読切(脚本)
〇魔王城の部屋
ドクター・ストレンジ「皆様、こんにちは。私、ドクター・ストレンジと申します」
アシスタント「アシスタントです。宜しくお願いします」
ドクター・ストレンジ「今回は、私が新たに生み出した12人の怪人たちを紹介したいと思います」
アシスタント「お気に召されるものが見つかるといいですね。では、スタートしたいと思います。準備はいいですか?」
アシスタント「では、次の会場へ移動しましょう」
ドクター・ストレンジ「私たちの後についてきてください」
〇闇の闘技場
ドクター・ストレンジ「さて、いよいよお待たせしました」
アシスタント「これより始めるとしましょう。12人の怪人の中から、好きな人を選んでください」
アシスタント「えー、それでは、各怪人のプロフィールを聞いていくとしましょうかね。 それでは、どうぞ!!!」
怪人マゼンダ「怪人マゼンダ。私は怪力が使える」
怪人ドーベル「怪人ドーベル。ドーベルマンの顔をしている。私は攻撃に特化した怪人だ」
怪人ネイビー「怪人ネイビー。その名の通りネイビー色のアーマーを身に着けている。気持ち、落ち着かせてやろうか」
怪人ショーグン「怪人ショーグン!将軍の格好をした怪人だ!攻守の優れたバランスが取り柄だぞ!」
怪人フレイム「私は、怪人フレイム!炎の力であなたを襲う敵から守って見せましょう!」
怪人ストロング「怪人ストロング!俺様は力の強さを売りにしてるぜ!」
怪人シルバー「怪人シルバー!! この銀色の鎧は、軽いアルミ合金でできてるから、軽々と動けるのだ!」
怪人ブラック「怪人ブラック! 漆黒の闇に染めちゃうもんね!」
怪人パープル「怪人パープル。相手をも惑わす強力なパワーで、相手を混乱させてやるぜ!!!」
怪人クワガタ「怪人クワガタ!クワガタムシモチーフの怪人だぜ!!!!!」
怪人アーミー「怪人アーミー。防御に特化している」
怪人バイオレット「怪人バイオレット!素早さなら負けないぜ!」
スタッフ「レンタル料金は要相談です」
〇寮の部屋
ここは、あるアイドル学校の女子寮。怪人レンタルの動画を見ていた。
アイドルその1「怪人のレンタルだって」
アイドルその2「ボディーガードにも向いてそうな気もするね」
アイドルその1「今度の収録の日、怪人フレイムって人、レンタルしてみようか!」
アイドルその2「いいわね!」
アイドルその1「えっと、アクセスしてっと」
〇魔王城の部屋
ドクター・ストレンジ「はい、怪人レンタル業者でございます。どんなご用件でしょうか?」
アイドルその1「怪人のレンタルを明日お願いできますか?」
アイドルその2「実は、二人ボディーガードとしてお願いできますか?私たち、アイドルでして、明日仕事があるんです」
ドクター・ストレンジ「いいでしょう。どんなタイプをご希望ですか?」
アイドルその1「怪人シルバーと、怪人フレイムをお願いします」
ドクター・ストレンジ「判りました。支払いに関しましては、一人一日10000円ですので、明日の朝スタッフが来ますので、渡してください」
アイドルその2「えっとですね、場所に関しての情報は?」
ドクター・ストレンジ「あなた方のいる場所です。そちらにお迎えしますので、その時にお渡しください」
アイドルは、連絡先を伝えた。
ドクター・ストレンジ「以上で手続き完了です」
「ありがとうございました!」
ドクター・ストレンジ「では、怪人フレイムと怪人シルバー、明日1日頼みますよ」
「かしこまりました!」
〇華やかな寮
翌朝。
スタッフ「おはようございます。昨日レンタルの電話をされた方ですか?」
アイドルその2「そうです。私は林愛といいます」
アイドルその1「私は森久保美来といいます」
スタッフ「私は、怪人レンタル会社のスタッフです。本日はレンタル有難うございます。レンタル料の支払いをお願いします」
「お支払いします」
スタッフ「では、今日の夕方、またここでお会いしましょう。何かございましたら、こちらに」
「わかりました!」
連絡先を記録する二人。
「本日は、よろしくお願いします」
マネージャー「マネージャーの僕も正直たまげたけど、信じてみるか」
面々は、車で移動した。
〇お台場
一行を乗せた車は、テレビ局へとやってきた。
〇高層ビルの出入口
マネージャー「到着したよ」
「はい!」
アイドル達は、テレビ局の建物の中へと入って行く。
怪人たちは、マネージャーと一緒に入って行った。
〇ライブハウスのステージ
最初は、彼女たちのライブステージの収録だった。
音楽番組の収録だ。
「ありがとうございましたー!!!」
バンドメンバー「なかなかの出来栄えでしたねー!」
バンドメンバー「そうですね!」
バンドメンバー「収録、順調でしたね!」
バンドメンバー「チームワークがものを言いますね」
バンドメンバー「そうですね!」
〇車内
マネージャー「次は、ラジオ局へ行き、ラジオ番組の収録だよ」
「判りました!さっきの楽屋で食べたロケ弁当、美味しかったので、午後もこの調子で頑張ります!」
マネージャー「そうこなくっちゃ!」
「今のところは異常はございません」
彼らを乗せた車は、ラジオ局への道を急いだ。
〇オフィスビル
やがて、車はラジオ局に到着した。
マネージャー「ラジオ局に到着!」
メンバーは、降りて行った。
〇放送室
ラジオ局のスタッフ「じゃ、今回もお願いしまーす!」
「お願いしまーす!」
