肝試しにきたらそこはホラーゲームの入り口だった

入江恵衣

ラスボス召喚(脚本)

肝試しにきたらそこはホラーゲームの入り口だった

入江恵衣

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〇地下室(血の跡あり)
智樹「相変わらずこの部屋は不気味だな・・・」
茂太「すげー・・・ ゲームとまったく同じだ・・・」
智樹「よし。じゃあ行くぞ」
智樹「おい。聞こえてるか? 犯人見つけてきてやったぞ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
茂太「あ、あれ??」
みく「あ、あの・・・。 何も起こらないけど・・・」
智樹「おかしいな・・・ ゲームの時は、もっと早く反応が・・・」
智樹「あっ!!」
「!!!!」
茂太「き、来た・・・!!!!」
???「はんにん みーーーーーーーーーーーーつけた」
智樹「茂太! こいつ・・・・・・!」
茂太「ちょっ・・・! ど、どうなってんだ・・・!?」
あすか「ひぃぃっ!!!!」
???「はんにん みーーーーーーーーーーーーーつけた」
あすか「や、いや・・・」
???「はんにん みーーーーーーーーーーーーーつけた」
あすか「ち、ちがう・・・! 私じゃない・・・!!」
???「はんにん・・・・・・」
???「みつけたーーーーーーーー!!!!!!!」
智樹「あすか!!!!」
あすか「智樹!!」
智樹「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
あすか「あ、ありがとう・・・」
みく「・・・」
???「・・・ はんにん・・・」
智樹「ちょっと待てよ! なんで、なんでお前がラスボスなんだよ!!」
智樹「ユキナ!!!!」
ユキナ「はんにーーーーーーーーーーーーん」
智樹「ユキナ! まて! 話を聞け!!!!」
ユキナ「・・・・・・ はーーーん、にーーーーーーーん・・・」
茂太「おいおいおいおい、 これは一体どういうことだよ・・・」
さなえ「・・・」
さなえ「私が・・・」
さなえ「これを持ってきたの・・・・・・」
「これは・・・・・・!」
茂太「もしかして、このアイテムがユキナを召喚させたのか・・・?」
みく「さなえ! なんでこれを!?」
さなえ「だってこれは・・・」
さなえ「ユキナのことを虐めていた人のキーホルダーなんだもの」
「え!?」
さなえ「この屋敷の探索で、ユキナの教科書を見た時からこれはなにかあると思ってたの」
さなえ「もしかしたらユキナの思いによって、私たちはこの屋敷に集められたのかもしれないって」
智樹「おい、さなえ・・・ 一体どういうことだよ」
さなえ「ユキナは小学校一年生の時にこの町に引っ越してきた。それはみんなも知ってるよね」
さなえ「転校してすぐ、上履きがなくなっていたり、筆箱がゴミ箱に捨てられていたり、いろいろ嫌がらせを受けてたみたい」
さなえ「・・・」
さなえ「春休みに入る直前、いじめのことを打ち明けられたわ」
さなえ「体育の授業が終わって教室へ戻ると、すべての教科書にひどい落書きがされていたって」
さなえ「この教科書も、その時に見せてもらったの」
さなえ「そして・・・」
さなえ「ユキナがとても大切にしていたモノが、カバンの中から無くなっていた」
智樹「大切なモノ・・・?」
さなえ「ユキナのご両親の形見。 それがカバンの中から無くなっていたそうよ」
さなえ「そして、机の下にこのキーホルダーが落ちていたんだって」
さなえ「たぶん、このキーホルダーの持ち主が、今までの嫌がらせの犯人だと思うって言ってた」
みく「ちょっと待って。ユキナって虐められていたの?」
みく「私、同じクラスだったけどそんなこと知らないよ!?」
さなえ「転校してきたばかりだし、誰にも相談できなくてずっと一人で抱えていたみたい」
さなえ「ユキナは幼い頃にご両親を事故で亡くして、おじいさんに引き取られてこの街に引っ越してきたでしょう」
さなえ「いじめのことを打ち明けてくれた時、ユキナ泣いていたわ」
さなえ「死にたいって。 自分もご両親のところへ行きたいってずっと泣いてた」
ユキナ「はーーーー、んんーーーー」
智樹「そんな・・・」
智樹「ユキナ・・・。 虐められていたことなんて、俺には一言も・・・」
ユキナ「にーーーー、いいいいいい、んんんんんーーーーーー」
茂太「智樹・・・」
みく「でも、犯人見つけたってことは・・・。 このキーホルダーの持ち主ってもしかして・・・」
