正義の怪人

どんぐり

読切(脚本)

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正義の怪人
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〇古いアパートの部屋
間宮誠「うーん、よく寝たぞ!今日も頑張らないと!」
  皆さん、こんにちは。僕は間宮誠。大学1年生です。僕は国立大学に一発で現役合格したんですよ。
間宮誠「顔を洗って、歯を磨いたし、着替えなくっちゃ。兄さんはもう起きてるはずだ」
間宮隆一「おはよう。朝食作ったんだ。食ってけよ」
間宮誠「ありがとう。ご飯食べたら、すぐに出発するね」
間宮隆一「俺も一緒に行くよ。同じ大学だしな」
  こっちは、僕の兄です。兄は、僕の通ってる大学に併設された病院の医師なんです!
間宮誠「朝食おいしかったよ!一緒に行こう!」
間宮隆一「だな!」
  いつも僕たち兄弟は一緒に出掛けるのです。

〇大学の広場
  ここが、僕の通ってる大学です。国立大学です。
北山リサ「間宮君、おはよう!今日の授業の準備はできてる?」
間宮誠「もちろんだよ」
  この子は北山リサ。大学の同級生で、すぐ仲良くなったんです。
間宮誠「もしもし?」

〇大きい病院の廊下
間宮隆一「誠?僕だ」

〇大学の広場
間宮誠「兄さんじゃないか」

〇大きい病院の廊下
間宮隆一「順調だ。そっちはどうだ?」

〇大学の広場
間宮誠「順調だよ。兄さん、今日も頑張ってね」

〇大きい病院の廊下
間宮隆一「お前も、頑張れよ」

〇大学の広場
間宮誠「わかった。じゃあね」
北山リサ「今の誰?」
間宮誠「僕の兄で、この大学病院の医者さ」
北山リサ「今度会いたいわ」
間宮誠「今度会えるかもね。兄は多忙だから」
北山リサ「じゃ、そろそろ行こう。授業始まるから」
間宮誠「そうだね」
  この国立大学は、病院も併設してる、一番有名な大学なんです。僕は、現役合格したんですよ!ちなみに僕も兄も上京してます。

〇大教室
教授「という訳で、今日の講義はここまでです。ちゃんと確認してくださいね」
  ありがとうございました!
北山リサ「次、私別のクラスだから、またあとでね」
間宮誠「気を付けてね」
  僕は別のクラスへ移動しました。北山さんとは違うクラスです。

〇学食
間宮誠「ふう、ごはん美味しかったなぁ」
  その時、外でサイレンが聞こえたんです。
間宮誠「何だろう?」
  僕は一目散にキャンパスを出て、外に向かいました。

〇街中の道路
  案の定、事件は起きてました!コンビニの立てこもり事件です!
強盗「直ちに出て行け!中の人質がどうなってもいいのか!」
女刑事「らちが明かないわ!」
刑事「かなり時間がたつぞ!」
ベテラン警察官「粘り強く待つしかないか!」
間宮誠「これは危険だ!」
  その場から一時離れた僕は、安全な場所へ移動しました。

〇ビルの裏通り
間宮誠「よし、変身するか!」
  僕は、ブレスレットを取り出し、変身することにしたんです!

〇魔法陣2
間宮誠「聖なるブレスレットよ、僕に正義の力を!」
  僕はブレスレットをカバンから取り出しました。そして、腕に装着し、その言葉を叫びました!
怪人ジャスティス「怪人ジャスティス、今宵参上!」
  そう、僕は事件が起きれば、正義の怪人に変身するんです!

〇街中の道路
警察官「一向にらちが明かないわ!」
「ご安心を!」
刑事「あなたは!?」
怪人ジャスティス「僕にお任せを!」
警察官「あなた、不審者ね!」
怪人ジャスティス「そんな!違いますって!僕は正義の味方ですよ!」
刑事「本当ですよね?」
怪人ジャスティス「だから、証拠を見せますので、安心してください」
刑事「とにかく、彼を信じてみよう」
警察官「そうします」
怪人ジャスティス「じゃあ、僕にお任せあれ!」
  僕は、コンビニへと殴り込みました!
  論より証拠、いざ、強盗と対決です!
刑事「お手並み拝見だね」

