パンダの尾が白い理由

甘皮がない

第一話(脚本)

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〇校長室
先生(明日ね、ロク、セイ。 あなたたちのどちらが 「肉体が残る方」なんでしょうね?)
「しつれいしまーす せんせー はなしってなに?」
先生「ふたりとも、お誕生日おめでとう」
ロク「ん? あしただよ」
先生「明日は学校がないから、 今日言っておこうと思って」
セイ「あっ ありがとうございます」
先生「あなたたちは、 とってもかわいくて、とっても優秀。 きっと素敵な大人になれるわ」
先生「よその人の倍生きるのだから、 人より先へ行ける それでいつか────」

〇体育館裏
ロク「なんでわざわざ よび出されたんだろ」
セイ「そんなん・・・ 来週になったら、 俺らのどっちかは学校来ないからだろ」
ロク「・・・にげよう」
セイ「何いってんだ!? ダメだって。先生言ってただろ!」
ロク「いやだよ! ら、来週も学校来たいし!」
セイ「わからないだろ? 明日消えるのは俺の方かもしれない」
ロク「それがいやなんだよ!」
ロク「なぁ・・・ どうやって消えるか知ってるか? 夜に家にだれかきて、魔法みたいにどっちかを消しちゃうんだって・・・」
ロク「じゃあ家にひとりしかいなければ、 消されないはずだろ!?」
セイ「えぇ・・・ 本気だな・・・?」
ロク「あたりまえだろ!」
セイ「わかった」
セイ「「がんかけ」しよう」

〇山中の坂道

〇海岸の岩場
アゲハ(こんな地形のはずないのに・・・)
アゲハ(でも、これで助けを呼んでも、 海での遭難扱いになる・・・? お金の面では助かった?)
アゲハ(きれいだな・・・ 状況はヤバいけど一枚・・・)
「え! だれかいる!」
セイ「だれですか! どこから入ってきたんですか!?」
アゲハ「山で道わかんなくなっちゃって! 不審者じゃないつもり! 大人の人呼んできてもらえないかな?」
ロク「・・・・・・」
セイ「お前は出てくるなよ!!」
ロク「わかってるよ・・・ 「がんかけ」だろ?」
アゲハ「私迷ってここに着いただけなの。 山の中の池の写真が撮りたくて」
セイ「・・・ついてきてください。 先生ならわかるとおもうから」
アゲハ「た、助かった〜 ごめんね」

〇中庭
先生「そうでしたの。 もう今日のバスは行ってしまってね」
アゲハ「いえ、全然大丈夫です! テントも食料も持ってますし 近くにバス停あるならほんと助かります」
アゲハ「セイくん、本当にありがとうね」
セイ「ぜんぜん! ねぇ先生、 おねえさんは学校には泊まれないの?」
先生「そうねぇ・・・ 学校はダメだけど、 キャンプ場なら空いていると思うわ 聞いてきてあげる」
アゲハ「あ! そんなお気遣いなく・・・」
セイ「ね、おねえさん。 約束だからね? ぜったいまもってね」
アゲハ「うん。指切りしよう」

〇朝日
  翌朝

〇中庭
アゲハ「おはよう! 昨日は本当にありがとう。 今日のバスで帰るね」
セイ?「・・・・・・」
アゲハ「セイくん・・・? きのうと髪の色が違うね?」
セイ?「ああ! おはようございます! 帰れるならよかったです」
セイ?「朝の海沿いは歩きました? とってもきれいだったでしょ? じゃあ!あそびにいくんで!」

〇山道
セイ「おれ、1年パンダ組のセイって言います。 おねえさん、ここに来たのは初めて?」
アゲハ「うん! それにこんな集落があるなんて、 地図にもなかったよ」
セイ「そっか・・・」
セイ「おねえさん、 約束してほしいことがあるんだ」
アゲハ「どうしたの? 小さい声で」
セイ「この町は、どこかがおかしい あした、おれか兄のどっちかが消える 消えて、ひとりになるんだ」
セイ「にげるつもりでいるけど、 俺たちがにげきれなかったら・・・ おねえさんが謎をといてほしい」
セイ「もう兄はにげてるんだ。 だから先生にもし聞かれても、 ごまかしてほしい」
アゲハ「わかった。 わかったよ」

〇中庭
アゲハ(・・・大丈夫。約束は守るからね あなたがセイくんじゃなくなっても)
アゲハ(私だって、目的があって来たんだから──)

次のエピソード:第二話

コメント

  • どちらかが消えてしまう日に、やってきた彼女は何が起こっているのか解明できるんでしょうか。
    そして、なぜどちらかが消えなくてはいけないのか。
    すごく続きが気になります。

  • お姉さんが来た理由がこの明日起こるであろう出来事に関係しているのかなぁと気になりました。なんのためにふたりがひとりにならなくちゃいけないのだろう、、謎は深まるばかりです。

  • 二人で一人?一人が二人?謎が多いですね…。
    この現象を暴くにしても中々手がかりが少なそうで…。
    今いる場所に何かしらのヒントがあると言うことですかね?

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