戦学時代

0248

戦学時代(脚本)

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〇一人部屋
ヤン「──いつの間にか寝落ちしてたな」
ヤン(時給千円以上で楽なバイトが介護と接客しかないってほんとこのクニ終わってんな)
ヤン(はぁ、仮想通貨に手出すしかないのか・・・)
ヤン(いや、その元手の金が無くてバイトを探してるのに本末転倒──)
ヤン(はぁ、仕方ない)
ヤン(学校行って稼ぐしかないか)
ヤン(こいつら急かさなくて今日行くのに)

〇荒廃した街
ヤン「あ、宿題やってくるの忘れてた・・・」
  戦学時代 第一話
  
  『長い坂の上にある校門を抜けるとそこは戦乱であった。』
  戦学時代──
  仮想空間に意識を投影させる新時代のフルダイブ型VRMMO
  現実世界と同じマッピングで自由にクラフトし、大量虐殺も可能なオープンワールドなクライムアクションゲームである。
  何でもありな混沌とした世界観で弱き者が少しずつ自分達の身は自分で守るといった秩序が形成されていった──

〇教室
先生「話しは聞いてると思うが平尾校がウチの第14地区に侵攻している」
先生「今3年の奴らが応戦しているため我々は後方支援、補給物資の受け渡しが任務となる」
先生「ただし前線が破られそうになった場合はすぐに前線に立ってもらう」
先生「その都度現場の上長が指示を出すからそれに従うように」
先生「ここの学級委員長は誰だ」
武田「委員長はまだこっちにログインしていないみたいでーす」
先生「委員長が呆れるよ」
先生「じゃあ参謀委員いるか」
ヤン(げっ・・・)
ヤン「はい。。」
先生「よし、お前が14地区の寺田参謀委員長に指示を仰いでクラスに作戦を伝達しろよ」
ヤン「承知いたしました・・・」
先生「では18時に14地区に集合だ。 それまで一応戦闘の準備はしとけ」
先生「解散」

〇荒廃したセンター街
ヤン(かなり苦戦してるな・・・)
ヤン「地の利はこちらにあるはずだが、そのアドを上回るくらい敵の戦闘能力が高いのか」
寺田「もしもしお疲れ様です。寺田です。 今大丈夫か?」
ヤン「お疲れ様です。 いま大丈夫です いかがされましたか?」
寺田「いや、思ったよりも相手の主力部隊が強すぎて第2防衛ライン突破されそうなんだわ。 手伝ってくれる?」
ヤン「そちらに向かうのは問題ありませんが、我々が来たところで現状何も変わらないと思われます」
寺田「かと言って何もしないと部隊総崩れになるから手を打たないといけないでしょ?」
ヤン「ええ、なので一度全部隊後退しましょう」
ヤン「500メートルほど後退しますと河があります」
ヤン「河を渡ったあと一度橋を壊し、もう一度会戦するまでの刻を稼ぐことができます」
ヤン「それまでに増援、物資の補給、指揮系統の回復が見込まれます」
ヤン「一度再考を検討していただけないでしょうか?」
寺田「うん、いい案だね。 でも・・・」
寺田「この闘いには私の昇進がかかっている」
寺田「君の案を取り入れ後退した時、このボロボロの現状と無様な後退を見たウチの生徒会長はきっと失望するだろうね」
寺田「これはゲームだから逃げて生き恥晒すのと1デス増やして勇猛心を示すのだったら後者を選ぶね」
  結果的にこの14地区会戦は我が校の敗北で幕を閉じた

〇一人部屋
ヤン(組織に組み込まれたらトップに立ちという我欲で戦争に負ける)
ヤン(過去の戦争もきっとそうであったのだろうな)
ヤン(いくら合理的な判断で実行したとしても必ず摩擦が起きる)
ヤン(『海上権力史論』も『武経七書』も結局机上の空論に過ぎなかったのか・・・)
ヤン(預言者? 何だこのふざけた名前は)
ヤン「誰だ」
涼森 茜「君は文字が読めないのかな 巷では預言者と呼ばれているからそう名乗ってる者だ」
ヤン「知らんな 俺に何の用だ」
涼森 茜「寺田殿とのやりとりの件聞かせてもらった。 あれは君の考えで発言したのか、それとも別の者が発案して君が代理で伝えたのか」
ヤン「いや、あれは俺が考えた案だがそれがどうした?」
涼森 茜「もし、その案が通ったとして先の戦は勝てたと思うか?」
ヤン「この世界に絶対という確証はないが、98%勝てたであろう」
涼森 茜「すばらしい! 常々君の戦術眼には目を見張るものがあったが確信に変わった」
涼森 茜「お前は天才軍師になれる大器を持っている」
涼森 茜「単刀直入に言おう。 私の家来になれ!!」
ヤン「はぁ?何を言っている? なるわけないだろ」
涼森 茜「ふん、察しが悪いな 私がどうやってお前と寺田とのやりとりを盗聴できたと思う?」
涼森 茜「私は人と比べてハッキングの才能があるんだ。 お前が今まで購入したAVを全校生徒にバラすことが可能だぞ」
ヤン「なっ!! お前・・・」
涼森 茜「これは交渉ではない命令だ。 明日から頼むぞ」
  これは彼と彼女が日の本を統一するまでの話である。

コメント

  • 読み進めながら仮想空間なのか現実空間なのか判断つかなくなる部分があり、それが作者のねらいなのかなあと思いました。弱みを握られた主人公がどのように戦学していくのか楽しみです!

  • 彼、弱みを握られてしまいましたね。それにしても今後スケールがどんどん膨らんでいきそうな展開ですね。想像するだけで楽しいです。VRの世界に、そしてその可能性に興味津々です。

  • 発想が楽しかったです、自分が想像したことのない世界で現実になったら楽しそうとか色々想像しました。もしこれがリアルだったらどんな感じなのでしょうね。

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