アライブ・ソルジャーズ

一話 出会い(脚本)

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〇渋谷のスクランブル交差点
  偽善なんて、馬鹿馬鹿しい。
  ましてや、自分の命を犠牲にして誰かを救うなんて、愚の骨頂。
  そう信じて、俺は戦ってきた。
  それが間違いだとは、今でも思っていない。
  なぜならば、俺は日本で唯一大型の地球外生命体を倒すことができる人材だからだ。
  俺が命を落とせば、多くの人間が救われずに死んでいくだろう。
  東京、いや日本が崩壊する可能性だってあるのだ。
  だから俺は、目を逸らし続けている。
  過去に落ちていった命から。
  そして、これから落ちていく命から。
一般人女性「ああ・・・また来た・・・迷惑な奴ら・・・」
一般人男性「大丈夫大丈夫!今回も小型っぽいじゃん。 きっとすぐに助けが来るよ」
隊員「地球外生命体「ギャラジー」の出現を確認。一般人の方は早急に避難してください!」
一般人男性「ほら、言った通りだ」
一般人女性「はぁ、せっかくあの場所で買い物したかったのに・・・最悪」
黒沼 晶「ご苦労なこった。 あんな奴らのことも、命をかけて守らなきゃいけないなんてな」
黒沼 晶(今回の襲撃は小型ギャラジーのみ。 隊員たちだけでいけるだろうし、帰るか)
「キャアアアアッッ!」
黒沼 晶「ん? あーあー、かわいそ」
黒沼 晶「あいつら助けんの気が引けるな。 ったく、隊員がしっかり仕事しろよ」
一般人女性「・・・」
一般人男性「おい、何倒れてんだよ! チッ、気失ってんじゃねぇか・・・!」
地球外生命体A「ギャオオオォォォォォ!!!」
一般人男性「あー、クソ! 隊員の奴らどこいんだよ、使えねぇな! 俺は逃げるからな! お前は囮になってろ!」
地球外生命体A「ガアァァアアァァァァァ!!」
黒沼 晶「黙れ」
黒沼 晶「あー、めんどくせぇ。 こいつ気失ってんじゃねーか」
隊員「黒沼さん! すみません、私が目を話していた隙にギャラジーが・・・!」
黒沼 晶「隊員ならしっかり仕事しろ、めんどくさい。 あとこいつのこと頼んだぞ。俺は帰る」
隊員「ま、待ってください、黒沼さん! 今回の襲撃、小型ギャラジーが私たちだけでは抑えきれないほどいるんです!」
隊員「どうか、対ギャラジーの日本の最大戦力と呼ばれている、黒沼さんの力を貸していただけませんか!」
黒沼 晶「えー・・・」
黒沼 晶「これで協力しなかったら俺が上に怒られるだろーな・・・ 仕方ねー、手伝ってやるよ」
隊員「ありがとうございます!」
黒沼 晶「その代わり、焼肉奢ってもらうからな」
隊員「えーーーーッッ!!??」

〇渋谷のスクランブル交差点
黒沼 晶「何かおかしいな、数が多すぎる。 小型だけでの襲撃は、こんなに数はいないはず」
「うわぁぁぁぁぁ!! 助けて!!!」
黒沼 晶「はぁ、また隊員が仕事サボってんのか?」
「黒沼さん、黒沼さんを呼んでくれ! 俺たちにはどうすることもできない!」
黒沼 晶「・・・そういうわけじゃねーみたいだな」
  声がした方向へと、走って向かう。
  高層ビルが立ち並ぶこの場所では、どこで何が起こっているのか分かりづらい。
黒沼 晶「・・・嘘だろ」
黒沼 晶「どっから出てきやがった。大型ギャラジーじゃねぇか・・・!」
  ドラゴンのような翼に、ドロドロとした水色のスライムにコーティングされている体。
  目と言えるものが三つ、赤く光っている。
  どうやら、先ほど大量発生していた小型ギャラジーの親玉のようだ。
  その大型ギャラジーは移動することなく、その場に佇んでいる。
  ただ、このギャラジーが危険なことに間違い無いだろう。
  唖然としていると、怪我を負った隊員たちが十名ほど走ってきた。
隊員「黒沼さん!! 一般人が、隊員が複数名あいつに捕まりました!!」
隊員「逃げ遅れた人たちがあいつの足元に!!」
黒沼 晶「分かった。捕まっている人たちが落下死しないように、ネットの準備をして下がれ!」
「はい!」
黒沼 晶「くそっ、全然効かねー・・・!」
黒沼 晶「・・・仕方ねーな、やるか」
黒沼 晶「対地球外生命体「ギャラジー」専用、身体能力向上装備起動!」
  身体能力強化を確認。呼吸も正常。
  手に持つマシンガンをしっかりと握りしめる。
黒沼 晶「行くぞ」
  敵の正面に回り込む。
  身体能力向上による標準の補正。
  これならいけるだろう。
黒沼 晶「大体外側が硬い奴は、口の中が弱点だって相場が決まってんだよ!」
  ガアァァァァァァァ!!!
  口の中にマシンガンを撃ち込むと、大型ギャラジーは怯んだ。
  ギャラジーの力は弱まり、捕まっていた人々は地面へと落ちていく。
黒沼 晶「高所から落ちて死の危険がある人を優先にネットを張れ! そして動ける隊員は捕まっていた人たちの救護に回れ!」
黒沼 晶「援護射撃はする、安心して近づけ! 安全が確保でき次第下がれ!」
  はいっ!
  援護射撃を続け、大型ギャラジーの視線は俺に向いた。
  これで隊員たちは無事に一般人を救護できるだろう。
  ギャラジーは俺に向かって弱点であるはずの口を開けた。
黒沼 晶「チャンス・・・いや、違うな」
  閃光が降り注ぐ瞬間、瞬時にギャラジーの視界から隠れた。
  俺が元いた場所のコンクリートは、溶けていた。
黒沼 晶「チッ、流石は地球外生命体。 ビームとかいつも通りやることなすこと異次元だな・・・!」
  助けてくださいぃぃぃぃぃ!!
一般人男性「嫌だぁぁぁぁ、死にたくないぃぃぃぃ」
  一人の男が、大型ギャラジーの足元にいた。
  その場から走って逃げようとしている。
黒沼 晶「待て!今あいつの視界の中に入るな!! 殺されるぞ!」
黒沼 晶(まずい、このままじゃアイツ・・・! 助けに入るか!? いや、そもそも助けに行ったとして間に合うか・・・!?)
黒沼 晶(ダメだ、下手すりゃあいつも俺も死ぬ! どうすれば、どうすればいい・・・!?)

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コメント

  • 凄い面白いです!
    確かに一般人からすればいつも助けてくれる有り難みが薄れて当たり前に感じることも増えていくのでしょうけど…。
    この二人の関係性もこれからどうなるのか気になります!

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