第二話 クラスメイト(後編)(脚本)
〇タワーマンション
都心の駅前にあるタワーマンション──
〇玄関の外
〇おしゃれな玄関
梅本は、ぐったりしたままの倫子をお姫様抱っこしている。
梅本「この子、めっちゃ軽くて疲れないわ」
安井千景「梅さん、筋トレしすぎじゃない?」
梶浦美月「ナル入ってるよね(笑)」
〇部屋の前
〇豪華なベッドルーム
梅本「ほいっと」
ダブルサイズのベッドに倫子を寝かせる。
柏木倫子「・・・ここは?」
梶浦美月「梅っちの自宅兼スタジオよ」
柏木倫子「だれ?」
安井千景「そんなことより柏木ちゃん、彼氏っている?」
倫子は小さく首を横に振る。
安井千景「じゃあ、Hってしたことない?」
柏木倫子「・・・・・・」
梶浦美月「ゼッタイ高校のうちにヤッといたほうがいいよ」
安井千景「とっといても意味ないからね」
梶浦美月「処女厨なんてキモオタだけだし(笑)」
梅本「おまたせ~!」
安井千景「これが梅さん。俳優兼監督の人」
梶浦美月「梅っち! 梅っち!」
梅本「はいはい、上モノだから大事にね」
美月は、梅本がくわえていた巻きタバコのようなものを受け取ると──
美味しそうに吸い込み、白煙を吐く。
次に千景が美月から受け取り、やはり美味しそうに吸って吐く。
安井千景「梅さん、やっぱ柏木ちゃん、初めてみたいだよ」
梅本「おお! ラッキー!」
梅本「いや~倫子ちゃん、ほんとカワイイよね」
安井千景「柏木ちゃんは梅さんのリクエストなんでしょ?」
清廉女子高の一年生全員分の写真から、梅本が指名したのだ。
梶浦美月「前よりヤバ目の仕事だったんだから、あたしらの紹介料をはずんでもらわないとね」
梅本「わかってるって。ゼッタイこの子も人気出るから」
梅本「そういや、倫子ちゃんて性格はどんな感じ? やっぱり妹系とか?」
梶浦美月「ありえねー、こいつ、ふだんはめちゃくちゃ陰キャで不愛想なんだよ」
梶浦美月「ゼッタイ笑わないし」
梅本「うそ! まったく想像できない」
梶浦美月「マジ、いつも無表情で、なに考えてんだか全然わかんないから」
安井千景「今はクスリのせいでカワイク見えるけどね~」
梅本「ま、そんなの関係ないか」
梅本「じゃあ、ヤッちゃうか、撮影!」
「おーっ! やろやろ!」
二人は慣れた手つきで、ビデオカメラとライトをセットしていく。
梅本「スタンバイOK!」
柏木倫子「・・・撮影?」
安井千景「記念だから、記念。柏木ちゃんの初めての♡」
梶浦美月「まあ、ヤラれてもきれいさっぱり忘れるらしいけど」
梶浦美月「ほんとヤバいよね、レイプドラッグって」
梶浦美月「たぶん最初はちょっと痛いと思うけど。でも梅っち、処女の相手うまいから」
安井千景「あ、参考に見とく?」
千景がネットの動画を再生する。
〇豪華なベッドルーム
『リアル処女喪失5』
真面目そうな美少女が、梅本(顔にモザイク処理)に、この部屋で犯されている。
少女は抵抗しようとしているが、意識が朦朧としていて無力だ。
挿入されるたびに、切り裂かれるような悲鳴を上げる。とても演技には見えない。
〇豪華なベッドルーム
梅本「おれが運営してる裏系の動画サイト。チョー儲かってる」
梅本「これ、再生回数すごいでしょ。いい動画はみんなすぐ飛びつくから」
安井千景「でもこれって、ガチ未成年なのバレたらヤバくないの?」
梅本「大丈夫。万一手入れがあっても、ヤバイ動画は〝一般ユーザーからの投稿動画〟ってことにしてるから」
柏木倫子「これ、D組の日高っていう・・・」
日高沙織は、ほんのひと月前まで清廉女子高の1‐Dに在籍していた女生徒だ。
