白も黒も曖昧な世界で(脚本)
〇土手
正義のヒーローと悪の怪人
見慣れた光景の中で幼い俺が憧れたのは
何度倒されても己を鍛え上げ
正々堂々ヒーローに立ち向かう
そんな怪人だった
〇市街地の交差点
それから十数年後
自分達の目的の為に悪事を行う怪人
人々を守る為に戦うヒーロー
当たり前だったそんな関係は大きく変化していた
銃器ヒーロー ガトー「これで終わりだ!牛怪人ブル」
「ぐあぁ」
牛怪人ブル「新人早く倒れろ」
???「俺はまだ戦え」
牛怪人ブル「いいからさっさとしろ」
白黒チャンネルという動画配信サイト
提携を結んだヒーローと怪人の戦いなどを
動画や生配信で公開
その再生数に応じて
スポンサーから大きな報酬が支払われる
???「ぐっ」
支払われた報酬の一部は運営に
残りは参加したヒーロー側と怪人側への
視聴者の投票によって分配が決められる
撮影と称し警察すら介入しなくなったその光景は
一部の人間からヒーローショー
とまで揶揄されるようになっていた
銃器ヒーロー ガトー「うおぉ!」
俺が憧れた頃の怪人やヒーローの姿はそこにはもうない
これが今の世界だ・・・
〇古いアパートの部屋
???「998、999」
???「1000」
???「筋トレ終了」
???「はい」
???「怪恐、そろそろ家に戻ってこい」
正宗 怪恐「親父か」
父「お前の出てる動画見たぞ」
父「あれがお前の夢だった世界一カッコいい怪人か?」
正宗 怪恐「それは」
父「お前だってもう分かってんだろ」
父「誰もが夢を叶えられる訳じゃねぇ」
父「だからお前は黙って俺みたいな」
正宗 怪恐「うるせぇ」
正宗 怪恐「しつ」
オペレーター「私、怪人組合オペレーターの佐藤と申します」
オペレーター「こちら正宗怪恐様の携帯でしょうか?」
正宗 怪恐「うっす」
オペレーター「次の仕事が決まりましたのでご連絡させて頂きました」
オペレーター「次回はドール怪人ジャンク様のサポートとなります」
オペレーター「詳細情報はこの後纏めてメールで送らせて頂きますので」
オペレーター「何かありましたらサポートの方にご連絡下さい」
正宗 怪恐「はい!感謝っす!」
正宗 怪恐「・・・」
正宗 怪恐(家を出ても夢が叶う訳じゃねぇ)
正宗 怪恐(白黒チャンネル運営の怪人組合には登録した)
正宗 怪恐(生活の為の金も入るし)
正宗 怪恐(きっとこのまま活動を続けていれば)
正宗 怪恐(だけど)
正宗 怪恐(心が何故かざわつく)
正宗 怪恐(世界一カッコいい怪人)
正宗 怪恐(俺にとって世界一カッコいいって何なんだ?)
〇川沿いの公園
執事ヒーロー ジェントル 「出たな怪人ジャンク」
メイドヒーロー エレガンス「かかって来なさい」
「うおぉ」
ドール怪人 ジャンク「おっとそこまでだ」
執事ヒーロー ジェントル 「貴様らの口車になど乗るか」
ドール怪人 ジャンク「ふん!そんな態度をとっていいのか?」
ドール怪人 ジャンク「連れてこい!」
正宗 怪恐(は?)
通行人「離せ!」
怪人「黙れ」
通行人「ぐ」
正宗 怪恐(何だこの流れ?メールには書いてねぇぞ?)
