三年

安東門々

転換期(脚本)

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〇路面電車の車内
  写真を渡す日時を決め、後日おじいさんの行きつけのお店で会う約束をすると、その日は解散になった。
  彼はこれから家に帰り、結末を告げると言っている。
  とても緊張しているが、大丈夫だと私は感じていた。

〇シックなカフェ
  それから、数日後に彼と会うと今までにないくらいスッキリとした表情になっている。
女性①「大丈夫だった?」
男性①「まさか! でも、大丈夫じゃないくらい何も無くなったから、逆にスッキリしたよ!」
  その返答に私は笑いをこらえることができなかった。
  私のためにと思うと、感謝しかでてこない。
  待ち合わせ場所は、写真を撮った場所からさほど離れておらず、木造の雰囲気のよい喫茶店だった。
  ドアを開けて中に入ると、珈琲の良い香りが漂ってくる。
  店員さんが挨拶をしてくると、その奥で手を振る人がいた。
女性①「お待たせしました。」
男性①「すみません、無理を言ってしまって」
爺さん①「なにも、全然待っておりませんよ。 さあ、お二人の珈琲も頼んでおきましたが、紅茶のほうがよかったですか?」
女性①「いえ! 大丈夫です。彼も私も珈琲が好きですので……」
爺さん①「それはよかった。早速ですが、これが出来上がった写真です。」
爺さん①「写真を現像してみてわかったんだが、やはり素敵な写真だよこれは」
男性①「撮る人の腕がよかったんですよ!!」
爺さん①「まさか、そうじゃないですが……まぁ、そういうことにしておきますか」

コメント

  • 穏やかな始まりですが、ところどころに不穏な雰囲気や謎があり、興味を惹かれました!
    地の文の表現がとても丁寧ですね、スッと頭に入ってきます。
    ここからどのように物語が展開していくか楽しみにしています!

  • セリフや地の文などが味わい深く、情緒あふれるところが、とても魅力的だと思います。主役の二人には、過去の出来事から、今の関係性に至るまで、様々な想像が膨らむような広がりのある関係性を感じました。そういった意味でも、この先の展開や、二人の行く末が気になる作品でした。

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