エピソード8(脚本)
〇遊園地の広場
星野千尋「観覧車、楽しかったですね。 私たちの会社見えなかったのが残念でしたけど」
結城あかり「千尋ちゃん、いつから私たちのことつけてたの?」
星野千尋「つ、つけてたわけじゃないですよ。 駅で偶然見かけて・・・」
結城あかり「声かけてくれればよかったのに」
星野千尋「最初、不破さん男の人と話してて・・・」
不破誠「!」
結城あかり「誰かお知り合いにお会いしたんですか?」
不破誠「道を聞かれてただけだ」
結城あかり「不破さん、いい人そうに見えますからね」
不破誠(まさか、この小娘に見られていたとは。 俺としたことが。不注意だった)
結城あかり「それじゃ駅で私たちのこと見かけて、ここまで来たってことかな?」
星野千尋「・・・・・・」
結城あかり「千尋ちゃん?」
星野千尋「ごめんなさい! 嘘つきました!」
結城あかり「え?」
星野千尋「本当は、今日の約束してる時に盗み聞きしてて、それで私・・・」
結城あかり「ふふ。そういうことね」
星野千尋「でも気にしないでください!」
星野千尋「あかりさんにはやっぱり勝てないし、不破さんは私のこと眼中にないっていうか・・・」
不破誠(・・・話が全く見えん)
星野千尋「でも皆、不破さんのこと好きだと思いますよ」
星野千尋「中堀さんだって、最近妙に不破さんの仕事手伝ってるし、あと高井くんも・・・」
不破誠(高井?)
星野千尋「確か無断欠勤する前の日だったかな? 凄い不破さんのこと聞いてきたんですよ」
不破誠(俺の机を調べていた日か)
星野千尋「それなのに会社来なくなっちゃって」
結城あかり「・・・そうなんだ」
星野千尋「あ! すいません! 私、お邪魔ですよね?」
不破誠(だからなぜお前はここへ来たんだ)
星野千尋「不破さん、私大丈夫ですから。 また会社でいつも通り接してください」
不破誠(・・・やはり話が全く見えん)
不破の携帯にメール通知が来る。
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「私、今日は帰りますね」
結城あかり「千尋ちゃん、不破さんといろいろ話したいことあるでしょ」
星野千尋「そ、そんな! 私が帰りますから」
結城あかり「このあと本当に用事があったの。 気にしなくて平気だから。 ね、遠慮しないで」
星野千尋「・・・あかりさん」
結城あかり「それじゃ不破さん、また会社で」
不破誠「・・・・・・」
星野千尋「・・・どうしましょう」
不破誠(こっちのセリフだ)
〇駅前広場
不破誠(結局何だったんだ、あの小娘は)
不破誠(家に送るまで何もしゃべらんし、そして俺もまたしゃべらん。 宇宙空間のような時間だった)
「不破さん」
結城あかり「すいません、遅くなってしまって」
結城あかり「待ちました?」
不破誠「・・・今来たところだ」
結城あかり「ふふ」
不破誠「?」
結城あかり「どこへ行きましょうか?」
不破誠「・・・俺はどこでも」
結城あかり「昼間と同じやり取りしてますね」
不破誠「・・・確かに」
結城あかり「なんか楽しいですね」
不破誠(・・・楽しい気持ちになってしまっている自分がいる)
結城あかり「私のうち、来ませんか?」
不破誠「!」
結城あかり「・・・よかったら、ですけど」
不破誠「・・・・・・」
〇中規模マンション
〇綺麗な一人部屋
結城あかり「ちらかってますけど」
不破誠(十分に片付いている)
結城あかり「というのは建前で、不破さん来ると思って掃除しました」
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「お茶入れますね」
不破誠(これが女性の部屋というものか)
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殺し屋出勤中、ハラハラあり、笑いありでとても面白いです!