悪魔さんと天使のゆる~異日常

ヨリミチ

エピソード1(脚本)

悪魔さんと天使のゆる~異日常

ヨリミチ

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〇グラウンドの隅
悪魔さん「誰もこない。 やっぱりバナナじゃダメなのかしら?」
  ・・・・・・
悪魔さん「暇ね。 落ちた時に足首をひねったりしたら大変だから、浅く掘り直したり──」
「きゃあ!?」
悪魔さん「かかった!?」
  落とし穴をのぞき込むと、女子生徒が一人。
  ケガをしている様子はない。
悪魔さん「ほっ」
  さて、気を取り直そう。
  ここからが本番だ。
悪魔さん「そこの女子! 私は悪魔よ!  そこから出たければ苦しそうな顔をして私に負の感情を吸わせなさい!!」
天使さん「はっ!? バナナは?」
天使さん「あった! もぐもぐもぐもぐもぐ」
悪魔さん「聞きなさいよ! もう!」
  何なのこの子
  私は落とし穴を滑り下りていく
悪魔さん「さあ、目の前に悪魔が下りて来たわよ? 怖いでしょ!  苦しみに顔を歪ませるがいいわ!!」
天使さん「けぷ。 ごちそうさまでした!」
  !?
  一瞬背中に白い翼のようなモノが見えた気がした。
悪魔さん「ちょ、なに自力で脱出してんのよ! あ、あれ? 上がれない!?」
  キーンコーンカーンコーン
天使さん「あ、授業の時間です。 バナナありがとうございました!」
悪魔さん「待って、私もここから出して! 待ちなさいよこの悪魔ああ!」

〇学校の廊下
悪魔さん「恐ろしい目にあったわ。 授業にも遅れるし」
悪魔さん「でも、これも地獄に帰るため。 めげるな私!」
天使さん「あ、さっきの。 バナナありがとうございました。 皮お返ししますね?」
悪魔さん「いえいえ、どういたしまして」
  ・・・ん?
悪魔さん「でたわねこの悪魔!!」
天使さん「悪魔じゃないです。 私は天使ですよ?」
  天使ぃ? 何言ってんのこの子頭おかしいのかしら?
悪魔さん「悪魔は比喩よ。 あなた人間でしょ? 人間は時に悪魔よりも悪魔的だって地獄で聞いたことがあるわ」
天使さん「そうなんですか?」
  そうよ!
悪魔さん「故に、間違いなくあなたは人間よ!」
  私はバナナの皮を投げ捨てた
男子A「うわああ!?」
  バナナの皮で通りすがりの生徒が滑り頭を打つ
男子B「お、おいしっかりしろ! だいじょぶか!」
男子A「死ぬ前に一度、彼女を作りたかっ――ガクッ」
男子B「おい! おい! 死ぬな!  週末一緒にナンパに行こうって約束したろ! うわあああ!」
  えっ、これって・・・私のせい?
悪魔さん「ど、どうしよ」
天使さん「どいてください」
男子B「なっ、きみ何を」
  彼女が倒れて動かない男子に手を翳したら、光が瞬いた。
天使さん「これで大丈夫です。さ、帰りましょうか」
  私は彼女に腕を引かれる。
悪魔さん「帰るってなんであんたと。 今の光は何?  説明を──」
  背後から歓喜の声が轟いた
男子B「おお! 友よおおお!」
男子A「・・・俺は何をしていたんだ?」
悪魔さん「えぇっ、嘘ぉ?」

〇アーケード商店街
天使さん「悪魔ならば説明するまでもありませんよね? 私は天使です」
  男子を蘇らせたあの不思議な光。
  天使の力なら納得せざるを得ないけど・・・
悪魔さん「でも、まだあんたが天使を自称する変人で、さっきのはトリックの可能性だって―」
天使さん「それを言ったらあなたも悪魔を自称する変人ですよね?」
悪魔さん「自称じゃないわよ!」
  悪魔の力が足りなくて変身できないだけなんだから!
天使さん「これで信じていただけましたか?」
  白い翼に、キトン(服のこと)。
  それはまさしく
悪魔さん「マ、マジの天使じゃん」
  やばい。本物の天使なら悪魔である私にとっては敵だ。
  ただでさえ力を失っている時なのに――。
天使さん「くっ!」
  天使が膝をつく
悪魔さん「な、なにどうしたの?」
天使さん「今ので残りの天使の力を使い切りました。 しばらく天使モードになれません」
  え? これチャンス?
  敵の息の根を止めるチャンス??
悪魔さん「ふふふ、間抜けねあんた!  今ここで悪魔の私が引導を渡してやるわ!!」
  私は拳を振り上げる
警察官「君達、ちょっといいかな? 今の光は? それと君、この拳は何だい?」
悪魔さん「え!? こ、これは」
警察官「イジメはダメだよ? ちょっと署までいいかな」
悪魔さん「ち、ちがっ──」

