ゲームのセオリー「アイテム探し」(脚本)
〇洋館のバルコニー
みく「も、もしもーし・・・・・・」
みく「すみませーん・・・」
みく「だれかいるんですかー・・・??」
みく「ヒッ!!」
「みく!!」
みく「さなえ! 茂太君!」
さなえ「みく! みく! 良かった、無事だった!」
みく「2人一緒にいたのね! 良かった~!」
茂太「みく、 智樹のこと見なかったか?」
みく「智樹君なら 調理場であすかと一緒にいるよ!」
茂太「そうか! あいつ無事なんだな。安心したぜ」
さなえ「もしかして、私たちのこと 捜しに来てくれたの?」
みく「うん! 2人とも無事で良かったよ さぁ、早くここから離れよう!」
さなえ「きょう子は? きょう子も見つかったの?」
みく「・・・」
さなえ「え、どうしたの? きょう子、まだ見つかってないの・・・?」
みく「ううん・・・ きょう子、見つかったよ・・・」
さなえ「良かったー! じゃあ今は あすかや智樹君と一緒にいるのね」
みく「・・・ とりあえず、調理場は安全だから 化け物がいないうちに早く移動しよう」
「う、うん・・・」
〇広い厨房
あすか「さなえ! 無事でよかった!」
さなえ「あすかも! 会えて嬉しい!」
智樹「茂太! お前よく生きてたな!」
茂太「智樹! どこ行ってたんだよ! めっちゃ探したぞ!」
みく「これで全員集合だね」
「え? 全員!? きょう子は??」
「・・・」
みく「あのね・・・ 驚かないで聞いてほしいんだけど」
みく「きょう子、ぬいぐるみの化け物に 襲われてしまって・・・」
さなえ「え! 襲われた!?」
茂太「おい! それできょう子はどうなったんだよ!」
みく「ゾンビになって 今は屋敷を彷徨ってる・・・」
さなえ「ゾンビ!? どうしてそんなことに・・・!」
茂太「ぬいぐるみの化け物って あの巨大化したクマみたいなやつ?」
あすか「うん。 あいつが突然、きょう子に噛みついて・・・」
さなえ「そんな・・・ きょう子・・・」
「・・・・・・」
智樹「なぁ、茂太。 この屋敷とかぬいぐるみのバケモンに 見覚えないか?」
茂太「見覚え??」
智樹「ああ」
智樹「ホラーゲームの「DOLL HOUSE」 中学の時に一緒にやっただろ。 あれにそっくりだと思わないか?」
茂太「あ! 言われてみれば!」
智樹「だろ。きっとここは 「DOLL HOUSE」の世界なんだよ」
茂太「だから調理場は安全なのか」
智樹「でさ。 俺、ゲームの内容ほとんど忘れちゃって」
智樹「茂太、なにか覚えてることない?」
智樹「例えばクリア方法とか」
茂太「クリア方法ねぇ・・・ んー、何年も前のゲームだし 俺もうる覚えだなぁ・・・」
さなえ「ねぇ、ちょっと待って。 ここはゲームの世界なの?」
智樹「たぶんな。 「DOLL HOUSE」っていう ホラーゲームの中だと思う」
智樹「クリア方法がわかれば 俺たちもここから脱出できると 思うんだよ」
さなえ「クリア方法・・・」
さなえ「ねぇ、もし本当に ここがゲームの世界なら セオリーに沿って進めるべきじゃない?」
「セオリー?」
さなえ「アイテムの探索よ」
「あ! なるほど!」
〇暗い廊下
智樹「じゃあ、俺たちは こっちの右側ルートから進むよ」
茂太「オッケー! じゃあ俺たちはこっちの左側ルートだな」
智樹「茂太! さなえ! バケモンなんかにやられんなよ!」
茂太「あぁ! 智樹とみくもな! 絶対に無事に戻って来いよ!」
みく「・・・・・・」
みく「あすかを一人だけにして 大丈夫かな・・・」