通行人「こんな事されるなんて聞いてない!さっさと離」
通行人「う」
怪人「静かにしてろ」
怪人「後で口座さえ教えてくれれば出演料を送ってあげますから」
通行人「そういう問題じゃ!組合に抗議してやる!」
怪人「残念ながらこれ動画なんで こういうのカットしちゃうんですよね」
ドール怪人 ジャンク「おい新人!」
ドール怪人 ジャンク「お前も参加しろ」
正宗 怪恐「は?」
ドール怪人 ジャンク「お前もあいつを殴れ!」
メイドヒーロー エレガンス「あれほっといていいの?」
執事ヒーロー ジェントル 「いいんだよ」
執事ヒーロー ジェントル 「人質が殴られた後にカッコ良く助けた方が盛り上がるし、俺らの評価も上がるだろ?」
ドール怪人 ジャンク「さっさと殴れ!」
正宗 怪恐「俺は」
正宗 怪恐「・・・」
通行人「やめ」
正宗 怪恐「・・・」
正宗 怪恐(これが怪人だ)
ドール怪人 ジャンク「やるじゃねーか」
正宗 怪恐(免許証?)
ドール怪人 ジャンク「そうだ」
ドール怪人 ジャンク「こいつの住所晒したら盛り上がるな」
ドール怪人 ジャンク「それ寄越せ」
正宗 怪恐「・・・」
正宗 怪恐(これが夢への近道)
正宗 怪恐(その筈だよな?)
???「止めろ!」
ドール怪人 ジャンク「ぐぇ」
???「逃げなさい」
通行人「ありがとうございます」
執事ヒーロー ジェントル 「おい!良い所なのに何してくれてんだよ?」
執事ヒーロー ジェントル 「あんた確か怪我でヒーローを引退したクリムゾンだよな?」
執事ヒーロー ジェントル 「この事は組合に報告させて貰うからな」
元煙炎ヒーロー クリムゾン「好きにしろ」
元煙炎ヒーロー クリムゾン「どんな時でも」
元煙炎ヒーロー クリムゾン「困ってる人を助けるのがヒーローだ!」
正宗 怪恐「・・・はは」
正宗 怪恐(人質殴って住所まで晒そうとした俺とは雲泥の差じゃねぇか)
正宗 怪恐(俺ダサすぎんだろ)
〇休憩スペース
怪人組合 休憩室
ドール怪人 ジャンク「ふざけんなよ新人!」
ドール怪人 ジャンク「俺が殴られてるのに何で助けねぇ!」
ドール怪人 ジャンク「てめぇのせいで動画上げれなかったらどうする」
ドール怪人 ジャンク「そうなったらボーナスもなしだぞ」
正宗 怪恐「すみ・・・ません」
怪人「まぁまぁ落ち着いて下さいよジャンクさん」
怪人「きっとこいつ怪人ってのをよく分かってないんですよ」
ドール怪人 ジャンク「ちっ!」
ドール怪人 ジャンク「次は気を付けろよ?」
正宗 怪恐「はい」
ドール怪人 ジャンク「ふぅ」
ドール怪人 ジャンク「にしても今日の殴られた時のおっさんの顔は傑作だったな」
怪人「あれは笑いました」
ドール怪人 ジャンク「人質とったり、物壊したり、ただ悪い事するだけでボーナス出るなんて」
ドール怪人 ジャンク「こんな楽な仕事他にねーだろ」
怪人「福利厚生もしっかりしてますしね」
怪人「人手が必要な怪人へのサポートも仕事として回してくれますし」
ドール怪人 ジャンク「ストレス解消にもなるし本当最高だぜ!」
怪人「まぁ白黒チャンネルに上げた動画や配信の視聴者投票じゃ」
怪人「俺たち怪人側がヒーローより圧倒的に不利ですし」
怪人「分配が毎回少なくなる以上 これぐらいないとやってられませんよねぇ」
ドール怪人 ジャンク「まぁな」
ドール怪人 ジャンク「噂じゃヒーローは新人の頃から名前貰ったり グッズ出して貰えるらしいが」
ドール怪人 ジャンク「人気が出るまで殆ど稼げないらしいな」
ドール怪人 ジャンク「有名ヒーローとは再生数も収入も天と地の差らしいぜ」
怪人「ヒーローから金目的で怪人になるなんて話もよく聞きますからね」
ドール怪人 ジャンク「おい話聞いてるか新人?」
正宗 怪恐「はい」
正宗 怪恐(もう何度聞いたか分からねぇ)
ドール怪人 ジャンク「でもまぁ」
ドール怪人 ジャンク「やっぱり一番馬鹿なのは」
ドール怪人 ジャンク「白黒チャンネルが用意した ヒーロー組合にも怪人組合にも参加せずに」
ドール怪人 ジャンク「金も出ねぇ活動してる野良ヒーローや野良怪人だよな!」
正宗 怪恐「そんなこと!」