ラジオ局のスタッフ「ところで、そちらのお二人は?」
マネージャー「一日ボディーガードだそうです。レンタルサービス会社から派遣されてきたんですよ」
「宜しくお願いします」
ラジオ局のスタッフ「怪人ですか!?まさか、そんな!てっきり、怖い悪人のイメージかと思ってました」
怪人フレイム「見た目で判断しちゃ、まずいですよ、あなた!」
怪人シルバー「そうです。我々は根は真面目なんです」
ラジオ局のスタッフ「これはどうも、失礼しました!」
ラジオ番組の収録は、着実に進んだ。
ラジオパーソナリティー「では、次のコーナーに行ってみましょう」
アイドルその1「リスナーからのはがきコーナーです!」
アイドルその2「ラジオネームわたあめさんから。 「私はいつも妹とこのラジオを聞いてます。いつも楽しいトークで飽きさせないから好きです」」
アイドルその2「姉妹で聞いてるんですね!私にも弟と妹がいるんですよ!」
ラジオパーソナリティー「へぇ~、そうなんですね!」
アイドルその1「ありがとうございます!私は、兄がいるんですよ」
楽しいラジオ番組の収録となった。
〇華やかな寮
夕方になった。
スタッフ「今回は有難うございました」
「また機会がございましたら、怪人レンタル会社をぜひご利用ください」
マネージャー「いえいえ。ボディーガードだなんて、正直結構いい経験になりましたよ」
「また機会がございましたら、使わせていただきますね!」
怪人たちは去って行った。
〇闇の要塞
「戻りました」
ドクター・ストレンジ「お疲れさまでした。ごゆっくり休んでください」
アシスタント「また次のリクエストだそうです。今度は老夫婦の家だそうです」
ドクター・ストレンジ「で、今度は誰をご希望かと?」
アシスタント「CMの電話番号を見てからの電話だそうです。怪人ドーベルをリクエストするそうです」
ドクター・ストレンジ「なるほど。では、さっそく怪人ドーベルのレンタルに参りますかな」
〇昔ながらの一軒家
スタッフ「で、今回の利用希望者は?」
老人「私です。老夫婦での生活なので、何かと大変なことはあります」
奥様「息子と娘は結婚して出て行ったので、正直不安だったりするんです」
スタッフ「ご安心下され。わが社ご自慢の怪人が1日家事代行とかを引き受けます」
怪人ドーベル「吾輩にお任せあれ」
奥様「じゃ、今日一日頼もうかしら」
老人「だな」
スタッフ「では、レンタル料の徴収を行います」
奥様「はい。ちゃんと払ったわ」
スタッフ「何かございましたら、こちらに」
〇古めかしい和室
怪人ドーベル「草取り、全部完了しました」
老人「お疲れ様、怪人さん。食事できてますよ」
奥様「おかげで助かってるわ」
怪人ドーベル「いえいえ」
老人「はい、もしもし」
〇組織のアジト
かけ子「お父さん?僕だ」
〇古めかしい和室
老人「おお、紀夫。元気かい?」
〇組織のアジト
かけ子「ああ。実は大変なことが起こった。俺、電車の中に鞄を置き忘れ、大事な会社の小切手を紛失したんだよ」
〇古めかしい和室
老人「ばか!なぜ紛失?それで、どのくらいなんだい?」
怪人ドーベル「タンマ!」
怪人ドーベルは、すかさず電話を切らせた。
老人「何するんですか!?」
怪人ドーベル「それは特殊詐欺ですよ!あなたの子供だと嘘をつき、お金をだまし取ろうとしたんです!電話でお金の話をされたら、それは詐欺!」
奥様「そうよ。テレビとかでもやってるじゃない。この人の言うとおりよ! 紀夫に電話しなさい!」
老人「判った。すぐに電話するさ」
老人「もしもし、紀夫?お前、会社の小切手紛失したのかい?」
紀夫「お父さん?僕小切手無くしてないよ。ていうか、僕ずっと会社にいて、一歩も外に出てないから」
老人「そうか。実は君を名乗る男から詐欺の電話があった。危うく騙されると思ったよ。ありがとう」
紀夫「どういたしまして。対策、練らないとね」
老人「我が家でも、対策練りますね」
奥様「助かりましたわ。今後は常に留守電にします」
怪人ドーベル「じゃあ、さっきの詐欺師からの電話に関しては、警察に届けましょうね」
老人「わかりました。警察に伝えておきますね」
男性は、さっきの電話番号を運よく覚えていたので、警察に詐欺の電話があったことを伝えた。警察はすぐに受理した。
〇昔ながらの一軒家
スタッフ「この度はご利用ありがとうございました」
老人「いえいえ。家事代行サービスとして頼んだだけなのに、すごいサービスまで受けましたよ」
奥様「人は見かけによらぬものですね」
スタッフ「また機会がございましたら是非お電話を」
〇魔王城の部屋
ドクター・ストレンジ「いかがでしたか?利用したくなったでしょう?」
アシスタント「利用したくなったら、いつでもご連絡くださいませ」
アシスタント「お手頃価格でのレンタルですので、気軽にご利用ください。絶対失望させませんよ」
スタッフ「では、ご連絡お待ちしてます」
ドクター・ストレンジ「是非、当レンタル会社をよろしくお願いします!」
とても面白い設定ですね。あったら流行りそうですww
でも日本の怪人は真面目一筋だな、時間もちゃんと守りそうです。
私はゾンビちゃんで!(対象外だよ!)
これは素直に笑っていいのか迷う作品。ボディーガードは適任ですし、特殊詐欺を見抜く見識もある。将来は現実になってもおかしくない発想。ただ、お時間が来て狂暴な怪人に戻らなくて良かったと思います。レンタル彼女はお時間が来ると素に戻ります。