エピソード10(脚本)
〇スナック
マリア「龍神様祠祭りの開催を祝って、今夜はパーリーね」
奥谷百合「何でここなんですか?」
桃井太郎「祭は青年団が仕切ることになってるんです。 そしてここが青年団のたまり場で」
奥谷百合「青年団?」
田中次郎「これでも精一杯の若手メンバーだ」
運野遊造「すまんねー、おじさん達の集まりで」
桃井太郎「祭開催とはいえ、今まで通り村人しか参加しないんじゃ意味ないよ」
奥谷百合「そうね。どれだけ外から人を呼べるか・・・」
桃井太郎「人を呼べる祭。 来たくなるような祭」
「うーむ」と悩む一同。
奥谷百合「伝説的なことがあれば、話題になりやすいんだけど」
桃井太郎「伝説? なんてないですよ」
奥谷百合「そんなもん適当に作ればいいのよー」
桃井太郎「え? そうなんですか」
運野遊造「雪男も伝説のうちに入るか?」
桃井太郎「雪男は伝説じゃないですよ。 見たんです、本当にいました!」
奥谷百合「本当にいるかどうかはさておいても、利用しない手はないわね」
桃井太郎「いるのに・・・」
奥谷百合「イエティに会えるかも? とか、ゆるキャラにしちゃうとか」
桃井太郎「確かに世の中、ゆるキャラブーム・・・」
〇山間の田舎道
桃井太郎「リリーさんのアイデアには驚かされます。 雪男をゆるキャラにするなんて」
奥谷百合「そんなに奇抜なこと言ってないと思うけど」
桃井太郎「いや凄いです!」
桃井太郎「リリーさんのお陰で、何か村も活気が溢れてきたというか、みんなやる気になってますし」
奥谷百合「本当? 良かったー。 これならルミト君も喜んでくれるかなー」
桃井太郎「・・・・・・」
奥谷百合「お祭り一緒に見たいなって送ったら、返信が来ないの。困らせちゃったかな」
桃井太郎「そんなこと、ないですよ。 いや、ないと思いますよ」
奥谷百合「ルミト君って、全然こっちには帰って来ないの? やっぱりお爺さんとの喧嘩で?」
桃井太郎「今忙しいみたいで。 新しいプロジェクトを任されてるとか」
奥谷百合「凄ーい、流石ルミト君」
桃井太郎「僕なんかと大違いですね。ははっ・・・」
〇寂れた旅館
奥谷百合「ありがとう、送ってくれて。 それじゃあ明日」
桃井太郎「あの!」
桃井太郎「・・・いえ、お休みなさい」
〇木造の一人部屋
桃井太郎「・・・はあ」
〇山間の田舎道
奥谷百合「お祭り一緒に見たいなって送ったら返信が来ないの」
奥谷百合「困らせちゃったかな」
〇木造の一人部屋
桃井太郎「海外出張で行けない? いや、行けるかもと匂わせた方がいい?」
桃井太郎「うーん・・・」
スマホに文字を打っていく桃井。
『村の為に本当にありがとう。僕もリリーの活躍を近くで見たいよ。タロちゃんが羨ましい』
桃井太郎「僕はルミトが羨ましいよ」
桃井太郎「って、どっちも僕なのにーーー。カオス」
〇農村
〇洞窟の入口
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