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きせき

エピソード12-混色の刻-(脚本)

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〇魔法陣2

〇魔法陣2

〇シックなリビング
明石春刻「やぁ、随分、早いお帰りだったね」
黒野すみれ「・・・・・・返す言葉もない」
  もの数分で1本5000万する蝋燭を無駄にしてしまい、
  現在に戻ることを余儀なくされた私。
  ただ、それでも、目の前の男はヘラヘラと笑っていた。
明石春刻「まぁ、そう悲観したものでもないよ?」
明石春刻「もしかしたら、彼の命を奪った毒と同じものかも知れない」
明石春刻「あと、これで、僕を殺したいと思ってる人間がいるのも分かってもらったと思う」
黒野すみれ「(相変わらず、殺されかかってるのにヘラヘラと!! でも・・・・・・)」
黒野すみれ「(やっぱり、秋川さんのことになると笑わない、か)」
  時折、慈しむように笑うこともあるが、基本的に
  彼を語る時の春刻は苦しげで、悲しげで、
  彼の死に対して、憤り・・・・・・では生易しいが、
  それに似た何かで満ち溢れていた。
黒野すみれ「(まぁ、気持ちは少し分かる。だって、私も・・・・・・)」

〇シックな玄関

〇シックなリビング

〇一階の廊下

〇書斎

〇シックなリビング
黒野すみれ「(家族は父しかいなかったのだから)」
  正確に言えば、私と違って、彼には

〇宮殿の門
  刻世さんや

〇城の会議室
  兄弟はいたかも知れない。

〇新緑
  でも、

〇風流な庭園
  家族と呼べるのは・・・・・・

〇シックなリビング
明石春刻「まぁ、できれば、同じ罠には引っかからないようにして欲しいものだけど」
明石春刻「新しい罠にならじゃんじゃん引っかかってくれて良い」
明石春刻「そうしたら、僕を狙っている人も分かると思うから」

〇魔法陣2

〇魔法陣2

〇貴族の応接間

〇貴族の部屋

〇車内

〇大きな日本家屋

〇大きな日本家屋
  明石家・胡蝶庵。
  元々、明石春刻が住んでいた明石家の別邸で、

〇古民家の居間
  玄関を開けると、お茶室を思わせる空間が現れる。
  その空間を抜けると、

〇畳敷きの大広間
  畳の広がる大広間があり、

〇屋敷の書斎
  読書や勉強ができそうな洋間がある。

〇広い厨房
  あとは広いキッチンに

〇清潔なトイレ
  トイレやシャワールーム、

〇露天風呂
  露天風呂まであり、

〇風流な庭園
  家の外には例の庭がある。
  そして、庭を暫く歩くと、

〇銀閣寺
  また別邸なのか、また別の建物があり、

〇古民家の蔵
  例のあの蔵もある。

〇黒
黒野すみれ「(まぁ、調べたら、秘密の部屋の1つや2つ、ありそうだよね・・・・・・)」

〇武器庫
  こんな感じの倉庫とか

〇祭祀場
  こんな感じの例の蝋燭を作る為の作業場とか

〇怪しげな祭祀場
  こんな感じの怪しげな祭祀場もあるかも知れない。

〇大きな日本家屋
黒野すみれ「(とにかく、これは注意しながらどかして)」
  私は戸に挟まっていて、先程、うっかり触れて
  命を落としかけた原因を慎重に取り除いた。
  一見、USBメモリーに見えるそれには
  針のようなものが飛び出すような仕掛けがしてあり、
  先程はこれのせいで、
  4日前の昼前まで戻ってしまったのだ。
黒野すみれ「(本当は現在にこれを持って帰って、春刻に過去に戻る媒介にしてもらえば分かるのに)」
  そう、こんな感じに。

〇魔法陣2

〇魔法陣2

〇シックなリビング
黒野すみれ「これ、とってきた〜これを仕掛けられる前の時間に戻って、仕掛ける人間を見よう!!」
明石春刻「やったね!! じゃあ、これを媒介にして過去に行ってみよう!!」
明石春刻「じゃあ、行くよ!!」

〇魔法陣2

〇魔法陣2

〇大きな日本家屋
???「よし、これを仕込んで・・・・・・これで、明石春刻は終わりだ」
「何が終わりなんですか? ◯◯さん!!」
???「だ、誰だ?」
黒野すみれ「私が誰でも関係ないですよね。貴方は明石春刻殺人未遂で捕まるのだから・・・・・・」
???「く、くそっ!!」

〇大きな日本家屋
黒野すみれ「(ただ、それは無理。何故なら、過去のものを持って、現在に帰ることはできないから)」
  なので、さっきの話はこんな感じになるだろうか。

〇シックなリビング
黒野すみれ「あれ、とってきた〜あれを仕掛けられる前の時間に戻って、仕掛ける人間を見よう!!」
明石春刻「やったね!! じゃあ、あれを媒介にして過去に行ってみよう!!」
黒野すみれ「ん? 媒介は?」
明石春刻「ああ、過去のものは持ってくることはできないんだ」
黒野すみれ「(なら、早く言え!!)」

〇大きな日本家屋
黒野すみれ「(まぁ、本当に現在に持って帰りたいものなら方法がない訳じゃないらしいんだけど)」

〇貴族の応接間
明石春刻「無理なく本邸のあの時間に戻るにはあの時点で屋敷内にあったものを」
明石春刻「媒介にするしかないけど、幸いなことに僕はあるものをこの場に送ることに成功した」

〇大きな日本家屋
黒野すみれ「(って言ってたから、過去の春刻はあの指輪のように、)」
黒野すみれ「(未来の自分に届くように送った筈)」
黒野すみれ「(まぁ、誰かに運んでもらうとか届けてもらうことができれば可能だろうな)」
  例えば、こんな感じに・・・・・・。

