見習いリリカの悪魔契約

三雲ユウリ

2話 見習い悪魔、正体を明かす(脚本)

見習いリリカの悪魔契約

三雲ユウリ

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〇教室
  転校初日、昼休み

〇教室
リリカ「ぜーったい(契約して、その悪意を私の)ものにしてやるんだから!」

〇教室
リリカ(あの発言のせいか午前はずっとジロジロ見られてたし・・・サイアク・・・)
リリカ(ってダメダメ!落ち込んでる暇ないわ)
リリカ(ママとパパに会うためにも、あいつと契約しなきゃ)
リリカ(いた!よっし、契約しに行こ!)
生徒「ねぇねぇ、美桃さんって知り合いなの?」
トウマ「え、えぇ?えっと、知り合いではない・・・かな」
生徒「じゃあじゃあ、あの子が変なこと言ってるだけだよね?!」
生徒「付き合ってたりとかじゃないよね?」
トウマ「もちろん。美桃さんは誰かと勘違いしてるんじゃないかな?」
生徒「だよね、だよね!」
リリカ「ちょ、ちょっとなにあれ・・・人間集まりすぎでしょ」
リリカ「あっ! ちょっと通して〜!」
生徒「ね、君可愛いね。つか長谷川と知り合い?」
生徒「あいつ辞めといた方がいいと思うけどな〜ほら、ファンの奴らも怖いしさ」
リリカ「え、なになに?! てか長谷川って誰」
生徒「なーに言ってんの、朝指差してたじゃん」
生徒「長谷川だよ、長谷川トウマ」
リリカ「長谷川、トウマ・・・なるほど、あいつそんな名を持つのね」
生徒「てかそれよりさ〜俺らと昼食わね?」
生徒「そーそ、転校してきたばっかでしょ?昼食うのにおすすめの場所あるんだよね」
リリカ(何この人間たち・・・距離近くない?)
リリカ(最近ずっとセンセーとしか喋ってなかったし、疲れる・・・)
リリカ「えっと、私トウマに用があるから!じゃあね!」
生徒「あ、ちょっと!」

〇学校の廊下

〇学園内のベンチ
リリカ「いなーーい!」
リリカ「どうしよっかな〜」
リリカ「そうだ!魔法使おっと」
リリカ(あたしの膨大な魔力を制御する補助器具・・・)
リリカ(センセーがくれたけど、なぜか人間界のスマホっぽいのよね)
リリカ(あんま魔法使うなって言われたけど、これならスマホ触ってるようにしか見えないし)
リリカ「さーって、長谷川トウマはどっこかなっと」
リリカ「えーなになに、一階の・・・端?食堂?」
リリカ「さっすがあたし!天才!」
リリカ「待ってなさいよ〜!」

〇学食
生徒「美味しかったね!」
トウマ「うん。学食普段あんまり行かないけど、わいわいしてていいね」
生徒「でしょ?ねぇ、明日も学食で食べよーよ」
男子生徒「まてまて 普段は俺たちは別のとこで食べてる」
女子生徒「それに私たちもトウマもお弁当持ってきてるし・・・」
生徒「なに、幼馴染だからって調子に乗って!」
男子生徒「調子・・・?」
女子生徒「美桃さんのことで不安なのはわかるけど、落ち着いて・・・」
生徒「だって・・・!」
トウマ(はぁ)
リリカ「いた!長谷川トウマ、あたしとけい──!」
生徒「キャー!美桃さんよ!」
生徒「トウマくん、こっち!逃げよ、ストーカーされてるんだよ!」
リリカ「えっちょ、まっ」
リリカ「えぇ・・・」

〇教室
リリカ「はぁ・・・」
リリカ(まさか、今日一日ずっとまともに話しかけられないなんて)
リリカ(なんかずっと人間に囲まれまくってるし)
リリカ(しかも分かんないのはあの悪意なんだよね〜)
リリカ(陰気で虐められてる人間が悪意を溜め込む話は定番)
リリカ(だけどずっと笑顔だし、人間には囲まれてるし・・・)
リリカ(もーわかんない!とりあえず、今日は帰ろっと)