正宗 怪恐(ない・・・なんて 怪人組合に入ってる俺が言えねぇ)
正宗 怪恐(金目的の怪人と、再生数や人気目的のヒーロー)
正宗 怪恐(こんな話を聞く度に)
正宗 怪恐(これが今の世界だって言われてるみてぇで心がまたざわついてくる)
ドール怪人 ジャンク「おい新人」
ドール怪人 ジャンク「確かお前親父さんと喧嘩してこっち来たらしいな」
正宗 怪恐「そうっす」
ドール怪人 ジャンク「ちゃんと活躍しねぇといつまで経っても怪人名すら貰えねぇぞ?」
ドール怪人 ジャンク「しっかりしやがれ!」
正宗 怪恐「はい」
オペレーター「次の仕事です」
〇大学の広場
粉砕怪人 ライノス「我と戦うつもりか? 弱きヒーローよ?」
消防ヒーロー ファイター「当たり前だ」
街角ヒーロー ビニコン「俺たちは諦めねぇ」
「行くぞ」
正宗 怪恐(俺は本当にこれでいいのか?)
正宗 怪恐(犬?何処から紛れ込んで?)
正宗 怪恐「危ねぇ」
正宗 怪恐「なっ」
正宗 怪恐(ヒーローの攻撃から犬を庇って?)
正宗 怪恐(あいつらあの位置からなら犬が見えてるだろ! 何でやめねぇ!)
街角ヒーロー ビニコン「あいつ犬庇ってないか?」
消防ヒーロー ファイター「いいんだよ! ド派手な方が再生数も観客も盛り上がるからな」
消防ヒーロー ファイター「何か言われたら怪人が犬を襲おうとしてたとでも言えばいい」
いいぞー!もっとやれ!
やっぱりヒーローと怪人の戦い最高!
正宗 怪恐(ふざけんじゃねぇ!)
正宗 怪恐(あのヒーローたちも観客も何を盛り上がって)
正宗 怪恐「あっ」
〇大学の広場
粉砕怪人 ライノス「ここは」
正宗 怪恐「良かった」
粉砕怪人 ライノス「貴様が介抱してくれたのか」
正宗 怪恐「はい」
粉砕怪人 ライノス「あの犬は?」
正宗 怪恐「無事です」
正宗 怪恐「飼い主さんが迎えに来たら元気に走り回ってましたよ」
粉砕怪人 ライノス「良かった」
正宗 怪恐「飼い主さんに怪人が助けたって話したら きょとんとしてましたけど」
正宗 怪恐「ありがとうございましたって言ってました」
粉砕怪人 ライノス「そうか」
粉砕怪人 ライノス「治療感謝する」
粉砕怪人 ライノス「では我は」
正宗 怪恐「あの」
正宗 怪恐「ボーナスに繋がらないのに何で犬を助けたんすか?」
粉砕怪人 ライノス「それは」
粉砕怪人 ライノス「・・・」
粉砕怪人 ライノス「我は確かに怪人だ」
粉砕怪人 ライノス「だが我の活動と他のものは関係ない」
粉砕怪人 ライノス「だから関係ないものを巻き込むような事は絶対にしたくないのだ」
正宗 怪恐「・・・」
正宗 怪恐「でもそんなの辛くて大変じゃないっすか?」
正宗 怪恐「さっきだって無抵抗にボコボコに」
粉砕怪人 ライノス「・・・」
粉砕怪人 ライノス「我はまた同じ事が起きても今日と変わらぬ行動をとる」
正宗 怪恐「そんな」
粉砕怪人 ライノス「貴様新人の怪人だな?」
正宗 怪恐「そうっす」
粉砕怪人 ライノス「・・・」
粉砕怪人 ライノス「生きてる限り辛いことや苦しいことなど星の数ほどある」
粉砕怪人 ライノス「でもそんな中で1つだけでも譲れないものが出来たなら」
粉砕怪人 ライノス「それを大事にしたくなるのは必然だろう?」
正宗 怪恐「・・・」
粉砕怪人 ライノス「貴様ももしそんなものが出来たら大事にしろよ?」
〇古いアパートの部屋
正宗 怪恐「998、999」
正宗 怪恐「1000」
正宗 怪恐「ふぅ」
正宗 怪恐「また心がざわつく」
正宗 怪恐(この間も今日だってそうだ)
正宗 怪恐(怪人側の行動もヒーロー側の行動も 見ていて心が重くなった)
正宗 怪恐(まぁその場にいても何も出来ない俺が 偉そうに言えたことじゃねぇが)
正宗 怪恐「何してんだ俺?」
正宗 怪恐「はぁ」
正宗 怪恐「にしてもこの間のヒーローのおっちゃんも 今日のライノスさんもカッコ良かったな」
正宗 怪恐(2人を思い出すだけで心が熱くなる)
正宗 怪恐(あれはまるで)
正宗 怪恐(俺が憧れた・・・)
正宗 怪恐「はぁ・・・」
正宗 怪恐「この間の」
正宗 怪恐(今のやり方でいいんだよな?)
