か弱いくんの彼女

緑作七去−アヲサクナノサ−

エピソード1(脚本)

か弱いくんの彼女

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〇男の子の一人部屋
(俺の名前は山村強)
(明日から憧れの高校生活が始まる)
(そんな生活に期待を寄せていた)
(仲のいい友達できるかな)
(部活でレギュラーとれるかな)
(中学の時、病院の入退院してばっかだったしな)
(中学のときの人もいるんだよな)
(卒業式に行っても『誰だっけ』って、 言われたっけ)
(でも、高校にはいい人がたくさんいるはず)

〇男の子の一人部屋
強「今日はホームルームだったな」
強「クラスの人とも今日が初めてだったか」
強「なんで、入学式の日に熱出すかな」
強「もう、クラスの人は自己紹介したよな」

〇シックな玄関
強「行ってきます」
お母さん「いってらっしゃい」
お母さん「定期持った?」
お母さん「降りる駅分かる?」
強「じゃあ、もう行くね」
お母さん「ちょっとからかっただけよ」
お母さん「冗談だから」
強「ありがとう」
お母さん「浮かない顔していかないの」
お母さん「気をつけてね」
強「うん、分かった」

〇駅のホーム
強(電車は7時37分で3番ホームか)
強「すみません」
???「ちょっと、気をつけてよ」
強「はい」
強(あれ、あの制服着てるってことは同じ学校かな)
強(次会った時、気まずいな)

〇学校脇の道
強(通学路を歩くのも今日が初めてか)
強(駅で会った子とは同じクラスじゃないと いいな)

〇学校の校舎
強(すごい人の数だな)
強(部活の勧誘もやってるし、見学もそのうち行きたいな)
強(てか、一緒に行ける友達がいればだけど)

〇学校の廊下
強(えーと、一年生の教室は1階か)
強(1−4はここか)

〇教室
強(俺の席はあそこか)
強(窓際で静かな人が多そうだな)
幸人「俺の名前は幸人」
幸人「よろしく、強」
強(いきなり、名前で呼んでくる人って、 やっぱいるんだ)
強(まぁ、ここは何か返しておかなきゃ)
強「よ・・・よろしくね」

〇教室
原口先生「えーと、」
原口先生「皆はじめまして」
原口先生「このクラスの担任になる原口祐介だ」
原口先生「担当教科はおもに日本史だ」
原口先生「入学式には参列できなかったが、一年間 よろしく」
強(そうだったんだ)
強(あ・・・でも、いなかったってことは 皆自己紹介してないのか)
中村「確かにいなったよな」
新宮「うん、入学式の時の先生の方がいいよね」
木村「わかる〜」
田宮「なんで、あの先生なの」
中村「あの先生、補習とか普通にやるらしいよ」
新宮「先輩たち、大変だよね」
木村「まじ、最悪じゃん」
強(皆、先生に対して、言い過ぎじゃないかな)
原口先生「荒井結花はいるか」
結花「ハーイ」
原口先生「結花、ホームルーム終わったら、職質員に来てくれないか」
強(あの子、結花って、名前なんだ)
強「てか、同じクラスだったんだ」

〇教室
木村「あの先生さ〜やばくない」
吉田「だよな〜」
田宮「クラスに来た日に生徒呼び出すって」
結花「な〜に、話してるの」
新宮「結花はどう思う」
結花「何が?」
新宮「原口先生」
結花「え、どう思ってるって・・・」
強「ひどいと思うよ」
新宮「は、何様?」
新宮「あの先生のどこがいいの」
強「それは・・・」
結花「あ、待って」

〇高い屋上
強「はぁ、なんで、あんなこと言ったんだろう」
強「登校初日でケンカ売るようなことして、 力もないのに・・・」
結花「あんなことって、すごいことじゃん」
結花「力だって、鍛えればいいじゃん」
強「鍛えるって・・・」
強「いつからいたの!」
結花「声に出し始めた頃から・・・」
強「最初からじゃん」
結花「とにかく、何でも言ってみるもんだよ」
結花「あんなの雰囲気で言ってるんだし」
強「でも・・・クラスに来た日に生徒を呼び出すのはおかしいって」
結花「それはクラス委員をやらないかって、 言われたからよ」
強「そうなの!」
結花「そうだよ」
結花「もっと自信持ちなよ」
結花「う〜ん、どうしたら」
結花「よし、今日からあんたはか弱いくんだ」
結花「そして、私がか弱いくんの彼女ってことで」
強「え〜、なんで?」
結花「だって、性格から見ても弱そうだし、」
結花「彼女ってことにすれば、モチベ上がるかなと思って」
強「なんで、そうなるの」
結花「あ、今日学校の閉門時間が早い日だ」
結花「早く、学校出なきゃ」
強「待ってよ」

〇開けた交差点
強「へぇ~、中学の時の友達なんだ」
結花「うん、そのごめんね」
結花「あたしの学校の人、うるさくて」
強「じゃあ、幸人は同じ学校?」
結花「幸人?隣町だよ」
強(そうなんだ)

〇駅のホーム
強「じゃあ、またね」
結花「またね、『か・よ・わ・い・く・ん』」
強「その名前で呼ばないでよ」
結花「大丈夫、クラスの人の前では呼ばないから」
強「そういう問題じゃなくて」
結花「じゃあ、強い男になれるように頑張って」
強「男女差別だよ」
結花「アハハハ、からかうつもりはないから」
強「もう〜」

〇男の子の一人部屋
(そんな感じで高校生活のスタートを切った)
(結花に振り回されたが、クラスの人と話せたのはいいのかもしれない)
(明日からはか弱いくんって、言われないに頑張るぞ!)
強(誰からだろ?)
強「もしもし」
「か弱いくん・・・」
強「え、結花さん!!」

次のエピソード:エピソード2

コメント

  • 強くんの登校初日の不安感、すごくわかります!できあがりつつある”空気”に、まっさらな自分がどう関わっていくか悩みますよね。それにしても、結花ちゃんと2人でいるときの空気感はいいですね、正反対っぽいけど芯の部分では似た者同士っぽくて!

  • 新学期に不安な気持ちで登校するのはなにもか弱いくんだけではないけれど、一人でも仲良くなれそうな人を見つけられたら、その不安も一気にとんでいくものですよね。彼は結花ちゃんにめをつけられてラッキーだったと思います。彼女のパワーでかならず強い君になれます!

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