華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

第五話:気付け、それぞれの役割(前編)(脚本)

華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

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〇研究所の中
赤根武瑠(タケル)「ち、違う! 俺はそんなんじゃ・・・」
櫻井華(ハナ)「何が違うのよ」
赤根武瑠(タケル)「な、なんでもない!」

〇一人部屋
碧川瑛士(エイジ)「あの時のタケル おもしろかったなぁ」
碧川瑛士(エイジ)「あいつ、 自分でもまだわかってないんだろうな」
碧川瑛士(エイジ)「あいつら みーんな鈍感だし」
碧川瑛士(エイジ)「おにーさんが 手助けしちゃおうかな」

〇道場
櫻井華(ハナ)「はっ!」
櫻井華(ハナ)「すぅ・・・」
碧川瑛士(エイジ)「おっ やってるねぇ」
櫻井華(ハナ)「エイジが来るなんて 珍しいじゃない」
櫻井華(ハナ)「少しは訓練する気になった?」
碧川瑛士(エイジ)「まさか」
櫻井華(ハナ)「あのねぇ」
碧川瑛士(エイジ)「おーっと、 お説教はナシで」
碧川瑛士(エイジ)「それより頼みがあるんだ」
櫻井華(ハナ)「頼み?」

〇商店街の飲食店
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「・・・で?」
赤根武瑠(タケル)「え?」
櫻井華(ハナ)「何か話があったんでしょ?」
赤根武瑠(タケル)「えっ」
櫻井華(ハナ)「違うの?」
櫻井華(ハナ)「エイジに言われたんだけど」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「あっ」
赤根武瑠(タケル)「碧川さん・・・!!」
櫻井華(ハナ)「違うんだったら 私 帰るけど」
赤根武瑠(タケル)「まっ 待って!」
櫻井華(ハナ)「なんなのよ」
赤根武瑠(タケル)「こっ ここのケーキ 美味しいんですって!」
赤根武瑠(タケル)「ハナさんにも 食べてほしくって!」
櫻井華(ハナ)「そうなの?」
赤根武瑠(タケル)「そうそう そうなんです」
赤根武瑠(タケル)「店員さーん!」

〇怪しげな祭祀場
  カイゼルは
  ねむっている
ヤン「いかがですか カイゼル様」
カイゼル「・・・・・・」
ヤン「・・・まだ足りませんか」
ヤン「カイゼル様ご復活には どれだけのエネルギーが必要なのか」
ヤン「やはり命の珠を手に入れた方が 手っ取り早いかもしれんな」
イン「ヤン、ここにいましたか」
ヤン「ああ」
イン「カイゼル様のご様子は」
ヤン「まだ覚醒4割といったところか」
ヤン「思っていたより 時間がかかっているな」
ヤン「レジーナの 働きが悪い」
イン「彼女は頑張っていますよ」
イン「やはりあの戦士たちの邪魔が 大きな原因かと」
ヤン「あいつら 最近 急に名乗り出したな」
ヤン「なんていったか・・・」

〇炎
赤根武瑠(タケル)「熱き情熱の戦士! ローズレッド!」

〇水の中
碧川瑛士(エイジ)「涼しき知恵の戦士 メイプルブルー」

〇月夜
倉石 龍太(リュウタ)「重き忍耐の戦士 マグノリアブラック」

〇花模様
櫻井華(ハナ)「疾き愛の戦士 サクラピンク!」

〇ポップ
「華学戦隊!」
「サイエンジャー!!」

〇怪しげな祭祀場
ヤン「そうそう、 サイエンジャーだ」
ヤン「登場する度に 名乗るんだが 必要なのか?アレは」
イン「さぁ・・・」
イン「しかし古来の日本には 決闘の前に」
イン「互いに名乗りを上げる風習があったと 文献で読みました」
イン「それが礼儀だと」
ヤン「ふむ・・・ ならば我々も名乗るべきか?」
ヤン「それがこの国の礼儀ならば 乗るしかあるまい」
イン「そうですね」
イン「我々も 誇り高きカイゼル様の騎士として」
イン「侵略する相手といえど 敬意は払うべきかもしれません」
ヤン「よし、では次は我々が奴らに 挨拶しに行こう」
ヤン「ちゃんと名乗ってこなくてはな」
イン「はい では・・・どのように名乗るか 考えましょう」
レジーナ「・・・・・・」
レジーナ「随分ウキウキしてたけど 何かいいことでもあったのかしら?」

