求めてない生存者(脚本)
〇黒
『あの夫婦、結婚したばかりだって──』
『ウソ──、可愛そう──』
〇病院の診察室
医師「神野さん、こちらが 再検査の結果になります・・・」
医師「結果は・・・」
医師「癌を再発しています・・・」
神野ツカサ「せ、先生・・・」
神野ツカサ「治るんですよね!!」
医師「──残念ですがガンの進行が早く 何もしなければ奥さまの余命は1年」
「・・・」
神野ツカサ「先生!なんでもします! 妻を助けて下さい!」
医師「もちろん最善を尽くします!」
カナコ「ツカサ君・・・」
「カナコ・・・」
カナコ「・・・」
〇黒
〇岩山
矢柄 鉄「いつまで寝とるんじゃ、ワレ!!」
神野ツカサ「うわ!冷たい!!」
矢柄 艶「ゲラゲラゲラ! ビックリしてるよ鉄ちゃん!!」
矢柄 艶「ムシャムシャ!ゴクゴクっ!!」
神野ツカサ(アレは俺らの食料!?・・・)
神野ツカサ(なんだコイツらは!? あれ!?両腕をガムテープで ぐるぐるに巻かれている!)
神野ツカサ(ここは!?どこだ・・・)
神野ツカサ(うっ!? 頭が痛い!! 確か俺は誰かに殴られて・・・)
神野ツカサ(そうだ!? アヤトは!!・・・)
神野ツカサ「アヤト・・・俺の子供をどこにやった!」
矢柄 鉄「じゃかましいわ! ガキ(子供)なんか知るか!!」
矢柄 艶「アンタの子はねぇ〜 この先の場所で・・・」
矢柄 鉄「艶〜、余計な事は言わんでええ!!」
矢柄 艶「ヒッ!!ごめんなさい・・・」
神野ツカサ「な!なんて事をするんだ!!」
矢柄 鉄「アホかワレが話しかけたから 艶が叩かれたんやないかい!」
矢柄 鉄「どないしてくれんねん!!」
神野ツカサ(この男・・・無茶苦茶だ!話が通じない!?)
神野ツカサ「子供は無事・・・なんだな!?」
矢柄 鉄「ガキが気になるか・・・」
矢柄 鉄「なぁ、 あんた、この小判をどこで見つけたんや?」
矢柄 鉄「それさえ言ってくれれば 命までは取らへんで」
矢柄 鉄「・・・」
矢柄 鉄「ワシはアホやけどな 金のなる話だけは頭がええんや」
矢柄 鉄「滋賀には埋蔵金の話が沢山あるんや 本能寺の変って知ってるやろ?」
矢柄 鉄「信長を本能寺の変で討った明智光秀の家臣が信長の本拠地・安土城にあった 多額の”黄金”を琵琶湖に隠した説がある」
矢柄 鉄「もう、わかるやろ・・・ コレはその小判に間違いない!」
矢柄 鉄「・・・」
矢柄 鉄「・・・さっき、いきなり殴ったのは 地底人やと思って殴ってしまったんや」
矢柄 鉄「普段は気のええおっさんやで、なぁ艶──」
矢柄 鉄「いつまでも泣いてなよ!!」
矢柄 艶「ヒッ!!」
矢柄 鉄「なぁ、ガキを返したるさかい 教えてくれんか?」
神野ツカサ(いきなり殴りつけてくるような奴だ・・・)
神野ツカサ(素直に話した後は 何されるかもわからない・・・)
神野ツカサ(・・・)
神野ツカサ「・・・わかった、だから暴力は辞めてくれ」
矢柄 鉄「そうかそうか、ありがとうな〜」
神野ツカサ「小判を見つけたのは息子だ! ただ、そこにたどり着く道は 俺しか覚えていない!」
矢柄 鉄「つまりガキが必要って訳か・・・」
矢柄 鉄「しゃーないな・・・」
矢柄 鉄「おい、艶!!ガキを連れて来い!」
矢柄 艶「うん、わかったわ・・・」
矢柄 鉄「んで、お前らは、コテージにいた 宿泊者でいいんか?」
神野ツカサ「そうだ俺等は宿泊者だ! アンタ等もそうなんだな!?」
矢柄 鉄「ふーん、そしたら仲間が 後、最低でも1人はおるやろ?」
神野ツカサ「あと2人いる、 今は土や石の下だが・・・」
矢柄 鉄「ほう・・・ほら残念やな・・・」
矢柄 艶「て、鉄ちゃん、大変!!子供がいない!」
矢柄 鉄「なんやと!!」
〇岩山
矢柄 艶が探しにくる10分前
神野アヤト「・・・ん う、うん・・・」
神野アヤト(痛っ!・・・ここは・・・どこ・・・)
神野アヤト(確か、とーちーが襲われて・・・)
神野アヤト「とーちーは?どこだ!?」
神野アヤト(あっちから話し声がする!! とーちーかも!? いかなきゃ!!)