〇教室
容姿端麗なだけでなく、優しく気さくな性格でみんなに好かれていたという。
〇豪華なベッドルーム
安井千景「沙織っちのときはラクだったんだよね~」
梶浦美月「柏木とちがって、カラオケに誘ったらすぐにOKで仲良くなって」
梶浦美月「ファッション誌の読モやらないかって言ったらあっさり信じて、この部屋までついて来たんだよね」
安井千景「ちゃんと薬効いてて何も覚えてなかったのにね。あの後も、ふつうに学校来てたし」
梶浦美月「なんで気づいたんだっけ?」
安井千景「美月ががところかまわず、スマホでこの動画見てたからでしょ」
安井千景「そりゃ気づかれるわ」
梶浦美月「そうだっけ? 沙織の動画、エロくてつい見ちゃうんだよね~」
梅本「それで沙織ちゃん、自殺しちゃったんでしょ。かわいそうに」
安井千景「サイアクだよね、ビルから飛び降りてグチャグチャになるって超痛そう」
梅本「倫子ちゃんは自殺しないでね~」
安井千景「柏木ちゃん、死んじゃったら意味ないよ~」
梶浦美月「意外とこいつ、そんなタイプじゃないって」
〇豪華なベッドルーム
梅本「じゃあ、倫子ちゃん。まずはカメラにむかって──」
梅本「〝あたし、これから超カッコイイおにいさんに処女捧げちゃいまーす〟て言ってみよっか」
梅本「笑顔のダブルピースで」
柏木倫子「・・・・・・」
梶浦美月「こいつ、ゼッタイそんなの言わないって!」
梅本「まあ、いいや。本番いこっか」
梅本はベッドに乗り、倫子に覆いかぶさるように四つん這いになる。
梅本「倫子ちゃんは、どんなイキ顔見せてくれるかな~♡」
梅本「上、取っちゃおうね」
倫子の胸元のリボンに触れる。
その瞬間、倫子はカッと怒りの表情となり、
柏木倫子「hag!!」
〇黒背景
〇豪華なベッドルーム
倫子が甲高い奇声を発したとたん、カメラのレンズが砕け──
梅本は強力な金縛りにあう。
梶浦美月「な、なに・・・・・・!?」
柏木倫子「やれやれ」
倫子はゆっくりとベッドからおりる。
柏木倫子「あなたとちがって、芝居をするのは趣味じゃないわ」
安井千景「なんで? クスリもう効いてないの?」
あのとき歩道で、倫子が気持ち悪そうに口を押さえていたのは──
常備している、万能の解毒薬を飲んでいたからだ。
柏木倫子(もう少し即効性があると思ったけど)
柏木倫子(わたしとしたことが、まんまとしてやられたわ)
柏木倫子「でも、あなたたちが想像以上にクズであることが知れて、有意義だったけどね」
倫子は、手で覆うようにしてビデオカメラに触れる。
柏木倫子(これで、映像から私の姿は消去されたわ)
そして自分のスクールバッグから、十センチほどの白い蝋人形を取り出す。
柏木倫子「この人形には、あんたたちどちらかの写真が入ってるわ」
梶浦美月「な、なんだよ、そんなもの・・・」
柏木倫子「はじめは落書きのお仕置き程度で、すますつもりだったんだけど」
柏木倫子「さあ、これはどちらのかしら」
倫子は蝋人形の頭をつまみ、そのまま横むきに首を折り曲げる。
床にくずおれた千景は、血の泡を吹いて絶命している。
梶浦美月「あ、あ・・・」
美月は恐怖で失禁し、生足の内股を伝わせてジャージャーと尿を垂らす。
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お、おう…。
これはまたすごいですね。
運営さんにどこまで許されるのか…🤔
あと、パオーん←これ吹き出ました(笑)
始終ドラマを観ている感覚、夢中でした。怖かったけど、面白かった...。
スチルのタイミングが絶妙で、勉強になちます。