正宗 怪恐「俺がなりたい世界一カッコいい怪人は・・・」
正宗 怪恐「あぁぁぁ!もうわかんねぇ! とりあえず筋トレもうワンセット追加だ!」
オペレーター「次の仕事です」
〇荒れた倉庫
ドール怪人 ジャンク「おい!あれの準備をしておけ」
怪人「はい!」
正宗 怪恐(また何か勝手に)
剣道ヒーロー サムライ「来たな!怪人ジャンク!」
柔道ヒーロー クロオビ「行くぞ」
ドール怪人 ジャンク「中々やるじゃねぇか」
ドール怪人 ジャンク「だけど」
ドール怪人 ジャンク「これならどうだ?」
子ども「ひっく・・・」
正宗 怪恐「ガキ!?何で?」
剣道ヒーロー サムライ「卑怯だぞ」
子ども「離して!何でこんな事するの?」
ドール怪人 ジャンク「うるせぇ!クソガキ!」
ドール怪人 ジャンク「てめぇの親が報酬が貰えるならって テメェを貸し出したんだよ」
ドール怪人 ジャンク「黙らねぇならぶん殴るぞ」
子ども「ひっ」
正宗 怪恐(ヒーローは?)
柔道ヒーロー クロオビ「どうする?直ぐに助けるか?」
剣道ヒーロー サムライ「いやもう少し待った方が展開的に盛り上がるだろ」
正宗 怪恐「・・・」
ドール怪人 ジャンク「ほら!もっと泣けガキ!」
子ども「うわぁぁぁん」
正宗 怪恐(本当にこれで夢は叶うのか?)
正宗 怪恐「俺は」
正宗 怪恐「・・・」
〇川沿いの公園
元煙炎ヒーロー クリムゾン「困ってる人を助けるのがヒーローだ!」
ヒーローのおっちゃんは
引退していても人を助けた
〇大学の広場
粉砕怪人 ライノス「生きてる限り辛いことや苦しいことなど星の数ほどある」
粉砕怪人 ライノス「でもそんな中で1つだけでも譲れないものが出来たなら」
粉砕怪人 ライノス「それを大事にしたくなるのは必然だろう?」
粉砕怪人 ライノス「貴様ももしそんなものが出来たら大事にしろよ?」
ライノスさんは関係ない誰かを巻き込まない為に
体を張って犬を助けた
〇土手
そして俺が憧れた怪人は
何度倒されても卑怯な手なんて使わずに
正々堂々ヒーローと戦い続けた
俺がなりたいのは・・・
〇荒れた倉庫
正宗 怪恐「・・・はは」
正宗 怪恐「やっと分かった」
ドール怪人 ジャンク「おい!お前も手伝・・・」
正宗 怪恐「黙ってろ!」
正宗 怪恐「最近何度も感じた心のざわつき」
正宗 怪恐「答えは最初から俺の心の中にあった」
正宗 怪恐「俺がなりたい世界一カッコいい怪人は」
正宗 怪恐「俺の心を熱くしてくれたあの人達みたいな」
正宗 怪恐「信念を貫こうとする存在だ!」
正宗 怪恐「俺にはまだその信念が何なのか」
正宗 怪恐「何が正しいのかなんて分からねぇ」
剣道ヒーロー サムライ「はは!何を言うのかと聞いていれば仕様もない」
正宗 怪恐「うるせぇ!」
正宗 怪恐「だけどなぁ」
正宗 怪恐「関係ない人を巻き込んだり 子どもを誘拐したりするような怪人も」
正宗 怪恐「自分の為に助けを求める人を無視したり 無抵抗の相手に攻撃するようなヒーローも」