〇コンビニの店内
強盗「おい、これ以上騒ぐな!」
「観念しろ、コンビニ強盗!」
強盗「誰だ、お前!」
怪人ジャスティス「僕は正義の怪人ジャスティスさ!」
強盗「怪人だとぉ?俺をなめてるのか!」
怪人ジャスティス「喰らえ!」
強盗「うわぁ!」
  すかさず僕は、強盗にダメージを与えました。急所は外してあります。下手して殺したら、正義の意味がなくなりますからね。
強盗「これでも喰らいな!」
怪人ジャスティス「それっ!!」
  僕はすかさず攻撃をかわし、強盗にパンチとキックを浴びせました。
強盗「やべぇ!ピストルが!」
怪人ジャスティス「これでトドメだ!」
強盗「うわーっ!!!」
  強盗は、目を回しました!僕の勝利です!!!!
怪人ジャスティス「僕の勝ちだ!」
コンビニ店員「なんだ、あれは!?」
コンビニ店員「不審者ですか?」
怪人ジャスティス「僕は正義の怪人なんです! 名前は、怪人ジャスティス!」
コンビニ店員「そうだったんですか!ありがとうございます!」
コンビニ店員「これはほんのお礼です」
怪人ジャスティス「ありがとうございます」
  こうして僕は、コンビニ強盗をあっという間にやっつけました!
  すると、警察官たちが次々と入ってきました。
「犯人、確保しました!」
  事件解決です!

〇街中の道路
刑事「ほら、さっさと歩く!」
強盗「うぐぐぐぐ.....」
刑事「いやいや、ご協力ありがとうございました。すごいパワーですなぁ」
警察官「私、誤解してました。てっきり怪人って悪い人だというイメージが強かったんですよ」
怪人ジャスティス「いえいえ。僕は正義の怪人ですので」
TVレポーター「なんと、コンビニ強盗事件を解決したのは、正義の怪人だそうです!」
カメラマン「これは大スクープですよ!!」
  いきなりのインタビュー!!僕はびっくりしたんです。
  インタビューが終わった後、僕は、その場を去りました。

〇大きい病院の廊下
間宮隆一(あの怪人、かっこいいなぁ)
矢野舞「どうされました?」
間宮隆一「さっきあの近くで起きたコンビニ強盗事件を解決した怪人がすごいんですよ」
矢野舞「正義の怪人と言ってたから、正義の味方の怪人もいるんですねぇ」
間宮隆一「そうですねぇ」

〇ビルの裏通り
怪人ジャスティス「ここで変身を解こう」
間宮誠「今何時かな?」
間宮誠「何とか間に合いそうだ。急ごう」
  僕は、急いで大学へと向かって、駆け出しました。遅刻は厳禁ですからね。

〇講義室
  何とか、午後の講義に間に合いました。
間宮誠(事件解決できたし、午後の講義に間に合ってよかった)
教授「それでは講義を始めます」
小和田純也「そういえばお前、昼間いなかったけど、どこ行ってのさ?」
間宮誠「ちょっと用事があってね」
小和田純也「ま、あとで話そう」
  もちろん、授業はちゃんと真面目に受けてます。

〇古書店
  夕方は、古本屋さんでアルバイトです。
古本屋店長「だいぶ板についてきたわね、間宮君」
古本屋店員「そうだなぁ。間宮君にはいつもいつも驚かされる」
間宮誠「そういってくれると嬉しいです、二人とも」
古本屋店長「この子はきっと見る目があるのよ、お父さん」
古本屋店員「俺が店長だった仕事を引き継いだお前の言うことも一理あるな」
古本屋店長「パパ、まだ私は若いし、間宮君は大学1年生よ」
古本屋店員の奥様「そうよ。この子はまだ若いんだし」
  こんな感じで閉店までアルバイトです。

〇古いアパートの部屋
  夜9時。僕はいつものように帰宅。兄は夜勤もあるので、たまに一人で夕食を摂ったりするのです。
間宮誠「誰かな?」
間宮隆一「ただいま。夕食買ってきた。明日は非番だから、明日の分の食材も調達したぜ。 冷蔵庫に入れとこう」
間宮誠「ありがとう」
間宮隆一「そうだ。親父とお袋に連絡してるかい?」
間宮誠「僕、連絡するよ」
  僕は、このアパートで、兄と二人暮らししてるんですよ。実は、僕たち兄弟は田舎から上京してきたんですよ。
間宮隆一「そうだ。姉貴たちにも連絡しないとな」
  実は、双子の姉がいるんです。二人とも30歳で、お嫁に行っちゃいました。ちなみに僕は18歳、兄は26歳です。
間宮誠「まずは、知世お姉さんからだ」
間宮誠「知世お姉さん?」
  ちなみに、知世お姉さんが双子の姉、知子お姉さんが双子の妹です。
  二卵性双生児ってやつです。