〇テーブル席
櫻井華(ハナ)「ここ、ドーナツも美味しいわね」
赤根武瑠(タケル)「でしょ! 前に友達がオススメしてて、 ケーキ好きなら間違いなしだって」
櫻井華(ハナ)「本当ね じゃあこのお店のこと、 リュウタにも教えてあげて きっと喜ぶわ」
赤根武瑠(タケル)「あ・・・そう、ですね」
櫻井華(ハナ)「ごちそうさま!」
櫻井華(ハナ)「それじゃ、私は行くわね」
赤根武瑠(タケル)「えっどこに行くんですか」
櫻井華(ハナ)「どこって、戻って修行しないと」
櫻井華(ハナ)「今のままじゃ怪人には勝てても 幹部の奴らには勝てそうにないから」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「あなたも名乗りとか考える暇があったら ちゃんと鍛えなさい」
櫻井華(ハナ)「リーダーが真っ先に負けるなんて 冗談じゃないからね」
赤根武瑠(タケル)「うぅ・・・はい」
櫻井華(ハナ)「それじゃあね」
赤根武瑠(タケル)「あっちょ、支払いは俺が・・・!」
赤根武瑠(タケル)「わっカップが!」
???「きゃー!」
赤根武瑠(タケル)「す、すみませんすみません!」
櫻井華(ハナ)「ふふっ」

〇商店街の飲食店
店員「ありがとうございましたー!」
赤根武瑠(タケル)「はぁ」
赤根武瑠(タケル)(結局奢ってもらっちゃってるし 何のためのデートだよ)
碧川瑛士(エイジ)(!!)
碧川瑛士(エイジ)「よっ悩める青少年」
赤根武瑠(タケル)「碧川さん」
碧川瑛士(エイジ)「デートうまくいった?」
碧川瑛士(エイジ)「・・・って、きくまでもないか」
赤根武瑠(タケル)「碧川さーん! 何余計なことしてくれてんですか!」
碧川瑛士(エイジ)「いやーだってタケルが青春してそうな感じだったから」
碧川瑛士(エイジ)「おにーさんとしては応援したいなって思ってね」
赤根武瑠(タケル)「応援って」
碧川瑛士(エイジ)「ハナちゃんにコレでしょ?コレ」
赤根武瑠(タケル)「なっ・・・!」
赤根武瑠(タケル)「お、俺は別にそんな・・・!」
碧川瑛士(エイジ)「わーいいねいいねその顔! おにーさん大好きだよ 応援したくなっちゃうな」
赤根武瑠(タケル)「み、碧川さん!」
「!!」
赤根武瑠(タケル)「今の音・・・」
碧川瑛士(エイジ)「グラウードの奴らとは限らないけど、 行ってみるべきだね」
赤根武瑠(タケル)「はい、行きましょう」

〇研究所の中
  30分前
葉隠拓郎(ハガクレ)「~♪」
櫻井華(ハナ)「ただいま」
葉隠拓郎(ハガクレ)「おう、おかえり」
櫻井華(ハナ)「叔父様、お土産にケーキ買ってきたの 美味しかったから食べてね」
葉隠拓郎(ハガクレ)「お、ありがと」
葉隠拓郎(ハガクレ)「どうしたの」
櫻井華(ハナ)「え?なにが?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「なんだかご機嫌だね」
櫻井華(ハナ)「・・・そうかしら」
葉隠拓郎(ハガクレ)「そうだよ 何かいいことでもあった?」
櫻井華(ハナ)「・・・何かあったかしら」
葉隠拓郎(ハガクレ)「はは、何それ 自分で自覚ないのかい?」
櫻井華(ハナ)「ええ 別に普通だったと思うんだけど・・・?」