神野アヤト「いってー!なんだ!?」
神野アヤト「両手がガムテープでまかれてる!? なんだよー!!」
神野アヤト(くそー!取れない! ええい!このまま移動だ!!)
神野アヤト(ハァハァ・・・ 手が自由じゃないだけで こんなに不自由なのか・・・)
神野アヤト(あそこの岩影から覗いてみよう・・・)
〇岩山
矢柄 鉄「お前はガキの1人も見てられんのかい! イライラさすな、向こうにいってろ!」
神野ツカサ「おい!暴力はやめろ!」
矢柄 鉄「なんやとぉー!? オドレは立場考えてもの言えやー!!」
矢柄 鉄「!?」
矢柄 鉄「あぁ、あぁ──」
矢柄 鉄「そうやなぁ、暴力はあかんなぁ──」
矢柄 鉄「・・・」
矢柄 鉄「オラァー!くそガキ!! いるならすぐ出て来い!!」
矢柄 鉄「今から10秒数える!!」
矢柄 鉄「出てこんとお前の親父の指を・・・」
矢柄 鉄「10秒ごとに1本折る!!!!!!!!!!」
矢柄 鉄「矢柄 鉄『いーち』」
〇岩山
神野アヤト「とーちーの指が折られる!?」
矢柄 鉄『にぃー』
神野アヤト「出て行くか? このまま隠れるか?」
矢柄 鉄『さぁーん』
神野アヤト「どうする、どうする?」
矢柄 鉄『しぃー』
神野アヤト「このまま出ても捕まるだけだ・・・」
矢柄 鉄『ごぉー』
神野アヤト「立ち向かっても腕力の差が違う・・・」
ツカサ『アヤトいるなら逃げろー!』
神野アヤト(と、とーちー・・・)
ツカサ『お腹空いてても変な女がお前の
”ボロボロ”崩れ落ちる菓子を食べてしまって、ここにはもう無いぞー!』
矢柄 鉄『何、勝手に喋ってんねんワレ!』
神野アヤト(とーちー!?)
神野アヤト(逃げろってどこにだよ!?)
神野アヤト(なんだよ、 ”ボロボロ”崩れ落ちる菓子って・・・ 今、言うことかよ・・・!?)
神野アヤト(いや、今言うことじゃ無い・・・ ボロボロ落ちる・・・逃げる場所・・・)
神野アヤト(・・・)
神野アヤト「・・・まさか、とーちー コレを伝えるためにワザと・・・!?」
矢柄 鉄『続き言うぞ!ろーく』
神野アヤト(やる・・・やるしかない!!)
矢柄 鉄『しぃーち』
神野アヤト(動け、動け!俺の足!)
矢柄 鉄『はぁーち』
「ま、まてー!!」
〇岩山
まてー!!
