6面 ドラゴンスリーパー(脚本)
〇音楽スタジオ
せつないスピーチ
ピーチ型のマイク
夢を吹き込んで
どうなる?
マイクがテープレコーダーになってて
どんぶらこ?
熱唱してたっけ。
〇未来の店
ショーケース越しに
九宝さんともう一人女性が話していて、
そこを通りがかると声をかけられて
九宝優梨「尾沢吏帆さんって知ってます? 知らないか」
江藤鉱「この前、お会いしましたよ」
九宝優梨「え、いつ?」
江藤鉱「つい先日、2日前だったかな」
九宝優梨「マジで?」
と言うと、色めきだって、
シフト表か何かあさり始める。
知ってるも何も、ご一緒したからな。
尾沢吏帆さんの話になって
一段落ついたかなくらいで、
誰かが後ろから首を揉んでくれる。
あーいい、こりゃ、軽めの力で
誰だろって振り向くと、
折中珠未さん。にこーっと笑顔で、
思ったより顔近くにあって
ちょっとドキッとする。
江藤鉱「右の方がこってんすよねー」
江藤鉱(そっちの方重点的に 押してくれるかな、親指で)
と思ったら、
チョークスリーパーかけてくるので
タップする。
折中珠未「え、もう?」
江藤鉱「いや、そのまま投げちゃっても よかったんですけどそれはまたね」
汗かいてんのに揉んでくれて、
ありがとう、うれしい。
オレンジのシャツいっちょの俺。
〇空
──九宝さんの肩をマッサージする。
江藤鉱「ちょっとほぐすだけで楽になりますよ」
「整体やってた」とか言ったのかな。
したら、「ちょっとやって」って
九宝さん来てくれて、
もうみんなで移動するところだったので、
歩きながら
江藤鉱「じゃあ肩だけでも・・・ こってるんでしたっけ、右ですか?」
九宝さん浴衣姿で、
緑地にちらちら小花あしらいの。で、
右肩甲骨内側上の方かな、一押し入れる。
と、九宝さんが何故か両手を
タイガードライバーされるときのように
下から後ろにもってくる。
江藤鉱(背中寄っちゃって押しにくいな・・・)
江藤鉱「いいですよ、普通にしてて。 こってんすねー、一回強く入れましたけど」
九宝優梨「すっごい今の」
効いたみたいなので、続けていれてみる。
骨には当たってないよな。
しかし九宝さん、ジッとしてなくて・・・
嫌がってるわけではないみたい。
離れないし。
江藤鉱(俺ドキドキしてんな、 九宝さんの腕が触れたんじゃないか こっちの敏感に・・・気づかれるよ)
江藤鉱(何かたいして揉んでないんだけど──)
九宝さんめくるめく裸に見えて
いつの間にか軽く抱き合って、
ダンスまわってるみたいになる。
輪舞しつつ見上げると
夜空の雲にうつる輪郭
ドラゴンかな?飛竜タイプの。
で、それと別に
お願い羊?何かクッキーに
プリントされるような柄も浮かんで。
何か綴られてたけど
何て書いてあったんだろ。
”コングラッチュレーション”とかー?