〇研究所の中
  イシュタリアツリーが
  かがやいている
葉隠拓郎(ハガクレ)「あっ」
櫻井華(ハナ)「グラウードね!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「皆には僕が連絡する ハナはすぐに向かってくれ」
櫻井華(ハナ)「わかったわ!」

〇開けた交差点
ヤン「いつ来ても人間が多いな」
イン「ええ エネルギーに溢れています」
ヤン「少しでも多くのエネルギーを回収して 帰るぞ レジーナ一人では頼りにならんからな」
イン「・・・そうですね 一人より二人、二人より三人で働くのが 確実です」
  くるまが
  たくさんはしっている
ヤン「・・・・・・」
ヤン「・・・これがいい」
男性「!? な、なんだ!?」
  とつぜん
  くるまが
  だいぼうそうをはじめた!
  くるまは
  がいろじゅに
  げきとつした!
イン「なに!?」
  命の珠が
  うかびあがった!
ヤン「お、ゲット」
イン「ヤン!いきなりなんてことを・・・」
ヤン「そう怒るな、この命の珠は不可抗力だ わたしの目的はこれではない」
イン「なに?」
  ほのおのなかから
  モンスターが
  あらわれた
イン「あれは・・・先程の乗り物が変形したのか」
ヤン「わたしのパワーを送り込んでやった どうだ、すごいだろう? いくらでも作れるぞ」
イン「・・・次からは説明してからやってください」
イン「あと、命の珠はなるべく奪わないように 人間が少なくなればすぐにエネルギーが 枯渇してしまいますから」
ヤン「やれやれ、面倒なことだ」
  車モンスターが
  ふえていく
ヤン「さあ我がしもべたちよ 人間どもからエネルギーを奪い取れ」
???「まて!」
「!!」
ヤン「来たか」
櫻井華(ハナ)「タケル、エイジ!」
碧川瑛士(エイジ)「お、きたね」
倉石 龍太(リュウタ)「俺もいるぞ」
赤根武瑠(タケル)「倉石さん!」
赤根武瑠(タケル)「よし、全員集合だ!」

〇炎
赤根武瑠(タケル)「熱き情熱の戦士! ローズレッド!」

〇水の中
碧川瑛士(エイジ)「涼しき知恵の戦士 メイプルブルー」

〇月夜
倉石 龍太(リュウタ)「重き忍耐の戦士 マグノリアブラック」

〇花模様
櫻井華(ハナ)「疾き愛の戦士 サクラピンク!」

〇ポップ
「華学戦隊!」
「サイエンジャー!!」

〇開けた交差点
ヤン「ふん、丁寧なごあいさつありがとう」
ヤン「ならばこちらもいくぞ」
倉石 龍太(リュウタ)「!!」

〇水たまり
イン「グラウード一族カイゼル王の一の部下」
イン「白銀の知将、インでございます」

〇雷
ヤン「同じく二の部下」
ヤン「黄金の猛将、ヤンだ」

〇開けた交差点
イン「我々がお相手しましょう」
ヤン「よろしく頼むぜ」

次のエピソード:第六話:気付け、それぞれの役割(後編)

コメント

  • デートと名乗り、この2つが共存する回って面白いですね!ドストレートに戦隊モノで、敢えて名乗りについて疑問を呈するのは斬新ですねw

  • ここまで読ませていただきましたが、個人的には強面なのに甘党男子なブラックが推せます👍
    戦隊ヒーローのお話だけでなく、鈍感な二人の淡い恋路も!まだまだ続きが気になります!
    それにしても、律儀に名乗るインとヤンがなんか可愛かったです〜☺きっとウキウキしながらどう名乗るか考えていたんでしょうね……ふふ(笑)

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