正宗 怪恐「先輩に加担して悪事を行う己自身も」
正宗 怪恐「全て間違ってると」
正宗 怪恐「俺の心が熱く脈打つんだよ!」
正宗 怪恐「だから・・・」
正宗 怪恐「全部纏めてぶっ倒す!」
ドール怪人 ジャンク「てめぇ何を言い出し・・・」
正宗 怪恐「逃げろ」
子ども「う、うん」
怪人「てめぇ」
怪人「よし!クリーンヒット」
怪人「効いてない?」
正宗 怪恐「こちとらなぁ」
正宗 怪恐「世界一カッコいい怪人になる為に 伊達に毎日鍛えてねぇんだよ!」
正宗 怪恐「次はてめぇらだ」
剣道ヒーロー サムライ「ま、待て」
柔道ヒーロー クロオビ「俺らは悪くない」
正宗 怪恐「何だぁ?」
正宗 怪恐「ガキは助けなかったのに自分が不利になったら命乞いかぁ?」
正宗 怪恐「ヒーロー様が聞いて呆れるなぁ」
正宗 怪恐「あのガキの気持ちも考えろ!」
剣道ヒーロー サムライ「この」
剣道ヒーロー サムライ「やった」
正宗 怪恐「俺は負けねぇ」
正宗 怪恐「自分の信念を見つけて」
正宗 怪恐「それを貫ける存在になってやる!」
正宗 怪恐「うおぉぉぉぉ!」
正宗 怪恐「はぁ、はぁ」
正宗 怪恐(間違ってると思ったのはこれだけじゃねぇ)
正宗 怪恐「こんな事を娯楽として楽しむような世界を」
正宗 怪恐「俺は・・・」
〇綺麗な一戸建て
〇渋谷のスクランブル交差点
???「もしもし親父か?」
???「俺みたいなヒーローになれって話はもういいんだよ」
???「俺は自分のやり方で夢を叶える」
???「だから見てろ」
重機怪人 ダンプ「ん?」
頭脳ヒーロー ブレイン「私たちの生配信に何の用だい?」
???「ファンを騙して金を奪ったヒーローブレイン」
???「沢山の人間に大怪我を負わせた怪人ダンプ」
???「てめぇらはどっちも俺の敵だ!」
???「二人纏めてかかってこい!」
頭脳ヒーロー ブレイン「はは!何だか分からないが前哨戦には丁度いい!」
重機怪人 ダンプ「お前名前は?ボコした後に組合に抗議してやる」
???「俺か?」
???「俺の名は怪人」
怪人 チャレンジャー「チャレンジャーだ!」
終
チャレンジャーかっこいいです!
いろいろと悩んだ結果に出した答えですが、彼は間違ってないと思います。
むしろこんなヒーローと怪人の在り方に、悩むことが出来る彼は立派です。
やり過ぎた行為に喜ぶ野次馬、誰かを傷つけてまで遣りたい放題な怪人と視聴率欲しさに見てみぬふりするヒーロー。どれが正義か悪か、何が正解なのか。怪人チャレンジャーさんの心の葛藤、とても胸に響きました。
信念を貫く、それがヒーローだと悟った怪人さんの芯の強さ、きっと世界に喝をいれてくれそうです。
きっとチャレンジャーさんは今後、色々な配信を正しに行くのでしょうね。
とっても面白かったです(^^)
「怪人といえばこうだ」といった先入観が打ち消された作品。ありがちなコメディか表面的なバトルに傾きがちなこの怪人コンテストで、怪人の心の葛藤をうまく表現された作品だと思いました。