〇通学路
悪魔さん「大人嫌いッ、すぐ説教するし怒る! こちとら悪魔よ! 誰かを苦しめなきゃ悪魔の力は戻らないのよ!」
  悪魔の力が戻らないと故郷である地獄の門を開けない。それはそれとして
悪魔さん「せっかく子供しかいない学校に潜入したのに! また大人に怒られたわ!!」
  地獄でも怒られたことないのに!!
  私はあんたらよりも数百倍生きてるのよ!
  悔しいいい!
天使さん「よしよし。悪魔さんは大人が嫌いなんですね。でも、学校にも先生という大人がいますよ?」
悪魔さん「そうなの! 悪いことすると直ぐに呼び出されるの!  だから私──」
天使さん「なるほど、それでひっそり校庭の隅に落とし穴を掘って獲物を待っていたと。 間抜けですねぇ」
  その通りだけどなんかこいつに言われると腹が立つわね
悪魔さん「うるっさい! 落とし穴に掛かった天使に言われたくないわよ!」
  しかも、98円のお得用バナナでよ!
天使さん「恥ずかしながらお腹が空きすぎて、つい。 私達、間抜けとアホでいいコンビですね!」
  ん? いいコンビって、それって。
  と、友達ってこと? 
  ふ、ふーん?
悪魔さん「・・・え、ええ。 そ、そうかもね?」
天使さん「うふふ」

〇古いアパート
天使さん「うふふ」
悪魔さん「あはは!」
悪魔さん「――じゃないわ!! なんであんた家までついてきてんのよ!」
天使さん「ちっ! 正気に戻りましたか。 そりゃもちろん、行く当てがないので」
悪魔さん「ゴートゥーヘブン!」
天使さん「いや、それができたらとっくに帰ってますって」
天使さん「ですが、あなたのせいで天使の翼が折れてしまって帰れません」
悪魔さん「は? 私なにもしてないわよ??」
天使さん「落とし穴。記憶にありますよね?」
悪魔さん「わ、わー・・・記憶にある―」

〇古いアパートの一室
天使さん「というわけで、翼が治るまでここにいさせてもらいますね?」
  天使との共同生活なんて地獄の仲間達に知れたら末代までの恥! 追い返さなきゃ!
悪魔さん「だ、堕天しても責任取らないわよ!」
天使さん「では、危険な悪魔の監視ということでここに居座ります」
  監視ですって!?
悪魔さん「悪魔の力は誰かを苦しめないと戻らないって言ったじゃない!  邪魔する気でしょこの悪魔!!」
天使さん「いいえ、天使ですが?」
悪魔さん「嘘よ! このあくどいやり口は悪魔よ! しかも極悪な奴!!」
天使さん「天使ですのでご安心を。 私はあなたが悪いことをしなければ何もしません」
悪魔さん「悪いことをしないなんてそんな悪魔──」
悪魔さん「はっ!?」
  同居するってことは、いつでも苦しめられる相手が身近にできる・・・ってこと!?
天使さん「どうされたんですか?」
悪魔さん「やっぱりあんた好きなだけここにいていいわよ!」
天使さん「はい、そうさせていただきます」
  ふふふ、せいぜい今のうちに笑っておくがいいわ!

〇安アパートの台所
悪魔さん「そうね、じゃあ同居祝いに私がバイトしてるところのケーキでも食べる?」
天使さん「いいのですか? ケーキ大好きです!」
悪魔さん「はい、どーぞ」
天使さん「わー! おいしそうです」
  実はこれ私が作ったワサビ入りケーキだ
  一度バイト先でこっそり出したら店長がブチギレた。なので、仕方なく家でちまちま改良を加えている。
悪魔さん(お客様に出すのがダメでも天使なら!)
天使さん「おいしー!」
悪魔さん「え?  ・・・え?」
  嘘でしょ? 辛くないの? 痛いでしょ!?
  それとも、本当に美味しいの?
悪魔さん「ちょっと、一口ちょうだい?」
天使さん「いいですよ」
  ぱくり
悪魔さん「辛ぁああ!? ひぃいん! お水! 水!」
天使さん「だ、大丈夫ですか!?」
  天使が水を差し出して背中をさすってくる
悪魔さん「な、なんで平気なのよあんた!」
天使さん「え? 何がですか??」
悪魔さん「うう、絶対、絶対にあんたをこのケーキで苦しめてやる!」
  ついでに悪魔の力を取り戻して地獄に帰ってやるんだから!
天使さん「そういうことでしたか。 天使である私は何でもおいしく頂けるので苦しめるのは大変だと思いますが」
天使さん「まあ、頑張ってくださいね!」
悪魔さん「煽ってんじゃないわよこの天使が!!」

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コメント

  • すみませんコメ書くのを忘れてました。
    1話もう一度読みました。
    初めまして🩷
    一応tapライターをやってる「わからん」と申します。
    天使さんの美しさ可愛らしさと天然は反則だと思います🩷
    悪魔さんはツンデレさんなんですね🩷
    続きもぜひ読みたいと思います🩷
    ではまた🩷

  • 悪魔の悪がどれほどのものか経験がないのでわかりませんが、人間の内に潜む悪は文章中でもあったように、悪魔の比にならないほど増悪かもしれませんね。コミカルな彼女達の会話を聞いていると、天使も悪魔も紙一重なのかもと思ってしまいます。

  • 天使と悪魔。ボケとツッコミ。楽しいな。二人が同居する生活で毎日がドタバタの始まりです。果たして二人は自分の世界に帰れるのか?

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