〇貴族の応接間
明石春刻「よし、指輪を何とか応接室に置けた!! あとはこれを黒野家へ届けてもらうだけ」

〇黒
  数日後。

〇一戸建ての庭先
配達員「黒野さーん、お届けものです!!」
明石春刻「はーい」
配達員「こちらにサインをフルネームでお願いします」
明石春刻「はい、黒野草輔っと」
配達員「ありがとうございます。じゃあ、どうぞ」
明石春刻「ありがとうございました」
配達員「はい、では、失礼します。ありがとうございました」
明石春刻「過去の僕、ありがとう」
明石春刻「これで、彼女は何度も過去に戻れる筈だ」
明石春刻「あの4日前の昼前に・・・・・・」

〇貴族の応接間

〇一戸建ての庭先
明石春刻「あとはこれを庭の目立たないところに移動させる」

〇黒
  箱の中には
  ペンに
  紙。
  秘術書に
  マッチ。
  それに、無数の
  蝋燭と・・・・・・

〇大きな日本家屋
黒野すみれ「(まぁ、持ち帰れないものをいつまで見ててもしょうがない・・・・・・)」
黒野すみれ「(まぁ、捜査に行き詰まった時はこれを警察に持ち込むのもアリだけど)」
黒野すみれ「(またここが閉鎖されても困るし、忘れかけてたけど、時間がない)」

〇地下室
  今もこの明石家のどこかに隠れている春刻が
  見つかってしまっても、終わるのだ。

〇魔法陣2

〇大きな日本家屋
  私は胡蝶庵に入った・・・・・・
  それは気が遠くなる程、
  何度となく、何度も、何度も・・・・・・

〇古民家の居間
  ある時は飛んでくるナイフが避けられなかった。

〇屋敷の書斎
黒野すみれ「(えーと、電気は・・・・・・)」
  ある時は部屋のスイッチを押すと、
  部屋の何が爆発して避けられなかった。

〇黒
  あとは

〇清潔なトイレ
黒野すみれ「くっ・・・・・・(るしい・・・・・・)」
  調べていたら、突然、
  毒ガスを噴射されて、ドアを閉められたり

〇広い厨房
黒野すみれ「うっ」
  退路を塞がれた上で火を放たれたり

〇露天風呂
黒野すみれ「えっ!?」
  誰かに背中を押され、露天風呂の底に頭をぶつけて

〇魔法陣2
  なんてこともあった。

〇黒
黒野すみれ「(えーと、火を放たれたのは5回。毒ガスとか針とかは6回。爆発系は4回)」
黒野すみれ「(刃物系は5回。あとは・・・・・・って、もう20回も死にかけてるよ)」
  いや、それだけではない。
  主人も使用人もいなくなり、警察も引き上げ、
  誰もいない・・・・・・筈の、胡蝶庵に2人の人間を
  見かけたのだ。

〇風流な庭園
黒野すみれ「(あれは夕梨花さん?)」
  彼女は人目を避けるように、辺りを見回すと
  何かを庭木の影に置いたように見えた。
黒野すみれ「(何を置いた?)」
  私と夕梨花さんとの間には距離がある為、
  それが何なのか、分からない。
黒野すみれ「(あ、夕梨花さんが去っていく・・・・・・)」
  彼女の長い髪、長いメイド服の裾。
  雨が降っているとは思えない程、軽やかに揺れながら
  美しく去っていく。
  だから、という訳ではないが、私は背後の気配には
  全く気付けなかった。
黒野すみれ「あ、あぁ・・・・・・」
  背中には熱いような激しい痛みが走る。
  どくどくと流れる血。
  気が遠くなり、目が開けていられなくなる。
  私はまた現在へ帰らなければならなくなる。
黒野すみれ「(夕梨花さん、じゃない・・・・・・じゃあ、誰が?)」
  私を刺したのか?

〇城の会議室
  夕梨花さんの主人である朝刻さん?
  それか、主人は違うものの、同じ専属使用人達?
  それか、継承者候補者になっている誰か?

〇魔法陣2

〇魔法陣2

〇シックなリビング
明石春刻「お疲れ様。今回も大変だったね」
黒野すみれ「・・・・・・」
  相変わらずの春刻に私は私を襲った人間のことを聞く。
黒野すみれ「私が死にかける寸前にいつも助けているということは貴方は私を見てることになる」
明石春刻「うん。そうだね」
黒野すみれ「なら、犯人も見てるんじゃあ・・・・・・」
  私はそこまで言うと、春刻は言った。
明石春刻「うーん、ご期待に添えなくて残念なんだけど、その人のことは分からないよ」
明石春刻「基本的に君に見えなかったものは僕にも見えない」
  イメージ的には高いところから見下ろしている感じが
  春刻にはあったが、実はそうではないらしい。
明石春刻「目線は君とほぼ同じだし、」
明石春刻「どちらかと言えば、感覚を共有してるから僕は君を助けられるだけ」
明石春刻「息を引き取るその前にね」

〇黒
  ならば、
  私が死にかかっているのを彼も味わっているのだろうか。

〇地下室
  何度も死にかけて、本当に死ぬその時まで
  1人、明石家のどこかで・・・・・・。

〇シックなリビング
明石春刻「まぁ、彼ならもしかしたら、できたかも知れないけどね」
明石春刻「何度か、君も会っている」
  春刻に言われると、
  私はもう1人、胡蝶庵で見かけた人物を思い出す。

〇黒
  彼を。

次のエピソード:エピソード13-玄色の刻-

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