肝試しにきたらそこはホラーゲームの入り口だった

入江恵衣

異物混入(脚本)

肝試しにきたらそこはホラーゲームの入り口だった

入江恵衣

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〇広い厨房
あすか「みんな! お帰り!」
みく「あすか! 一人で心細かったよね、大丈夫だった??」
あすか「私は大丈夫だよ! みんなが無事に帰ってきてくれて良かった~」
茂太「あれ? なんか美味しそうな匂いが・・・」
あすか「あ、気づいてくれた?」
あすか「あのね、実はみんながお腹空かせてると思って、ここにある食材で料理してみたの」
「すごい! 美味しそう~!」
智樹「あすかナイス! ここの食材は体力回復の効果があるんだよ」
さなえ「すごく美味しそう! いただきます!」
「ん~! 美味しい~!」
あすか「やったね! ありがとう~」
あすか「ところで・・・ 探索でアイテムは見つかった?」
茂太「俺とさなえで中庭に行ったんだけどさ。 草むらの陰にこれが置いてあった」
みく「ぬいぐるみだ!」
茂太「そう。ちょっと年季の入ったぬいぐるみ。 所どころほつれてるんだよな」
さなえ「それと、一階のゴミ捨て場にこれが・・・」
みく「写真だね。 仲良さそう。この二人、夫婦なのかな?」
智樹「・・・」
茂太「智樹のところは? どうだった?」
智樹「これが、女の子の寝室の机の引き出しにあった」
さなえ「!!」
あすか「なあに、それ。教科書?」
智樹「あぁ、小学一年生って書いてある。 それに・・・」
  パラパラパラ・・・
茂太「うわ! なんだこれ、落書き!? それにしてもひでーな!」
あすか「どのページをめくっても「ブス」とか「死ね」って書いてある。なにこれ・・・」
智樹「あと・・・」
みく「お風呂場の浴槽が血まみれになっていたの」
「!!」
さなえ「・・・」
智樹「ここからはさ、確信に近い俺の想像なんだけど、ちょっと話を聞いてくれる?」
「・・・・・・」
智樹「あのさ、」
智樹「俺たちのいるこの世界は、ゲームの 「DOLL HOUSE」で間違いないと思うんだ。だけど」
智樹「他の世界のモノが混ざってる」
さなえ「!」
智樹「出てくるバケモノや屋敷の構造。 それらは全て「DOLL HOUSE」とまったく同じだ」
智樹「でも・・・」
茂太「アイテムが違う! だろ」
智樹「そう!」
智樹「茂太たちが見つけてきたぬいぐるみと写真はゲームの中にも出てきてたアイテムだ」
茂太「でも、智樹たちが見つけてきた教科書と血まみれの浴槽はゲームにはなかった設定。 そうだろ?」
智樹「その通り!」
あすか「でもここは「DOLL HOUSE」の中なんでしょ?」
智樹「きょう子がゾンビになったり調理場は安全だったりすることから、ここがゲームの世界ということに間違いはない」
智樹「ただ、他のものが混ざり込んでいるのも確かだ。その謎を解明することが屋敷からの脱出につながると思うんだよ」
茂太「俺さー、ちょっと思い出したんだよね。 このゲームをクリアした時のこと」
「え! ほんと!?」
茂太「そんな期待されても・・・! いっとくけど全然うる覚えだぞ」
茂太「俺さ、初めてゲームをクリアした時 すげー後味悪かったんだよね」
みく「後味が悪い? どういうこと?」
茂太「きょう子がゾンビになっただろ。 それに関することなんだけど・・・」
茂太「俺がクリアした時は、複数人がゾンビになってたんだよ・・・」
「!!!!」
あすか「もうヤダよ・・・。 だれもゾンビになってほしくないよ・・・」
さなえ「あすか・・・」
智樹「茂太の話を聞いて俺も少し思い出した。 たしか、仲間のゾンビに追いかけられながら脱出したような・・・」
あすか「仲間に追いかけられるの!? そんな・・・!」
智樹「でも誰もゾンビにならなかった道もあったような気がするんだよなぁ」
智樹「とりあえず、今ある情報を整理すると」
智樹「俺たちが見つけたゲーム内のアイテムは」
智樹「ぬいぐるみと男女の写真」
智樹「そしてゲームに関係のないモノが 小学一年生の教科書と血まみれの浴槽」
智樹「教科書にぬいぐるみ・・・ 血まみれの浴槽に人形のバケモノか・・・」
智樹「んーーーー」
智樹「んっ!?」
智樹「あ! 思い出した!!!!」
「え!!!!」
智樹「みく! さっき2人で見たあの部屋!」
みく「真っ暗で不気味な、あの部屋のこと?」
智樹「そう! あの部屋はラスボスを召喚する部屋だ!」
「ラスボス??」
智樹「ああ!」
智樹「「DOLL HOUSE」のラスボス。 それは・・・」
智樹「まだ5歳の小さな女の子だ」

次のエピソード:「DOLL HOUSE」

コメント

  • 物語の世界についての謎と考察で、ぐっとストーリーに深みが出ましたね。ゲームとは異なる設定の理由は、どんどんと興味がそそられます。

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