〇システムキッチン
藍原知世「もしもし?」

〇古いアパートの部屋
間宮誠「知世お姉さん?僕だよ、誠」

〇システムキッチン
藍原知世「誠ね!元気にやってるの?大学生活、慣れたかしら?」

〇古いアパートの部屋
間宮誠「もちろん。兄さんもいるから毎日楽しいよ!」
間宮隆一(余計なことは言わなくていいんだって!)
間宮誠「お姉さんはどうかな?」

〇システムキッチン
藍原知世「もちろん!旦那とも良好よ!今電話代わるわ」
藍原俊一「もしもし、電話代わりました」

〇古いアパートの部屋
間宮誠「俊一さん!お久しぶりですね!誠です!」

〇システムキッチン
藍原俊一「久しぶりだね。大学生活は順調かい?」

〇古いアパートの部屋
間宮誠「順調です。そちらはどうですか?」

〇システムキッチン
藍原俊一「休みになったら、一度遊びに来なよ。うちの子たちも楽しみにしてるぜ」
藍原知世「というわけで、明日も早いんでしょ?そろそろ寝ないとね。おやすみなさい!」

〇古いアパートの部屋
間宮誠「お休みなさーい!」
間宮隆一「誠、余計なことは言うなよ。知子姉さんには、俺が電話する!」
間宮誠「じゃあ、僕は父さんと母さんに電話するね」
間宮隆一「もしもし、姉貴?」

〇明るいリビング
梅原知子「もしもし?」

〇古いアパートの部屋
間宮隆一「俺だよ、隆一。この春から、弟の誠と一緒に暮らしてる。俺の勤務してる病院のある大学の1年生なんだ」

〇明るいリビング
梅原知子「そうなの。こっちは旦那と概ね良好よ。今夜勤でタクシー運転手やってるのよ。たまにあるのよ、深夜勤務」
梅原周子「お母さん、私もおじさんとお話ししたいよ!」
梅原知子「わかったわ。はい」
梅原周子「こんばんは、おじさん!」

〇古いアパートの部屋
間宮隆一「こんばんは。お前、いくつになったんだ?」

〇明るいリビング
梅原周子「4歳!今度、遊びに来てほしいな!待ってるね!」
梅原知子「ま、あんたたちも健康管理とかに気を付けてね。おやすみなさい!」

〇古いアパートの部屋
間宮隆一「分かった。お休み!」
間宮誠「僕も両親に電話するか!」
間宮誠「もしもし?」

〇実家の居間
間宮宗助「誠か?元気にやってるかい?」
間宮和子「じゃ、こっちは隆一に電話するわね」

〇古いアパートの部屋
間宮隆一「あ、お袋からだ。もしもし?うん、順調だ。アパートには、誠もいるんだよ」
間宮誠「お父さん、そっちはどうだい?順調?」

〇実家の居間
間宮和子「そう、誠とのアパート暮らしも大変だけど、兄弟仲良く頑張ってね」
間宮宗助「お前が有名な国立大学に入ってくれて、俺も母さんも感激してる。おまえ、よく頑張ったな!」
間宮和子「もし、チャンスがあったら、一度里帰りしてね」
間宮宗助「里帰りの時に、いい報告ができるよう、期待してるぜ」

〇古いアパートの部屋
間宮隆一「わかった。また何かあったら連絡するし、こっちからも連絡してくれよ。お休み!」
間宮誠「オッケー。何かあったら連絡するし、こっちからも連絡してね!おやすみなさい!」
  僕たちは電話を切りました。こうやって家族に連絡しています。
間宮隆一「飯食ったら、お風呂に入ろう」
間宮誠「そうだね。先に入って、寝るよ。兄さん、明日非番でしょう?」
間宮隆一「そうだよ。ゆっくり休むさ」
間宮誠「じゃあ、お風呂入ってくるね」
  入浴後。
間宮誠「じゃあ、僕先寝るから。おやすみなさい!」
間宮隆一「お休み!」
  こんな感じで僕の一日はおしまいです。
  皆さん、僕が正義の怪人だってことは、周りの人には内緒ですよ?

コメント

  • 正義の怪人って単なるヒーローより二倍包容力を感じてしまいます。その姿から、行い次第で悪評を受けざるを得ないゆえ、その勇気にも感激するからです。普段こんな普通の男の子が怪人なんて、そこにまた夢がありますね!

  • 正義の怪人である大学生が一人語り形式で一日を終えると言った構成が斬新で面白いと思いました。
    個人的にはコンビニでお礼を渡されたとき「あっさりもらうのか!」とつっこんでしまいました。

  • 正義の怪人っていいですね。
    その1日もすごく丁寧だなぁと感心してしまいました。
    家族への連絡って大切ですよね。
    みんな仲が良さそうでなによりです。
    心が温かくなります。

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