〇学校の昇降口
リリカ「あれ?」
  屋上にて待つ
リリカ「これは・・・なにかしら」
リリカ「手紙?私の下駄箱に・・・?」
リリカ「あぁ、人間界のドラマでやっていた・・・告白というものね!」
リリカ「って、昼の距離が近かった人間達とかかしら」
リリカ(うーん、なんか勢いが凄そうだし相手したくない・・・)
リリカ「そっか!あたしのこと何とも思わない暗示をかければいいんだわ!」
リリカ(人間に干渉する魔法をかけると、その人間とは契約が結べなくなるけど・・・)
リリカ(どうせ長谷川トウマとしか契約しないもの)

〇高い屋上
リリカ「たのもー!」
リリカ(さって、告白してきたっぽい奴らはどこかしら・・・って)
リリカ「女?!」
リリカ(そういえば人間は同性での恋愛もする種族だっけ・・・?)
リリカ(いやでもあの人間達は確か長谷川トウマを囲んでいた・・・)
リリカ(どういうこと?!)
生徒「美桃さん!」
リリカ「え、あ、なに?!」
生徒「トウマくんに近づかないで!」
生徒「今日ずっと追いかけ回してたでしょ!」
生徒「トウマくん可哀想・・・」
リリカ「えっと・・・」
リリカ(うーん、確かに契約のためにずっと話しかけようとはしてたかも・・・)
リリカ(不審だったのかしら?うーーん)
生徒「トウマくん!」
生徒「どうしてここに・・・」
トウマ「やぁ、一ノ瀬さん、青木さん。それに・・・美桃さん」
生徒「あ、えっとその、私たち・・・」
トウマ「青木さんは学級委員だもんね。桃井さんに校舎案内とかしてあげてたの?」
生徒「そ、そうなの」
リリカ(えっそういう話だったの? あれなんか違くない?)
リリカ(けどなんか威圧感的な何かが凄くて口挟めないわね・・・)
トウマ「そっか。じゃあ中断することになっちゃって申し訳ないんだけど、美桃さん借りていい?」
トウマ「先生が呼んでるらしくて。探してたんだ」
生徒「も、もちろん!そろそろ終わりそうだったし大丈夫」
生徒「ね、そうだよね!美桃さん!」
リリカ「え?えぇ、そうね」
生徒「じゃ、私たちは帰るから また明日。トウマくん」
リリカ(怒涛すぎて口を挟む暇がなかった・・・)
リリカ(けど、なんか助かった・・・かも?)
リリカ「あ、ありがとう。長谷川トウマ」
トウマ「は?」
リリカ「あんたが来てくれたおかげで、彼女達の話を聞かなくて良くなったみたいだから」
トウマ「別にお前のためにやったんじゃないし・・・てか」
トウマ「青木さん達怒らせたのもそうだけど転校早々問題起こさないでくれる?」
トウマ「皺寄せ来てめんどいんだよね」
リリカ(やっぱり・・・!昨日初めて会った時みたいな威圧感)
リリカ(今日ずっとニコニコしてたはずなのに)
リリカ「えっと、それはその契約して欲しくて」
リリカ「でも少し自分勝手だったとは思ってるわ ごめんなさい」
トウマ「その契約ってのだよ」
トウマ「妄想癖のある変人で、学外の人間だと思ったから・・・気を抜いちゃったんだ」
トウマ「まさか転校してくるなんて」
リリカ「も、妄想癖ってなによ!あたしは悪魔で、あんたと契約しに来たのよ」
トウマ「はぁ・・・。いいか?俺はお前のその妄想癖をなるべく言いふらさないでやる」
トウマ「だから問題行動起こすな、俺に関わるな、俺について話すな」
トウマ(昨日、苛ついて雑に対応したが、この対応がクラスの奴らにバレるわけにはいかない)
リリカ「ちょ、もうどういうこと?!なんか対応が他と違いすぎるでしょ」
リリカ「さっきは笑ってたのに今すっごい怒ってるし」
リリカ(楽しいとか言っておきながら楽しそうじゃなかったし・・・わかんなーい!)
トウマ「お前への対応を間違えたのは俺のミスだよ」
トウマ「ただ、これ以上くだらない話をする予定はない クラスで浮きたくないだろ?」
トウマ「話はつけててやるからもう少し落ち着きなよ」
リリカ「ちょ、ちがっ」
リリカ「あたしは・・・妄想癖じゃないって・・・」
リリカ「言ってるでしょーー!」
リリカ「あたしと契約しなさい!」
トウマ「は、おいまじかよ・・・」

次のエピソード:3話 見習い悪魔、気絶する

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