エピソード1(脚本)
〇神社の本殿
ゆうま「俺んちはあるわ」
たいき「俺んちもあるわ」
たいき「玄関開けて、美人の母ちゃん出てきたらどうしよう!」
ゆうま「お前、すげー嬉しそうな顔して言ってるぞ(笑)」
たいき「じゃあな!」
ゆうま「おう」
〇古い畳部屋
ゆうま「ただいま~」
ゆうまの母「帰るなら、帰るって言いなさいよ。晩御飯アンタの分作ってないわよ!もう、なんか買いにいってくるわ」
ゆうまの母は、いそいそと買い物に出かけた。玄関の外で、たいきの母親と会って、「急に帰ってくるから」等と話している
ゆうまは、家の中をぐるりと歩いて、何か変わった所はないか観察してみた
ゆうま「ここは変わらないな」
〇神社の本殿
ゆうま「おう!なんか変わってたか?」
たいき「いや、何も変わってなかった。お前んとこは?」
ゆうま「うちも何も変わってなかったよ」
たいき「いや、姉ちゃんが妊婦になってたな」
ゆうま「それは、普通に時間の経過だろ」
たいき「まあ、そうだけどさ。この辺子供、多くないか?」
ゆうま「そういわれれば、こんなにいなかった気がするな」
たいき「昨日、甥っ子の社会の資料帳みせてもらったんだよ」
ゆうま「あ~、あの、どの地域でどんな工業が発達しているとか、地域別の人口とか載ってるやつな」
たいき「そうそう。結構、一局集中じゃなくて、各地で色んな工業が発達していて、人口も、分散されてたよ」
ゆうま「へえ~。そうなんだ」
たいき「東日本も仙台だけじゃなくて、庄内や、新潟、福島、横浜、とか、結構な規模の都市みたいだったよ」
ゆうま「ふう~ん。なんか、いいことずくめに見えるなあ」
たいき「450年間、対外戦争も、内戦もなしっていうだけでもすごいのに」
ゆうま「地方分権が既にできてるっていう」
たいき「「日本の奇跡」って呼ばれていて、各国から視察団が来るんだけど、黒田家の先見の明って事で終わるらしい」
ゆうま「そうなんだ~」
たいき「欧米諸国がSDGsって言い出した時には、日本は既にやっていたってさ」
ゆうま「・・・日本はそんな、キャラじゃなかった。いつも、欧米諸国に遅れる事10年って感じ?」
たいき「いやいや、あの福祉先進国の北欧が、福祉について日本に視察団を送ってきたらしい・・・」
ゆうま「あり得ない」
たいき「本当の意味で、貨幣を使ってないから分からなかったけど、消費税30%なんだと」
ゆうま「まじか・・・」
たいき「それで、学費・医療費はなしなんだと」
ゆうま「へえええ・・・え?俺らただで大学行ってたのか?」
たいき「そうらしい。制度が始まったのは400年前からだってさ」
ゆうま「・・・江戸時代初期にその思想は、逆におかしくないか?家光の時代の寛永の大飢饉は、それでしのげたって事か?」
たいき「さっすが、歴ヲタは話がはえーな(笑)江戸時代の飢饉はその制度で全部クリアした訳だよ」
ゆうま「小石川養生所だって、もう100年待たなきゃ、できねえだろ?」
たいき「まあ、鎖国してないから、医学だってもうちょっと早く進むだろうしな」
ゆうま「寺子屋って、私学だろ?」
たいき「公共の教育施設にしちゃえばいいんじゃね?」
ゆうま「要は幕府の政策次第だよな」
たいき「そういう事だよな~。貨幣作ってばらまくのも、幕府だしな~」
ゆうま「歴史を早く進めた奴がいる訳だ。黒田家に」
たいき「優秀な人材が続出したんだねえ。帝王学みたいな、黒田学とかな(笑)」
ゆうま「400年前からSDGsか?」
たいき「そう聞いたぞ」
ゆうま「じゃあ、同性婚はOKなんだろうな。多分」
たいき「ああ、OKらしい。大体、戦国時代の同性愛事情から察して、そのまま、同性婚に進むのは問題ないだろ」
ゆうま「お前、今とてもいい事を言ったぞ!」
たいき「えっ?そう?」
ゆうま「なんで現代日本で、同性婚がこれだけ障害があるのかだ」
たいき「明治で西欧化したからじゃねえか?」
ゆうま「そう、キリスト教的な倫理観が日本を覆ったからだ」
たいき「明治政府の欧米諸国に認めてもらいたい!の欧米化が無ければ、それはないもんな」
ゆうま「そう、それに、俺の大好きな国宝級の仏像も壊されずに残っているはずだ!」
ゆうま「オッサン!奈良!奈良に行くぞ!」
たいき「完璧にお前の趣味じゃねえか。廃仏毀釈がなくて、山ほど仏像があるだろうけどな(笑)」
山伏「はい、奈良ですね。行きますよ」
〇地球
SDGsや福祉・教育から同性婚まで、話題の幅が広くて読めば読むほど面白いです。教科書では教えてくれない庶民の生活や人生観など、ついつい想像ではなく妄想してしまいますね。
黒田さんの子孫すごすぎますね!
このシリーズ読んでて楽しいです!
日本の未来が世界が羨むようになってますよね。笑
福祉で北欧が視察に来るってよっぽどの進化ですよ!
日本はいつも他国に遅れをとっているイメージがあるので、こうして物語の中だけでも、先ゆく先進国のように扱われているのは、日本人として嬉しかったです。想像するのが本当に楽しい!続きも待ってます。