エピソード2 ペットを探す少女(脚本)
〇応接室
スピリチュアル探偵GENJI「どうぞおかけください」
依頼者・みすず「はい。お願いします!」
依頼者・みすず「子供ですみません!」
スピリチュアル探偵GENJI「おひとりですか?」
依頼者・みすず「はい。塾の帰りに寄りました」
スピリチュアル探偵GENJI「今度、保護者の方と一緒に改めて来てください」
依頼者・みすず「いっ、1分だけいいですか!」
依頼者・みすず「私のペットのユニコーンがいなくなっちゃったんです!探してください!」
スピリチュアル探偵GENJI「ユニコーン?」
依頼者・みすず「はい。目を離したすきに」
スピリチュアル探偵GENJI「犬や猫の名前がユニコーンではないですよね?」
依頼者・みすず「だったら、ここにこないですよ!」
依頼者・みすず「お願いします! かわいがってるユニコーンなんです!」
スピリチュアル探偵GENJI「分かりました。ではユニコーンについてお伺いします」
スピリチュアル探偵GENJI「ユニコーンに名前はありますか?」
依頼者・みすず「名前はありません。ユニコーンと呼んでます」
スピリチュアル探偵GENJI「ユニコーンは何が好きでしたか?」
依頼者・みすず「色んなおもちゃで子供と遊ぶのがすきでした」
スピリチュアル探偵GENJI「そうですか。それでは、これからスピリチュアル捜索に入ります」
〇水中
眼を閉じて、ユニコーンを思い浮かべてください
依頼者・みすず「・・・・・・・・・・・・」
ユニコーンに呼びかけてください
依頼者・みすず「どこにいったの!」
依頼者・みすず「あなたは空想上の生き物じゃないよ!」
依頼者・みすず「確かにいるし、今、叫んでる!」
スピリチュアル探偵GENJI「見つかりましたね?」
依頼者・みすず「はい! 信じてくれてありがとうございます!! どうも失礼しました」
〇応接室
謎の男パトソン「さっきの子、帰る時、『色々嘘ついてごめんなさい』って、言っていたよ」
スピリチュアル探偵GENJI「別に嘘ではないだろう?」
謎の男パトソン「そうはいっても、やはりユニコーンはいなかったんだから。彼女自身が座敷わらしっていうだけで」
スピリチュアル探偵GENJI「座敷わらし?」
謎の男パトソン「知らなかったとは言わせないぞ」
謎の男パトソン「あの子は、寂しかったんだろう。最近は、座敷わらしを信じる人が少なくなってきたからね」
謎の男パトソン「だから、架空の存在とされているユニコーンの行方と、自分を重ねていたのだろう」
謎の男パトソン「君がユニコーンの存在を信じた事で、あの子は、救われたんだ」
スピリチュアル探偵GENJI「いや私は関係ない。あの子自身のスピリチュアルな力で、自分を信じたんだ」
スピリチュアル探偵GENJI「スピリチュアルは人間だけのためのものではないからね」
謎の男パトソン「スピリチュアルって、いったいなんだろう? ・・・なんだか眠くなってきた。 これはスピリチュアルのせいか?」
スピリチュアル探偵GENJI「いや、それはパジャマと夜のせいだろう」
スピリチュアル探偵GENJI「今日は帰ろう」
二人が帰ろうとした時、ドアを乱暴に叩く音が響いた