぶん、あそこに住んでるみたいだな」
ゾン「うん」
ビー「ってか、あんなところに人間の住む場所が あったなんてな」
ゾン「なぁ!」
ビー「ん?」
ゾン「あそこに人間が住んでる事・・・」
ビー「あぁ、わかってるよ」
ゾン「・・・・・・」
ゾン「なぁ、俺らと人間、共存って出来ないのかなぁ?」
ビー「はぁ?何言ってんの?」
ビー「お前、あの子のせいでおかしくなったか?」
ゾン「じゃあさ、なんで人間を襲うんだよ」
ビー「それは・・・」
ビー「向こうが襲ってくるからだよ」
ゾン「でも向こうは、俺らが襲ってくるからって 言うと思うよ・・・」
ビー「それは・・・」
ゾン「結局、鶏と卵みたいなもんだよ どっちもおかしい」
ビー「でも、そうしないと俺らも生きていけないんだよ」
ゾン「・・・・・・」
ビー「悔しいけど、俺らも上の命令を聞かないと 生きていけないんだよ」
ゾン「そうだけど・・・」
〇古い倉庫
ゾン「はぁ〜」
ゾン「あ!」
高橋美奈「誰もいないよね」
ゾン「・・・・・・」
〇アパートのダイニング
高橋佳子「美奈、どこに行ったの・・・」
高橋美奈「お母さん!」
高橋佳子「美奈、どこに行ってたの」
高橋美奈「持ってきたよ、はい」
高橋佳子「あ、ありがとう」
高橋佳子「ねぇ、美奈」
高橋美奈「ん?何、お母さん」
高橋佳子「いつもどこで手に入れてるの?」
高橋美奈「え、それは・・・」
高橋美奈「・・・お母さんは気にしないで」
高橋佳子「あなた、もしかして危険な目にあってまで・・・」
高橋美奈「違うよ!お母さんが病気だって言ったら 支給してくれてるのよ」
高橋佳子「そう、ならいいんだけど」
〇汚い一人部屋
ゾン「はぁ〜」
ビー「なぁ!」
ゾン「ん?なに?」
ビー「今日あたり気合い入れて行ってみたら?」
ゾン「なんで?なんで今日なの?」
ビー「うん、前にあの子を見かけたのも、初めて お前があったのも、金曜だったからさ」
ゾン「あ、そっか」
ビー「だから、もしかするかもって思って」
ゾン「なるほど、わかった!」
〇古い倉庫
ゾン「ふぅ〜」
ビー「ま、これで少しはマシになるかな」
ゾン「ありがと」
ビー「頑張れよ!」
ゾン「あ!きた!」
ビー「行けよ!」
ゾン「う、うん」
ゾン「えっと・・・」
高橋美奈「まだかな・・・」
高橋美奈「は!ゾンビ!」
ゾン「あ、うぅぅぅ」
高橋美奈「え!?来ないで!」
ゾン「あ・・・あ、ぅぅ」
高橋美奈「た、助けてー!」
高橋美奈「神様ー!」
ゾン「あ、うぅぅぅ」
ゾン「あ、これぅぅぅ」
高橋美奈「あ・・・あ・・・」
高橋美奈「た、たすけてー!」
美奈!
高橋美奈「力君!」
松岡力「このバケモンが!」
ゾン「うが!」
松岡力「美奈!大丈夫か!」
高橋美奈「う、うん」
松岡力「なんだこいつ・・・」
松岡力「変なブレスレットなんかつけやがって」
高橋美奈「怖かった!」
松岡力「心配するな」
松岡力「そんなことよりも」
松岡力「こいつが起き上がってくる前にいくぞ」
ビー「おい、大丈夫か」
ゾン「あぁ、なんとか 顔じゃなかったからな」
ビー「あいつ、なんなんだ?」