「DOLL HOUSE」(脚本)
〇お化け屋敷
この屋敷には、資産家の夫婦と5歳になる一人娘が暮らしていたんだ
娘は体が弱く、屋敷にあるたくさんの人形だけが唯一の遊び相手だった
〇豪華なベッドルーム
そんなある日、夫婦は資産家を狙った
何者かに襲われ殺害される──
〇綺麗な部屋
ショックを受けた娘は、屋敷中の人形を集めて人形遊びに没頭するんだ
食べることも忘れてね──
〇地下室(血の跡あり)
両親が死んでから何も口にしなかった娘は、あの殺風景な部屋でひとり餓死してしまう
〇広い厨房
智樹「ここが安全なのは、調理場という存在を女の子が知らなかったからだよ」
さなえ「ゲームとはいえ、女の子の最後は可哀そうね・・・」
智樹「そうだな・・・」
〇お化け屋敷
娘が死んでからというもの、屋敷は主不在のまま何年間も放置され
屋敷で起こった凄惨な事件は、いつしか街の人々の記憶から忘れ去られるんだ。
〇広い厨房
智樹「で、ここからゲーム本編が始まるんだけど──」
〇暗い廊下
このゲームは、男女6人が肝試しに来るところから始まる
操作を誤れば、女の子の怨念によりバケモノと化した人形に襲われ
きょう子のようにゾンビに変えられてしまう
〇広い厨房
智樹「女の子は遊び相手が欲しいんだ。 だから屋敷にくる人を次々とゾンビにさせては遊び相手を増やしているんだよ」
智樹「女の子は満足すると残ったやつらを解放するんだけど」
智樹「それはゲームのエンドじゃない」
智樹「ゾンビになった人数分が補充され、また最初からゲームが始まるんだ」
智樹「正しいルートを進まない限り、ゲームは延々とループし続ける・・・」
「・・・」
あすか「ゾンビになる上限人数ってあるの?」
智樹「人数は決まってなくて、2人の時もあれば4人の時もあったし、全滅する時もあった」
あすか「全滅・・・」
茂太「でもさぁ、全員が助かった道もあった気がするんだよな~」
智樹「うん。 誰もゾンビにならず女の子を成仏させる。 それが真のハッピーエンドだ」
さなえ「でも、このゲームの世界には別の世界のものが紛れ込んでるんでしょ」
さなえ「本来のゲーム通りには進まないかもしれないよね」
智樹「うん。その可能性もあると思う」
智樹「とはいえ、教科書と血まみれの浴室。この意味がぜんっぜんわかんねーからなぁ」
智樹「この別世界のアイテムがどうやってこのゲームに干渉するのか、それが分かるといいんだけど・・・」
茂太「まぁまぁ、どれだけ考えてもわかんねーもんはわかんねーし。 分かることから始めていこうぜ!」
智樹「それもそうだな」
あすか「それにしても、ゲームの人数も6人だなんてすごい偶然だね」
みく「だよね。 わたしたちも6人だもん」
茂太「あ、その理由もね 思い出したんだ!」
みく「もしかして、人数にも意味があるの?」
茂太「この屋敷にいる中ボス。 あいつを倒すのに必要な人数が最低5人なんだよ」
智樹「あ! そういやそうだった!!」
茂太「だから中ボスを倒す前に仲間が4人以下になると、必然的にゲームオーバーになるんだよな」
智樹「そうそう!」
茂太「そして俺たちが今からやることは、中ボスを倒す専用の武器を手に入れること!」
みく「専用の武器って?」
「ニヤっ」
〇暗い廊下
みく「まさか専用の武器がマイク4本にハンマー1本だなんて・・・」
智樹「不安?」
みく「んー、ちょっとだけ。マイクなんて武器として成り立つのかなって思っちゃう」
智樹「はは! それが普通の反応だよね!」
智樹「でも安心してよ! なんてったって俺と茂太はこのゲームの経験者なんだから!」
みく「うん。もちろん信じるよ! でも・・・」
みく「マイク4本ってどうやって使うの?」
智樹「まぁそれは現地に着いてからのお楽しみってやつかな」
智樹「とりあえず、マイクとハンマーを見つけない事には始まらないし! バケモノには気を付けて早急に探し出そうぜ!」
みく「うん! 行こう!」
〇広い厨房
智樹「以外と早く揃ったな!」
あすか「ゲームの武器って剣とかピストルとか、そういうものを想像してたんだけど」
あすか「ホントにマイクが武器になるの??」
茂太「まぁ見てなって。 このマイクがないとあいつは倒せないんだよ」
「??」
ゲームの設定とストーリーを思い出すということで、脱出に向けて光明が見えてきましたね。ゲーム設定の作り込みが深いので、ゲームそのものも気になってきましたw