智樹「みくは優しいな。 調理場は安全だし大丈夫だよ」
智樹「それよりほら、 茂太たちもうあんなに遠くまで 進んでる」
智樹「俺たちも気合を入れて アイテム探し頑張んなきゃな!」
みく「うん、そうだね!」
〇綺麗な部屋
みく「この部屋は初めてきた・・・ なんだか可愛らしいお部屋だね」
智樹「ぬいぐるみがたくさんある。 女の子の部屋って感じだな」
みく「じゃあ、わたしはあっちの タンスや机あたりを探してみるね」
智樹「じゃあ俺は ベッド周りを探してみるよ」
みく「・・・ 智樹君、なにかあった??」
智樹「いやー・・・こっちにはなにも・・・ ベッドの下もゴミ一つ落ちてないわ」
みく「そっか・・・ 私のほうも、なにもな・・・」
みく「あっ!」
智樹「ん? なにか見つけたか!?」
みく「これが机の引き出しに・・・」
智樹「これは・・・ 教科書・・・?」
みく「小学一年生って書いてある」
みく「なんで一年生の教科書がここに・・・」
智樹「うわっ! なんだこれっ!」
みく「ヒドイ・・・ どのページをめくっても 「ブス」とか「死ね」って書いてある」
智樹「・・・」
みく「智樹君? どうしたの?」
智樹「いや! 別になにも・・・! とりあえずこれはみんなのところへ 持ち帰ろう」
みく「うん。そうだね」
〇暗い廊下
智樹「他の部屋も探索しよう」
智樹「あ! みく! ちょっと待って!」
???「ヴヴーー ヴヴヴーーーー」
きょう子「ヴヴゥーーーー ヴヴヴヴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
きょう子「ヴヴーー ヴヴヴヴーーーー・・・・・・」
みく「きょう子・・・」
「・・・・・・」
智樹「どうやら 行ったみたいだな」
智樹「おい、身体震えてるぞ! 大丈夫か?」
みく「うん・・・ 大丈夫・・・」
みく「きょう子のためにも 絶対にこのゲームをクリアしないとね」
智樹「そうだな! 絶対にみんな揃って脱出しよう!」
みく「うん!」
〇地下室(血の跡あり)
智樹「うわっ!」
みく「ヒッ!!」
みく「なに? この部屋・・・ 真っ暗だし すごく不気味な感じがする・・・」
智樹「俺、この部屋に見覚えがある・・・」
みく「え! ほんと!?」
智樹「ああ。 でも、もっと終盤で見たような・・・」
みく「終盤?」
智樹「とりあえず、この部屋には 何もなさそうだし 他の部屋に行こう」
みく「うん・・・」
〇西洋風のバスルーム
智樹「おぉ!」
みく「うわー! 綺麗なお風呂!」
智樹「他の部屋と違って この部屋はやけに明るいな」
みく「汗で体がベタベタしてたんだよね。 ここキレイだし、 シャワーくらい浴びてもいいよね?」
智樹「お、おい! なに言ってるんだよ!」
みく「冗談だよ。 こんな時にお風呂なんて・・・」
みく「な、なにこれ!!」
〇流れる血
智樹「これ、血だ!!」
みく「浴槽が真っ赤になってる・・・ それに、この臭い・・・」
智樹「・・・」
智樹「みく。 急いで調理場へ戻ろう」
みく「え? もう? この先の部屋は調べないの?」
智樹「思い出したことがあるんだ・・・ 早くみんなに伝えたい・・・」
みく「う、うん。 わかった・・・」
探索中の緊張感がいいですね、ホラーの空気感満載で。で、ゲーム内容を思い出しつつある智樹くん、彼は無事にエンディングまで導くことができるのか、今後も見物ですね。
効果音がいい味を出していて、時々ビクッとしてしまいましたw続き読みたいです!