カント君は嘘をつかない

エル・コギト

エピソード1(脚本)

カント君は嘘をつかない

エル・コギト

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〇テーブル席
完戸「約束の時間をもう15分も過ぎていますよ」
仏坂「泥棒だな、時間泥棒。 迷惑なことだ、許せないな」
優香「刑事さん、遅れてすみません」
仏坂「いえいえ、全然っ大丈夫です」
完戸「16分の遅刻ですね」
  ・・・・・・
仏坂「坂本優香さん、ストーカーのご相談ですね」
優香「ええ、最近、会社帰りに誰かがついてきているような気がして」
仏坂「心当たりは無いんですね」
優香「・・・・・・はい」
仏坂「所轄に連絡して、自宅周辺のパトロールも強化していますが」
優香「有難うございます、部屋に入ったら、すぐ電話が鳴ることもあって、怖くて」
仏坂「おきれいだから、一方的に好意を寄せてきた人がいるかもしれませんね」
優香「まあ、そんなことは・・・」
完戸「その可能性は低いと思います」
優香(はあ?)
仏坂「えー、今日はこの後、我々で優香さんをご自宅まで尾行します」

〇高層ビルの出入口
仏坂「彼女の自宅まで尾行するぞ」
完戸「あの人、嘘つきましたよね」
完戸「犯人は心当たりはない、と言ったときに微妙な間がありました」
仏坂「お前なあ、そんだけ相手の気持ちが読めるんだったら、も少し空気も読めよ」
完戸「また、先輩の説教ですか。私は嘘は言えないんですって」
完戸「大体、嘘ってついたら最後、あとが面倒じゃないですか?」
仏坂「いや、そんなことはないぞ」
  男が現れて、優香の手首を掴んだ
健介「優香、今日は逃がさないぞ」
仏坂「彼女から手を放しなさい!」
健介「何だ、お前たちは?」
健介「そうか、新しい男ができたのか、だから俺からの連絡は全無視したのか!」
優香「別れてって言ったはずよ」
健介「いや、きちんと説明されてないぞ」
(こっちも聞いてない)
仏坂「まあ、とにかく詳しい話は署で聞かせてもらおうか」

〇オフィスのフロア
完戸「他に好きな人ができた、と彼女がきちんと彼に話しておけばよかったわけで」
仏坂「彼の方も薄々わかってたんだろうけど。プライドから認めたくなかったんだろうな」
完戸「彼の供述によると、優香さんの家にまでは行っていないということですよね」
仏坂「そこは、嘘じゃないか?」
完戸「彼女の住所を知らなかったから、会社帰りを狙ってたんですよ」
仏坂「じゃあ、部屋に入ったとたんに無言電話を受けたという話、嘘じゃないか?警察の気を引くための」
完戸「うーん、それはどうでしょう?」
仏坂「嘘をつくやつは信じられないからな。嘘つきは嫌いなんだ」
完戸「先輩が言いますかね・・・」

〇女性の部屋
優香「やっぱ、ストーカーは健介の奴か」
優香「絶対、この間会った翔馬の方が上玉だもんね」

〇おしゃれなレストラン
翔馬「初めまして、翔馬です」
(イケメン~ この合コン、正解!! やっぱり来てよかった~)

〇女性の部屋
  非通知だ・・・え?また?
  誰?
優香「もしもし・・・・・・」
彩「もしもし、彩だけど。 優香、ごめんね、私・・・・・・」
優香「え?彩?なんで非通知?てか、ごめんって」
  ツーツーツー
  ガチャっ 部屋のドアが開く音がした
優香「誰?」

〇マンション群
完戸(気になって優香さんのマンションまで来てみた。あのストーカー事件、やっぱり何かがおかしい)

次のエピソード:エピソード2 白い百合の花

コメント

  • まだまだ裏がありそうな感じですね。
    嘘は重ねていくと、どんどん重ねていかなくてはならないので、早めに白状した方がいい気もします。

  • 優香という女性に振り回されそうな雰囲気がありますね。彼女の人間関係が明らかになればストーカー問題も解決できそうですが、なにかそれ以外にもすごい裏がありそうな存在ですね。

  • 嘘を突き通すためにさらに嘘を重ねると取り返しがつかなくなってくる。誰しもそんな経験があると思います…。
    特に男女間は…色々と面倒そうです。

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