見習いリリカの悪魔契約

三雲ユウリ

7話 見習い悪魔、遊園地に行く(脚本)

見習いリリカの悪魔契約

三雲ユウリ

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〇高い屋上
リリカ「いやあっつ・・・」
リリカ「人間界暑すぎでしょ。6月ってこんなに暑いの?」
リリカ「トウマ来るかなぁ・・・屋上って言ったのミスったかも」
リリカ「トウマ!」
リリカ「来てくれたんだ」
トウマ「そりゃ来いって言われたし」
リリカ「いやまぁ・・・そうなんだけどぉ・・・!」
リリカ(あたし既読無視しちゃうし最近忙しそうだしで来るか不安だったというか・・・!)
トウマ「でなに?用件」
リリカ「えーーっと そのぉ・・・・・・」
リリカ「遊園地!!行かない?」
トウマ「・・・は?」
リリカ「いやこれ入園チケットで・・・行かないともったいなくて・・・」
トウマ(いや挙動不審すぎるだろ)
トウマ(遊園地なぁ・・・)
トウマ(確か昔・・・)

〇おしゃれなリビングダイニング
長谷川母「トウマ。カナちゃんって大袈裟に転んだり人に合わせられなかったり」
長谷川母「周囲の方に迷惑ばかりかけているみたいね」
長谷川母「トウマは・・・そんな子じゃないわよね?」
長谷川父「アレの育て方が悪いんだろうな。塾の成績が落ちたと聞いた」
長谷川父「たかが中学生で落ちこぼれていてどうする」
  違う・・・!みんなを悪く言うのはやめてくれ
  成績だって、上がった科目もある
長谷川母「・・・」
  視線が冷たかった。それをもう見たくなかった
  ──それに
長谷川母「トウマ!先生が褒めていらしたわよ」
長谷川母「問題を起こさないどころかクラスを纏めてくれる、ですって」
長谷川母「流石ね。自慢の息子だわ」
長谷川父「模試の成績は良かったらしいな」
長谷川父「よくやった」
  笑ってくれる時がある。どうして笑ってくれるかなんて明白で
  ──望まれる自分になればいいんだ
  母さんが。父さんが。先生が。みんなが。
  『俺にどうしてほしいか』がわかる
  その通りにすればいい。そうすれば──
  誘ってくれてありがとう。ごめん。リュウト、カナ。
  怠惰に遊ぶ俺は、求められてない

〇高い屋上
トウマ(昔は何回か誘われたけど、結局行くことはなかったな)
リリカ「その・・・あの!」
リリカ「カナや横山と話してて・・・昼から数時間だけ、勉強会ってこととかにして」
リリカ「そうしたら、何も言われないかなって・・・」
リリカ「四人で遊んでみたいの」
トウマ(あーこれは・・・)
トウマ(こんなトンチキな奴に気を使わせるなんてな)
トウマ「別に、それくらいならいい」
リリカ「ほんと?!」
リリカ「ありがとう!二人にも連絡する」
リリカ(遊園地、楽しみかも!)

〇遊園地の広場
  数週間後、週末──
リリカ「遊園地ーー!」
トウマ「うわうるさっ・・・」
トウマ「テンション高すぎだろ」
リリカ「だって初めて来たんだもの」
リリカ「観覧車乗りたいなぁ観覧車」
リリカ「どうしてあんなゆっくりなのに高いところまで行くのかしら?」
トウマ「あっちには無いのか?」
リリカ「んー、似たようなのはあったけど・・・ちょっと違うし、行ったことないしね」
リリカ「昔暴走して以来センセーと田舎暮らしだし・・・」
リリカ「遊ぶための施設って初めてかも!ワクワクするわ」
トウマ(・・・!)
トウマ「そう。俺も同じだ」
リリカ「じゃ、遊園地初心者組ね」
カナ「あ、二人とも〜」
リリカ「あ、良かった合流できて」
リリカ「園内が広すぎて訳分からなかったのよ」
リュウト「突然現地集合とか言ってすまないな」
カナ「バスに・・・乗り遅れまして・・・」
リリカ「全然気にしてないわ。ね、トウマ」
トウマ「あぁ」
リリカ「それより行きましょ!観覧車乗りたいの あ、先にジェットコースターかしら?」