神野アヤト「お、俺はここだ!!」
矢柄 鉄「やっぱり隠れていやがったか・・・ この辺りにいると思ってたよ」
神野ツカサ「ア、アヤト・・・」
神野アヤト「今から助けを求めてくるからな!」
神野アヤト「お前等なんかに”金塊”は渡さないぞ!!」
矢柄 鉄「何、”金塊”やて!?小判だけやなくて?」
矢柄 鉄「あるんか!?あるんやな!!」
神野アヤト(とーちー、待ってて)
矢柄 鉄「ま、まて!!」
矢柄 鉄「艶〜!! 何しとる戻ってこい! ガキんちょを捕まえるぞー!!」
〇薄暗い谷底
神野アヤト「ハァ、ハァ・・・」
「ゼー、ゼー・・・」
矢柄 鉄「もう逃げられんぞガキがー 手間かけさせやがって・・・」
神野アヤト(とーちーは言ってた・・・ カルサイトは崩れやすく 濡れてる場所は2人だと危険だと・・・)
矢柄 鉄「艶〜、そっちから回り込め〜! きつ〜い、お仕置きじゃ〜!!」
神野アヤト(じゃあ3人ならどうなる?)
矢柄 艶「お仕置き!ゲラゲラゲラゲラ! さぁ、捕まえるわよ!」
矢柄 鉄「それ!! 飛びかかれ!」
〇壁
矢柄 鉄「な!なんじゃ!!」
矢柄 艶「え、え、え?」
神野アヤト「そこ!」
「その足元に”金塊”が埋まってるよ!」
矢柄 鉄「なんやて、この下に!!」
矢柄 艶「え?どこ?どこ?」
「うわー!!」
2人でも危ないと言われた場所に
子供をいれて3人が集中した
ただ運が良かっただけかも知れないが
水に濡れていたカルサイトは砕けやすく
2人は見事に下に落ちていった
〇薄暗い谷底
神野アヤト「ハァハァ・・・」
神野アヤト(あれ?あっちからヒョコヒョコ 歩いてくるのとーちー?)
神野ツカサ「ハァハァ・・・」
神野ツカサ「アヤト・・・無事か!?」
神野アヤト「とーちー・・・」
神野アヤト「やったよ! あの2人カルサイトの 落とし穴に落ちていったよ!」
神野アヤト「とーちー、あのヒントわかりにくいわ」
神野ツカサ「・・・」
神野ツカサ「ちゃんと俺の話聞いててくれたんだな お前って奴は・・・」
神野ツカサ「アヤトが理解してくれてなきゃ 今頃どうなってたか・・・」
神野ツカサ「・・・」
俺もとーちーも移動しながら両手の
ガムテープを取ろうとしていた
手首と肘の間まで
中途半端に取れていた状態だが
とーちーが無言で拳をつきだしてきた
神野アヤト(・・・)
俺も無言で拳を突き出す
神野ツカサ「ありがとう!!」
神野アヤト「まーね!!」
神野ツカサ「さて・・・ さっきの場所に 俺達の道具を拾いにいこう」
神野アヤト「そうだね・・・、こっちだよ!!」
〇魔界
矢柄 鉄「いたたたた・・・」
矢柄 鉄「あのくそガキがー!! しばくだけやすまんぞ──!!」
矢柄 鉄「ちっ、2メートルくらいの高さはあるな 艶〜、そこに跪け!!」
矢柄 艶「ひっ!!」
矢柄 鉄「なんや、いやなんかい!」
矢柄 艶「違う・・・鉄ちゃんアレ何!?」
ズズッ・・・
〇魔界
ズズッ・・・ズズッ・・・
ファッ⁉︎
琵琶湖の底にモンスターが!?
一体、この現象の正体はー!?
おもしろくなってきました!😆
わだかまりありながらも、やっぱり親子の絆ですね😭
今度は謎の生物!全く飽きさせない展開に続きが楽しみです!
この現象を引き起こした超自然的な能力を持ってる黒幕の匂いを感じますね。あの2人に怪物をどうにか出来るとは思えませんが果たして…