あすか「・・・・・・」
あすか「あんたがこんなもの持ってくるから・・・」
あすか「私がゾンビになるところ だったじゃないのよー!!!!」
あすか「さなえー!!!!」
さなえ「あ、あすか!!!!」
茂太「あぶない!!!!」
さなえ「茂太君!」
茂太「さなえ! 無事だな!」
さなえ「あ、ありがとう・・・」
あすか「ちょっと」
あすか「ちょっと、ちょっと、ちょっと!」
あすか「ねぇ茂太ぁ。 あんた、なに邪魔してんのよ・・・」
さなえ「茂太君! 危ないよ! 私から離れて!」
茂太「絶対に離れない! さなえは俺が守る!!」
さなえ「茂太君・・・」
あすか「はー??」
あすか「恋愛ごっこなら余所でやってよね。 死ぬか生きるかって時に、マジでウザい」
みく「あすか! あすかがユキナを虐めていたの!?」
あすか「だったらなに? 虐めいじめって何回いうのよ。あんたらさっきから超絶うざいんだけど」
智樹「あすか! お前、今自分がなに言ってるかわかってんのかよ!!」
あすか「分かってるよ。そこらへんのバカと一緒にすんなよ」
あすか「ほんと、マジでうざーー。 なんであんたたち、そんなに熱くなってんの?」
「!!」
あすか「あのさ~、私みたいな可愛い子はこんなところで死ねないんだよ」
あすか「あんたたちがゾンビになったらいいのよ。 てか、ゾンビになるべきなのよ」
あすか「ねぇ、悪いけど」
あすか「私のために犠牲になってくれないかなー!! きょう子みたいにーーーーーー!!」
智樹「あすか! やめろ!!!!」
あすか「だからマジでうざいって言ってんだろ! お前のそういうヒーロー気取りなところ」
あすか「すげームカつくんだよ!!!!」
智樹「あすか・・・」
みく「あすか! きょう子みたいにってどういうこと!?」
あすか「みく・・・ あんたも本当にウザいよね・・・」
あすか「人の言葉尻にいちいち突っかかるとか。すげー嫌なやつ・・・」
みく「あすか! こたえて!!」
あすか「はーーーーっ」
あすか「私の盾になってもらったの。ぬいぐるみが 襲ってきたからきょう子を突き出しただけ」
みく「あすか・・・!!」
あすか「あのねぇ、あいつが言ったのよ。 自分の安全が第一優先だって」
あすか「私はそれに従ったまでよ」
あすか「それにさ、仕方なくない? 可愛い子が生き残って不細工は死ぬ。 太古の昔からそう決まってるじゃない」
みく「あすか!! ひどい、酷すぎるよ!!」
ユキナ「おまえが はん・・・に、ん・・・」
ユキナ「・・・」
ユキナ「・・・・・・ ネックレス、あたし・・・の・・・」
あすか「は? なによ、ネックレスって」
ユキナ「ネックレス・・・ あ、あた・・・しのネックレス・・・」
ユキナ「あた・・・・・・ あ、あたし・・・・・・」
ユキナ「あたしのネックレスかえせーー!!!!」
あすか「ち、ちょっと!! なによ!!」
ユキナ「うああああああああああああ!!!!」
あすか「ちょっと! 危ないでしょ!!」
あすか「あんたたちも! ボケっと見てないでさっさと助けなさいよ!!」
智樹「ユキナ! 落ち着くんだ! やめろ!!」
ユキナ「ネックレス・・・、あ、あた、しの ネ・・・クレス・・・・・・」
ユキナ「ネックレスーーーー!!!!!!」
あすか「わっ!」
ユキナ「かえせーーーーーーー!!!!!!!」
あすか「・・・・・・え?」
あすか「あ・・・ あたし・・・」
さなえ「あすか!!」
茂太「さなえ! 近づくと危険だ!!」
さなえ「あすか! あすか!!」
智樹「ヤバいぞ! あすかが噛まれた!」
あすか「え・・・ うそ、うそよ・・・」
あすか「やだ・・・、やだ・・・!」
あすか「やだやだやだやだやだやだ!!」
あすか「ゾンビになんてなりたくない・・・!!」
あすか「お願い・・・! お願いたすけて! だれか・・・・・・ おね・・・が、い・・・」
あすか「たすけ・・・て・・・・・・」
あすか「・・・・・・」
あすか「・・・・・・」
あすか「・・・」
あすか「・・・・・・」
「あすか!!」
「みんな!! 逃げるぞー!!」
あすか「・・・・・・」
あすか「ヴヴヴヴヴーーーー」
あすか「ヴヴヴヴゥゥゥゥ・・・」

次のエピソード:知られざる過去

コメント

  • 衝撃の真相にゾワゾワとしました。偶然にホラーゲームに入り込んだと思いきや、根底にこんなストーリーがあったとは、、、ストーリー構成の深みに脱帽です!

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