〇ジェットコースター
リリカ「すごい!こんなに速度が出るなんて・・・!」
トウマ「落下途中に喋ったら舌噛むぞ」
カナ「あわわわわわ・・・」
カナ「やっぱりここのジェットコースター勢い凄いなぁ」
リリカ「カナも喋ってるわよ?」
トウマ「あれは喋ってると言うか・・・」
トウマ「って、うわ」

〇遊園地の広場
トウマ「話には聞いていたけどぶっちゃけ速度が早すぎる・・・」
リュウト「そうか?俺はあれくらいがちょうどいいんだが・・・」
カナ(・・・これだ!)
カナ「ねぇねぇ、私ジェットコースターもう一回乗りたいなぁ」
リリカ「もう一回?良いわね、楽しそう」
カナ「リュウトくん・・・!」
リュウト「あ、あー。美桃とトウマはあんまここ来たことないんだっけ?」
リュウト「ここ、他のアトラクションも楽しいしおすすめだぞー」
リリカ「そう・・・なの?」
トウマ(こいつらなんか企んでるな・・・)
トウマ(二人になりたい、のか?リュウトがカナを好きとか聞いたことないけど・・・)
カナ「そうなの!リリカちゃん、観覧車気にしてたよね?」
カナ「でもジェットコースターは待ち時間長いし・・・別行動を提案します!」
リリカ(なぜかこちらにだけしか見えない微妙な角度からウィンクを・・・)
リリカ(・・・あ!そういえば)
リリカ(トウマの力になりたいって言ったから、気を使ってくれてるのかしら?)
リリカ「そういうことなら。 ホラーハウスとかも行ってみたいし」
リリカ「二人はどう?」
リュウト「まぁ、ジェットコースターは何回乗っても良いものだからな」
トウマ「俺はジェットコースターはもういいし・・・ジェットコースター以外行くならついてく」
カナ「決まりだね!」
カナ「これで後は見守るだけ・・・!」
リュウト「で、カナ。ジェットコースター、乗るよな?」
カナ「んえっ」
リュウト「そんなストーカーみたいなことするな、プライバシーだぞ」
カナ「えぇ〜・・・はーい」

〇遊園地の広場
リリカ「カップの中に入ってると小人になったみたいじゃない?」
トウマ「なんでコーヒカップの形なのに高速で移動するんだ・・・」

〇暗い廊下
ゾンビ役「うう・・・う・・・」
リリカ「・・・・・・っ!」
トウマ「ちょ、まてまてまて」
リリカ(はっそうだ、この人ただの演技なんだった・・・危ない危ない)

〇メリーゴーランド
リリカ「あ〜危なかったぁ・・・次どこ行く?」
トウマ「次?確か観覧車行きたいって言ってなかったっけ」
リリカ「そう!そういえばまだ行けてなかったわね」
リリカ「って・・・」
リリカ(トウマ、汗かいてる?そっか、今すごく暑いし・・・)
リリカ(あたしは実は冷却魔法かけてるんだけど・・・)
リリカ(トウマに魔法かけられないしな・・・)
リリカ(洗脳魔法で契約結んでた悪魔が昔いたからだっけ。嫌な規則・・・)
リリカ「そうだ!」
リリカ「ねぇトウマ、アイス好き?」
トウマ「えっなに。 別に嫌いじゃないけど・・・」
リリカ「そう。ならここで待ってて」
トウマ「え、ちょ」
トウマ「行動が・・・早すぎる・・・」
トウマ「まぁ、それは最初からか」

〇メリーゴーランド
リリカ「やっほー!」
リリカ「はいこれ」
リリカ「あ、あたし用にラムネ味もあるけどどっちがいい?」
トウマ「いや、どっちって言われても・・・」
リリカ「あ、別にこれ盗んだとか魔法使ったとかじゃないから」
リリカ「こないだ初バイト代出たし」
リリカ「これはただの礼だから」
トウマ「礼?」
リリカ「最近、寂しくないなって思って」
リリカ「カナが誘ってくれて、あんたや横山が受け入れてくれたおかげ」
リリカ「あんまり他人と話したことないから・・・あんた達が初めての友達かもね」
トウマ「・・・まぁ、ありがと」
トウマ「食べ終わったら、観覧車行くか? もうあんま時間ないし」
リリカ「えぇ!」
???「あら?あの子・・・サクラさんの・・・」

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