ビンダーパープル

但馬感象

8面 悔しく(脚本)

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〇備品倉庫
  ──月曜日
江藤鉱(あ、秋原さん)
秋原町子「あっ、いるっ」
  って、倉庫で、
  こっち確認しに来て
江藤鉱(久しぶり・・・)
江藤鉱(うわーハグしたいけど 男だからまずいよなー)
  ダンボールカートンの上に
  跨って座ってるところ、
  一切さん来られて、サッと立ったり、
江藤鉱(あ、何このダンボール、空?)
  と思ったら内側に、台形平べったいのが
  フジツボみたくへばりついている。
江藤鉱(これの中に何か入ってんのか)
江藤鉱(あと、風呂?)
江藤鉱(風呂関係は月曜に入ってくるのか)

〇備品倉庫
大花歴亜「毎週来いっ、毎週来いっ」
江藤鉱「木曜日は入荷の日だからいいけども」
江藤鉱「月曜日はみんなの相談する日ですかっ」
  大花さんに肩を揉まれ
  グリグリされつつ、
  倉庫の棚間まわりを押されて歩く。
江藤鉱(今日は、倉庫組揃ってる)
江藤鉱(大花さん今いるもんな、久しぶりに)
江藤鉱(ってことで、まぁもう下行こう)
江藤鉱(ホワイトボードに書いとくか)
  【引き継ぎよろしくお願いします】
江藤鉱(って伝言用にしちゃってるけど、いいか)
江藤鉱(入荷チームノートも立てかけておこう)
江藤鉱(何のかんのあったけど やっぱり入荷組になるんだな俺)

〇未来の店
江藤鉱(あ、kiyuの真似かな)
江藤鉱(すごい上手いな歌)
  販促のときに着るようなTシャツ姿で
  急に歌い始める。
  イヤホンつけて、
  広々したフロア行き来しながら
  ほっぺの赤い、初々しい
  まだヤオバザになじんでない子。
江藤鉱(思い切ったな)
通山五月「歌上手いと自分で思ってると 歌いたくなるんですよねー」
  通山さんがカウンターで言っている。
  と、その子の前に
  立ち塞がるように一人、
  ベテランの日笠さんかな
  バッと行って、
  足どりの圧力で、歌を止めちゃう。
江藤鉱(まぁ唐突ではあったけど 何もそんな止め方しなくたって)
江藤鉱(怖いなー女の人は)

〇地下室
  ──地下1階ゴミ捨て場
江藤鉱「本格的ですねー」
  毛物店長VS俺・大花組で、
  サッカーっぽいことをするんだけど
江藤鉱(さっきの毛物さん セコセコだったからな)
  一回こっち入ったんだけど
  壁に当たってからじゃいけないんだって
江藤鉱(こんな狭いのに? 言ってなかったじゃん)
江藤鉱(ならいいよ、ちょいっ)
  と、トーキックで蹴ると
  ポテンと簡単に決まっちゃう。
  毛物さんは打たせてあげても入らん。
  それがあってかな、毛物店長、
  お互いの壁にゴール代わりのジャン、
  ドラ鍋みたいの取り付けて
毛物店長「ここに当たったらゴールだからなっ」
  と、率先して動く。
  洗濯物もサイド沿いにかかってて、
  枠になってるっちゃあそうかな。
江藤鉱(しかし遊んでていーんかな)
江藤鉱(店長がやってんだからいーんだろうけど 時間空いてるんだな)
江藤鉱「でも、さっきのは 怖かったですよねー、上で」
大花歴亜「あれはわざとだろ」
毛物店長「歌った女の子止めたのか」
江藤鉱(陰険っちゃあそうだよなー)
  と、そこに珠未さん来て、
江藤鉱(うちら呼びに来たのか)
大花歴亜「あ、クリー」
  と、大花さんは歓迎モード。
江藤鉱(まぁでも遊びに来たんじゃないんだろう)
  うちら入荷組、
  下来ちゃってるから呼びに来たんだな
  入荷はなさそうだし、
  お店開けで別用があるんだろう。

〇備品倉庫
  ──事務所入るところに
  フィーバー台のような箱が置いてあって
江藤鉱(催し物で使うのかな)
江藤鉱(これ邪魔だからどけた方がいいな 出入り口塞いでたら他の入れられん)
  すぐどかせるし、別にコンテナ2つ
  あるけど、少しずつしか物入ってない。
  俺と九宝さんがすぐ動いて、
江藤鉱「あーこれは、変な電池ー」
  変な電池は充電式っぽい
  円筒形にカバーしてカクッとした灰色
  (プチプチ緩衝材と白紙で
  桜餅みたいな包まれ方して)
江藤鉱(その箱物の上に置いとくか こぼれ落ちんようにと)

〇駅前広場
  ──尾沢吏帆さんも機嫌よくて、
尾沢吏帆「それじゃあ27とか50があるか 見てこようか」
  って、大花さんに言って、
  (居酒屋とか定食屋っぽいところ
  マップに印ついてるのか)
江藤鉱(線路のところに戻るのか)
江藤鉱(そうなら見ときゃよかったな)
江藤鉱(まぁいってらっしゃい)

〇勉強机のある部屋
折中珠未「今頃みんな 飲んだりしてるんじゃないですか?」
折中珠未「悔しいですからねやっぱり」
江藤鉱(そうなのか?)
江藤鉱(・・・珠未さん 体育座り狭くした姿勢かわいいな)
江藤鉱(じゃあこっちは? 一緒にいてくれんのかな)
  こっちは俺が、ヤオバザの備品を
  自分の部屋に持って帰って来ちゃって
  それを珠未さんに見られて
  机の引き出しにいっぱい、電球とかね
江藤鉱(どう思ってんだろ)
  引越しついでにかな
  俺はちょっとうれしいんだけど
  学習机に水槽というかタンクというか
  枕?にしちゃ高さありすぎるけど
  中にインク投入していいって
  透けてると落ち着かないからか
江藤鉱(素敵な色で満ちればいいけど)

〇花火倉庫
  ──寝ていて左腕組んできたの
江藤鉱(女の子、誰?)
  細めかな
  すり、すりと近くに添ってくる
  脚、腿が触れるくらい
江藤鉱(折中珠未さんかなー ならいいなー)
江藤鉱(来てるんだから俺も 寝返りうって抱いちゃおうかなー)

次のエピソード:9面 和了

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