弾丸と、赤ちゃんの秘密。 (脚本)
〇ラーメン屋のカウンター
響「羽月さん羽月さん羽月さぁぁぁんッ!」
響「どうしよ、どうしよう! あんなに大きくなるなんて!」
羽月「落ち着きなさい、響。 一体、なにがあったの?」
響「えっと、瑠夏が大きくなってるの! 1日であんなに成長するってことは・・・」
響「3ヶ月後には東京ドーム3個分だよ!」
響「どうしよう羽月さん 私、東京ドームのママになっちゃう・・・」
羽月「・・・ずっと何言ってるの?」
羽月「寝ぼけてないで、早くご飯食べて支度したら?」
響「ち、ちがうの! ホントに瑠夏が・・・」
瑠夏?「だーっ」
響「ほら、ほら!」
羽月「ねえ、この子は誰なの?」
響「この子が瑠夏なんだって! 1日で、こんなに大きくなっちゃったの!」
瑠夏?「だっ」
響「おっきくなっても可愛いケド」
羽月「・・・ほ、本当に瑠夏なの?」
瑠夏?「だうー」
羽月「・・・驚いたわね 見たところ1歳くらいかしら」
響「ねっ? ねっ? 私嘘つかないよ?」
羽月「信じられないけど、起きてしまった以上は 受け入れるしかないわ・・・」
響「ねえ羽月さん。瑠夏がビルより大きくなったら どうしよう? めっちゃ可愛いよ?」
羽月「ちょっと静かにして」
響「うすっ!」
羽月「──響。貴女が思っている以上に 厄介な事件かもしれないわよ」
響「え、なんで? 早く成長するだけじゃない?」
羽月「人間の成長サイクルと異なる以上 瑠夏の育児には常識が通用しないのよ?」
羽月「どういう病気が発症するのか。 普通の病院で対応できるのか・・・」
羽月「要するに、何もかもがイレギュラーなの。 そもそも、この子が人間かどうかも・・・」
響「そんなの関係ないもん! 瑠夏は瑠夏だもん!」
瑠夏?「だっ?」
羽月「私だって意地悪で言ってる訳じゃないわ でも、育児って想像以上に大変なのよ?」
響「大丈夫。仕事も勉強も育児も 全部完璧にしてみせるから」
羽月「勉強はすでに壊滅的よね?」
響「・・・首の皮一枚でぶら下がってるよ?」
羽月「ほぼデュラハンじゃない」
羽月「・・・まあ、この件は夕方以降に考えましょ ひとまず、制服に着替えてきなさい」
響「はーい。あ、朝ごはんヨロシクねッ! 行こ、瑠夏!」
瑠夏?「だっ!」
羽月「1日に1歳成長する人間、か」
羽月「人体実験で遺伝子が異なるとすれば 瑠夏はおそらく・・・」
羽月「いや、まだ伝えるべきじゃないわね」
〇古いアパートの部屋
響「よし、完璧っ!」
響「じゃあ瑠夏、私は学校に行ってくるね」
瑠夏「・・・だうー?」
響「あー! そんな悲しい顔しないで! ちゃんと帰ってくるから、ね?」
響「瑠夏は連れていけないんだよぉ」
瑠夏「・・・だぅ、ぁっ」
響「うわぁぁぁぁぁ! ダメだ! 置いて行くのもムリ!」
〇ラーメン屋のカウンター
響「というわけで、高校に連れていきます」
瑠夏「あっう!」
羽月「いやいやいやいや! 無理無理無理無理!」
羽月「お供の妖精を連れていく魔法少女とは 訳が違うのよ? 無理に決まってるでしょ」
響「羽月さん。愛は魔法だよ」
響「羽月さんは愛を知らない魔物だから わかんないかもしれないケドね」
羽月「・・・殴るわよ」
響「・・・事後報告じゃん」
羽月「とにかく、瑠夏の面倒は私が見るから」
羽月「ほら、瑠夏。 こっちにおいで?」
瑠夏「・・・あぅ」
響「瑠夏、羽月さんは怖いケドいい人だよ?」
羽月「一言余計なのよ」
瑠夏「・・・うっ!」
響「あ、喜んでる」
響「じゃあ、瑠夏は羽月さんにお願いするね」
羽月「・・・えらく聞き分けがいいじゃない」
響「まあ、ね。 響ちゃんは良い子だから!」
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2話目待ってました!
冒頭の東京ドーム3個分で吹きました。
ワードセンスが半端ないですね。
このまま成長し続けるのか?
引き続き、展開が気になります。